過去・1*奪われ行く者
「此処は………狂羅の家?」
「そうみたいですね」
「うん」
闇の中へと消えた3人の声だ
「きゃっ!?」
(大丈夫!?)
「えぇ大丈夫みたいです。それにしても…此処は一体何処なんでしょう?」
(そうね…あら?貴方達は会場にいたわね)
「カイラさんにエレナさん、それとシェルさん!」
「ミンミさん!?どうして此処に?」
ミンミは3人が消えた後に自らも闇に覆われた事を話す
「なぁ…狂羅は本気なのか?」
「恐らく本気だと思います」
カイラの呟きに答えたのはミンミだった
「何故そう思うのですか?私は狂羅さんを信じてます」
「そうよ!狂羅君はきっと冗談を言ったのよ!」
ミンミに突っかかるようにエレナとシェルは声をあげた
「本当にそうお思いですか?」
「それは…」
「でも…でも…」
ミンミの問いに確信を持って答える事は出来なかった
狂羅とは確かに仲が良かったのだろう
だがそれが何になる?
自分達は彼達の事を何も知らないではないか
「俺達はあの2人の事を何も知らなかった。でも今からは違う。狂羅は話は後だって言ったんだ。狂羅は俺達に話してくれようとしてるんだ。今から…今からやり直すんだ!」
「そうよ!」
「そうですよ!」
「私もそう思います。私狂羅さんの事を大切に想っています。大切な人を止めたいとそう思っています」
「止まりませんわ。私達は絶対に止まる事などありませんわ」
「ソフィさん…」
会話に突然入ってくる澄んだ声
4人が振り向いたその先にテーブルに腰掛けた2人の姿が見えた
声の主はソフィア・アイリス・プリンセス
「カイラさん、私の名前はソフィア・アイリス・プリンセスですわ。ソフィアでもアイリスでも宜しいですわよ」
「まぁ取り敢えず座れ。後少しでフェス達も帰ってくる」
カイラ達は静かに席に座った
しばらく無言のまま時が流れた
「ご主人様~!」
騒々しくフェスが帰って来た
その後にミルとミーヤも続く
「師匠あれは一体どうゆう事なんですか!?」
「取り敢えず座れ」
「はい…」
狂羅の横にソフィア
その対面にカイラ達が座る
「お前達には話しておく。俺の、いや俺達の過去に何があったかを…」
「この世界の人間達の罪をお話しましょう」
☆★☆★☆
「じゃあ僕行ってくるよ~」
「気を付けなさいよ~」
「うん」
何処にでもあるような一般の家庭環境に産まれた男の子
父と母の愛情を一身に受けて育てられた
母のお腹の中には新しい命が育まれており、良き兄になることを目標にしていた
今日から小学校へと1人で通う
先日入学式を終えて、今日からピカピカの1年生だ
学校が終わって家に帰る
「なんだろう?」
玄関の目の前まで着いたときそれはあった
玄関の脇に猫が傷ついていた
「ケガしてる!助けてあげなきゃ。お母さ~ん、ネコがケガしてるよ!」
玄関の扉を開けて中にいる母を呼ぶ
「え~?何て言ったの?」
「ネコがケガしてるんだよ!」
「狂羅~中に入って言ってくれる?」
少年の声は母親には聞こえていないようだった
母親は近くに来て話すように言う
だが少年は猫へと近づく
「一緒にお母さんの所に行こうね」
少年は早く母親に事の重大さを伝えようと、猫の姿を見せようとしたのだ
「『召喚魔法陣起動』」
「え?」
少年が猫に触れた時、猫が喋った
その瞬間猫と少年の足元に円上の文字が現れる
「お母さ~ん光ってるよ~」
そしてそれを最後に少年の姿は眩い光と共に消えていった
「ごめんね遅くなったね~。狂羅?」
母親は用事を終わらせて息子の元に駆け寄った
だがそこには愛する息子の姿はない
「狂羅~?」
母親は焦りながらも幾度となく息子の名を呼ぶ
だが返事は返ってこない
「どうかしたんですか?」
近隣の住民が母親の異変に気付き声をかけた
事情を説明し警察に連絡する
警察の協力を得て捜索が始まった
だが見つからない
次の日も捜索は続く
けれども見つからない
次の日も、次の日も、次の日も…
「奥さん、申し訳ありませんがこれ以上は…」
愛する息子の姿が消えてから何日経ったのだろう
もしかしたら数ヶ月は過ぎたのかもしれない
遂に警察が捜索を打ち切った
「狂羅…狂羅…」
母親は泣き続けた
数日後、母親は首を吊って自殺した
「これがお前のいなくなった世界だ」
「お母さん!」
僕はお母さんの名前を呼び続けた
でもそれは映像だから声は届かない
「黙らせろ」
「はっ!」
騎士が僕を蹴る
痛かったけど、それよりもお母さんの事が悲しくて泣いていた
何度も蹴られた
腕が変な方向に向く
口が血の味しかしない
「実験を始めろ」
「はっ!」
僕はもう開かない目で睨み付ける
この国の王と名乗った男を
名はイスラエル・アイリス・ヴェルト
意識が途切れるまで僕は2度と忘れないように、名前も顔も何もかも全部脳裏に焼き付けた
「ゴホッゴホッ…」
あれからどれくらいの時間が経ったのか分からない
目が少しだけ開くようになっている
でも腕も足も動かないし動かそうとすると凄く痛い
「石…の…壁…」
見える範囲全てが石の壁になっている
それから僕はまた寝てしまった
「起きろ」
誰かの声がする
目を開けるといつかの騎士がたっていた
「連れていけ」
意識が朦朧とする中誰かに担がれて移動していった
次に目を覚ました時、片方の目は完全に見えるようになっていた
「起きたのね」
女の人の声が聞こえる
「意識は…大丈夫そうね」
「誰…なの?」
金の髪に白い白衣を羽織った女の人
「体は動くかしら?」
僕は言われて気づく
腕も足も痛みはあるけど動くようになってる
「治ってる?」
「えぇ。それじゃあ自己紹介しようかしら。あたしはこの実験を任されているエミリア・アイリス・レビィアム。エミリアでいいわよ。貴方が長く生きられるように最善を尽くすわ。これでやっと記録がつけられるわ」
「僕は狂羅。黒志狂羅。エミリアが助けてくれたんでしょ?ありがとう!」
僕がそう言うとエミリアは悲しい顔をした
「ごめんなさい。私は貴方が憎むべき相手よ」
「え?」
「今日から貴方に地獄の様な実験をすることになるわ。私は貴方の世話係の様な立場だわ」
「だって傷が…」
「それも実験に必要な事だからよ」
ショックだった
僕を助けてくれたんだと思ってた
「私は…私達は王には逆らえないの…ごめんなさい」
「………」
「今日から始める実験について説明するわ」
そう言うと紙を渡された
「今日から10年、1年毎に10の実験をします」
そしてそれから説明された事を僕は信じたくなかった
嘘だと…嘘だとそう言って欲しかった
でも全ては事実で現実だった
「生物上の雌は新たな命を宿す事が出来る。雄ではなく雌だけが。この事からある仮説をたてた。雌の血肉を体内に取り込む事により、体内に別の物を受け入れる事が出来る様になるのではないかと。
つまり人間の女性を食べる事により、進化の為の器を作れるのではないかと」
淡々と語られていく言葉
「尚、後の段階の為に精神的な抗体も作る事にする。肉体的な強化も同時に進行する」
そして第1の実験の内容が告げられた
「第1の実験は1日に1人ずつ女性を実験体に殺害させ、それを食べる。尚、開始時は抵抗が予想されるため動けない女性をいたぶりながら殺すようにし、実験体に速やかに殺すように促す。
殺せるようになった段階で動ける女性へと変更する。
これが第1の実験の内容よ。
簡単に言えば貴方には女の人を殺して食べてもらう事になるわ。
貴方には直ぐに殺せる武器を渡し、貴方が殺すことを躊躇えば女の人は苦しみながら殺される事になるわ。
貴方が女の人を食べることを躊躇っても強制的に食べさせる事になるわ」
エミリアはそう言うと部屋の扉を開けた
「そしてこの子が貴方の今日のご飯よ」
そう言って連れて来られたのは僕と同じくらいの背の女の子だった
両手両足を鎖で縛られ、顔は布を被されていた
女の子は震えている
エミリアに剣を渡される
「さぁ殺りなさい。貴方がこの子を楽に殺してあげることがこの子の為よ」
「出来ない…出来ないよ!」
「そう…」
エミリアは僕に渡した剣を奪うと何処からともなく火を出した
「な…何…するの?」
「貴方がこの子を殺してあげないからあたしがこの子を苦しめないといけないのよ」
そう言って剣を火で熱し始めた
僕はただ黙って見ていることしか出来なかった
剣が赤くなった時エミリアはそれを女の子に当てた
人の肉が焼ける臭いがする
女の子は痛みから逃げようとしているけど手足が鎖で縛られているから逃げられない
女の子から悲鳴は上がらない
悲鳴はきっとあの布のせいで聞こえないのだと思う
「止めて!止めてよ!」
僕は我に帰って止める様に言う
エミリアはゆっくりと剣を女の子から話した
肉の焼ける臭いと尿の臭いが部屋の中に漂う
「殺す気になった?」
「どうしてこんな事するの!」
「そう…まだなのね…」
エミリアそう言うと、もう一度女の子に剣を当てた
「止めてよ!止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて」
どれだけ頼んでもエミリアは女の子から剣を離さなかった
「貴方がこの子を殺してあげないから、この子はずっと苦しむの。貴方が直ぐに殺せる殺したらこんな事にはならなかったのに。この子を苦しめているのは貴方よ」
「違うよ!エミリアがしてるのに何で僕のせいなの!」
「貴方が殺さないからよ」
エミリアは剣を当てるのを止めて、女の子の足に突き刺した
既に女の子は余り動かなくなっていた
赤かった剣も元の色を取り戻し、これで終わったと思っていた
なのにエミリアは女の子の足を次々に剣を刺していく
「この子は願っている筈よ。どうせ殺されるのなら早く殺して欲しいって。貴方がこの子ならどっちがいいかしら?」
そう言ってエミリアはゆっくりと剣を上げた
「……………………殺すから………殺すから!」
エミリアは僕に剣を渡した
剣の先には女の子の血や焦げた肉の破片がついていた
僕は吐いた
今見ていた光景をやっと脳が理解したのだろう
吐いて吐いて吐いた
「早くしなさい。この子が苦しがっているわ」
エミリアに言われて女の子を見る
足に何ヵ所も穴が開き、肩の所の肉は焼け爛れていた
「僕のせいで…ごめんなさい…僕がこの世界に来たから…ごめんなさい…僕のせいで…」
僕は女の子の首を見た
剣を思い切り降り下ろせばこの女の子は死ぬと思う
僕が殺す事になるから
でも僕がこうしない限り君はエミリアに刺される
だから僕が君を殺し、僕を僕が殺すよ
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
思い切り降り上げた剣を降り下ろす
人の肉を斬る感覚が伝わってくる
女の子の首は胴体と離れた
「それでいいのよ…。食べなさい。この子が貴方の食事なの」
僕はエミリアを睨もうとした
だけどそんな事は出来なかった
何故ならエミリアは泣いていたから
「どう…して…」
どうして?そう思った
この女の子を殺したのは僕だ
でもするように言ったのはエミリアだ
エミリアはずっと僕に殺せと言っていたのにどうしてないているんだよ…
「この子は奴隷だったの…馬鹿な両親の元に産まれてしまったせいでね。奴隷になる前の名前はユリア」
エミリアはユリアの切り離された頭部へと歩いていき抱き締めた
僕は気持ちが悪くて見れなかったのに
「ごめんなさい…ごめんなさい…どれだけ謝ってもあたしがユリアにした事は変わらない。あたしが必ずこんな世界を変えて見せるから…あたしを呪ってもいい…でももう少しだけユリアの命の意味を…きっと…」
エミリアは僕が持っていた剣を手に取り、自らの手を浅く斬った
「ユリアが味わった痛みはこんなものじゃない。それは分かってる。けどあたしはまだ死ぬ訳には行かないの。これがあたしの今できる償い…」
エミリアはそう言って何度も何度も自らの手に傷をつけていく
「どうして…そう聞いたわね…。誰がこんな事をしたいのよ!?貴方の様な幼い子を別の世界から拉致し、非人道的な行いを強要して!これからの未来は輝いていたであろう女の子をいたぶりながら殺してっ!………誰が…誰がこんな事をしたいって言うのよ……」
エミリアはユリアの頭を抱きながら泣いていた
「ならどうしてこんな事をするの?」
「そうね…あたしの大事な妹が人質にとられているの。この実験が成功したら解放するって言われたわ。最低だけどユリアを含めて今から私が殺していく人達よりも、妹の命の方が大切なのよ…。
本当に勝手ね…あたしの都合で大勢の命が消える…
どうしようも無いくらいに最低ね…」
エミリアはそれきり黙ってしまった
ユリアの頭を抱きながら
「さぁ食事しなさい。出来るだけ自分でして欲しいわ」
「やっぱり僕には」
その時何か聞こえた
うっすらと耳の辺りをくすぐるような声が聞こえた
共に何かの映像が頭の中に流れ込んでくる
(お父さんお母さん…どうしてなの?)
小さい少女の声
馬の蹄の音…それと車輪が地面を走る音
どうやら馬車に乗っているようだ
(何で、何でなの…)
(おい!いつまでも喚いてるんじゃねぇ。お前は売られたんだよ)
男の声も聞こえてくる
(どうしてなの?私いい子にしてたのにどうしてなの?)
(はっ、そんな事しるかよ。お前は親に売られたんだ。これからは奴隷として生きるんだ。最低な親を持つと子も大変だな。まぁ俺には関係ねぇがな)
そう言って男は馬車の中で笑った
少女は泣き続けた
「これは…」
少女の声…顔を知っている
そう僕がさっき殺したユリアの記憶だ
どうしてかは分からない
けれど確かにユリアの記憶が流れてくる
映像は数日が立ちエミリアが奴隷であるユリアを買った
(良かった優しそうな人で!)
ユリアは奴隷商の元を離れた後、そう呟いた
(違う…違う違う違う!貴女は他の人に買われるべきだった!あたし何かに買われるべきではなかったの!)
ユリアの言葉を聞いてエミリアは泣きながらそう言った
戸惑っているユリアが見える
(欲しいものはある?今何かしたい事はある?)
エミリアは呼吸を整えユリアに聞いた
(何でも良いの?)
(えぇ)
ユリアは少し考えてこう言った
(お父さんとお母さんに会いたい!)
(貴女は売られたのよ?そんな親に会いに行ってどうするのよ)
(もう…会えないかも知れないから…私はお父さんもお母さんも大好きだから!)
エミリアはそう、とだけ答えユリアの元の家へと向かった
(お父さん、お母さん!)
((ユ、ユリア!?))
数日後エミリアはユリアの家へと辿り着いた
ユリアは家が見えると走りだし、勢いよく扉を開けた
(ユリア、まさか逃げ出してきたの?これだから適当に育てれば良いって言ったのに)
(そうだな。次はそうしよう)
(え………お父さん?お母さん?)
(奴隷の娘なんて持った覚えはないわ)
(早く帰るんだ)
(で、でもお父さんとお母さんに会いたかったから…)
(もうお前の親はいない)
ユリアの親はそう言った
帰って来た娘に対して…
(嘘………だよね?だってお父さんもお母さんもユリアが大好きだって…)
(そんなの嘘に決まってるでしょ。あんたみたいに可愛くもない娘なんていらないわ)
(顔が整っていればもう少し高く売れたかもな)
(そうね)
ユリアは泣いた
今までなら親は慰めてくれたから
(煩いわね。黙りなさい)
でも真実はいつも残酷だ
母親はユリアの腕を取り、家の外へ追い出した
まるでゴミでも捨てるかの様な軽さで
(お父さん!)
呼んでも家の扉が開く事はなかった
(お母さん!)
呼んでもあの優しかった声が聞こえる事はなかった
(だからあたしは言った筈よ。此処の親は奴隷商の間で少し有名でね、子供を産んでは奴隷として売る…それを何度も何度も繰り返しているわ)
(え?)
(確か貴女で7人目よ)
それきりユリアは黙ってしまった
エミリアはユリアを連れて国へ戻った
道中にユリアは実験の事を話していた
これからユリアはしの実験のせいで死ぬことも…
(良いよ…私生きてる意味がないから…)
ユリアは既に生きるのを諦めていた
まだ幼いその心では真実を受け止める事が出来なかったから
それきり会話はなかった
そして何処かの扉の前に2人は辿り着いた
(もう1つお願いしても良い?)
(えぇ)
ユリアが扉の前でエミリアに声をかける
(あのね…私が死んだ後で良いから…私を抱き締めて欲しいの)
(え?)
(死んでも1人だと思うと悲しいから)
(………分かったわ)
(ありがとう)
ここ数日で一番の笑顔をユリアは見せた
だからエミリアは抱き締めていたのだ
「エミリア…僕は何をすれば良いの?何をすればユリアの為になるの?これから殺す事になる人達にどうしたら報えるの?」
「この国の王を殺すこと…それが唯一の道であたしの目的」
「この国の王…」
イスラエル・アイリス・ヴェルト
あいつを殺すことがユリアの命を奪った罪を償う方法…
(ねぇ聞こえる?私を殺した人)
「え?」
これはさっきまで頭の中で流れていた声と同じ
「ユリア!?」
(そう。私全部聞こえてた…死ぬまでの間の会話も今の会話も…。私要るのに姿がないんだ。不思議だね)
「ご、ご」
(謝らなくて良いよ。全部聞いてて知ってるんだから)
「ごめんなさい僕が君を…」
(だから良いって言ったのに)
ユリアはそう言って笑った
(悪いのはこの国…ううん、この世界なんだよ)
「え?」
(私ね死んだ後この世界の神様に会ったんだ)
「神様に?」
(うん。神様はこんな世界は望んでないって言ってた。人が人を差別する様な世界は壊したいって言ってた)
神様はもっと違う世界を望んでいたのだ
(私ね精霊王になるんだ)
「精霊王?」
(そう産まれ変わるの。闇の精霊王になるの)
「闇の…」
(闇の精霊王はね人間の汚い部分を具現化した精霊の事で今はいないんだ。人間は自らの汚い部分を隠し見ないようにするから…でも今回は今までとは違う)
その声はやけにはっきりと聞こえた
何かが変わる
いや、壊れて行くような…
(私が貴方の力になる。私は新しく生きられる)
「力に?」
(そう。君の名前を教えて)
「名前を?黒志狂羅だけど」
(狂羅君、私を食べて)
「え!?そんな事無理だよ!」
(私も見るのは嫌だけど、それでも食べないと力がつかないよ)
「嫌だ!」
(食べて!)
「嫌だ!」
(食べて!)……………。
それから数時間のユリアの説得により何度も何度も吐きながらユリアをお腹の中へと入れ込んだのであった
「そうだな…俺がこの世界を壊してやる」
そして俺の中の何かが変わった




