五校戦・4
「姫様!?」
「やっぱりここにいたのねアリシア」
「どうしてここに!?」
俺達が聞きたいことをアリシアが聞いてくれた
「挨拶にきましたの」
「それは先程のアリシアさんの言葉についてでしょうか?」
代表してラウエルが問う
「はい、アリシアからは聞いているとは思いますが、ヴァルキリア魔法学校にはヴァルキリアとして決闘を挑み伴侶を決めるといった伝統がございます
アレイル魔法学校の皆さんには勝手ですが、その旨を伝えに参りました」
「断ってもいいんですよね?」
「勝った場合のみ拒否することが出来ます」
「随分勝手ですね…」
「申し訳ありませんがヴァルキリアの決闘とは、そうゆうものなのです」
ヴァルキリア魔法学校の生徒も大変だな…
「ですが、アレイル魔法学校の皆さんにも得はあります」
「それは何でしょうか?」
「皆さんが私の学校に気に入った方が出来た場合、決闘を挑む事が出来ます
勿論、決闘に勝てば伴侶にすることも出来ます」
「それはヴァルキリア魔法学校の生徒は知っているのでしょうか?」
「勿論です!!私達が求めるのは純粋な力…ヴァルキリアは強き者を愛しますので」
カイラ…そこでにやけるな…
まぁ普通に考えたら嬉しい者なんだろうな…
「それとは別に、もう一つ確認したい事があります」
「何でしょうか?」
「"人神"がアレイル国におられると聞きましたが、皆さんはご存知ではありませんか?」
誰も答える事は出来ない…
「聞いてどうする?」
仕方がなく、そう聞いてみる…
「皆さんにも人神の方々にはそれぞれの思い入れがあると思います
勿論私にも人神…それも"狂神"様に特にお会いしたいのです!!
アレイル国には狂神様に"狂姫"様までおられると聞きました!!
どうしてもお会いしたいのです!!
どんな些細な情報でも構いませんので、教えては戴けませんか?」
「会ってどうする?」
「答えねばなりませんか?」
「ものを頼むならな…」
「そうですね…申し訳ありませんでした
皆さんはご存知かはしりませんが、狂神様は殿方なのです!!」
俺達は驚きの表情でミンミを見た…
「やはり知らなかった様ですね」
ミンミは俺達の表情を知らなかったからだと思いそう口にする…
だが、俺達はそこに驚いていない
何故なら俺を既に知っているからだ…
だが、ミンミはどうして知ったのだろうか?
遺憾ながら女に間違われる事が多いんだ…
「私には…いいえ、私達ヴァルキリアの勘が殿方だと判断したのです」
「勘だと?」
「女の嗅覚をより一層強くしたようなものです」
そう言って微笑んだミンミ…
もしそれが本当なら凄いな
「それで?」
「先程も言いましたが私達ヴァルキリアは強き者を好むのです!!」
「つまり決闘を挑むと?」
「いいえ、狂神様に勝てる等とは思いません…ですが、伴侶となりたいとお願いするだけなら聞いて戴けるかもしれません!!
もし、力が必要になった時にお手伝い出来る様に鍛えて参りました!!
家事全般、その他様々な事まで力になれるように努力して参りました!!
少しでも役にたつと思って下さったら、私を伴侶として、最悪伴侶じゃなくても構いません!!
狂神様に救われたこの命を狂神様の役にたつ事で…少しでも…少しでも恩を返したいのです!!」
「狂神はあんたの事を覚えてはないんじゃないか?」
少なくとも俺は覚えてはいない…
「たとえそうであっても救われた事にはかわりないのです!!
会って感謝の気持ちを伝えたいのです!!
ですから…どうか知っている事があるのでしたら、教えては戴けませんか?」
教えてもいい…そう思える程に真剣に頼んでいるミンミ…
だがどちらにせよ伴侶を作るつもりはない…
「ミンミさんでしたわね?」
「はい!!」
「私はソフィですわ」
「ソフィさん、教えて戴けるのですか?」
「えぇいいですわよ♪」
この中で話す事が出来るのは俺かソフィだけだっただろう…
本人がいるのに第3者が話す事がないからだ…
だがソフィが話そうとしている…
何を話すのだろうか?
「狂神様にはもう既にそれはそれは美しい伴侶がもういますわ♪」
ミンミとソフィとアリシア以外が俺をみる
俺は静かに首を振った
「それに、伴侶は一人で良いと言ってましたわ♪」
「そうですか…残念ですが伴侶は諦めるしかないようです…」
「それでいいと思いますわ♪」
何処か勝ち誇った顔でソフィが言った…
「なら仕方がありませんね…愛人としてお願いしようと思います」
「え?」
「ありがとうございますソフィさん、それで他に何か知っている事はありませんか?」
「えぇっと…そ、そうですわ!!愛人も必要ないと思いますわ」
「な、何故なんでしょうか!?」
「ふふっ、それは伴侶がいるのに他の女に手をだす様な人ではないんですわ♪」
「それでしたら従者にしてもらいますから構いません!!それよりもソフィさんは狂神様に会った事があるのですね?」
「………いいえ、そんな事はありませんわ」
「でしたら何故それほど詳しいのでしょうか?」
「噂ですわ…」
「なら今までの話は可能性の話しなのですね?」
「本当の事ですわ…」
「ではやはり会った事があるのですね?」
「………。」
遂にソフィが論破された…
それにしてもソフィ…口論弱すぎるだろ…
仕方がない…助けてやるか…
「これ以上は話さないから、知りないのなら自分で探したらいい…」
「お願いします!!もう少しだけでも」
「2度は言わない…」
「分かりました…アレイル国にいることが分かっただけでも良かったです!!」
ミンミはお辞儀した後、部屋を出ていった
俺は落ち込んでいるソフィに近づく
「ソフィ…俺はいつから妻がいるんだ?」
「ごめんなさい…」
「別に怒っている訳ではないが、嘘はつかない方がいい」
すると次の試合のメンバーの招集がかかる
本当にタイミングがいい…
「次の試合が始まる様ですね
ユーマさん、頑張って下さい!!」
「はい、必ず勝ちますよ」
そう言ってユーマが部屋から出ていった
「アリシアさんはいつまでいるんでしょうか?」
ラウエルはアリシアに言った…
アリシアは何をしているかと言うと…イチャイチャしてた…
タウエルとずっとイチャイチャしてたのだ…
「ご迷惑でしょうか?」
「いえ、そうゆう事では…」
「旦那が完治するまで傍にいるのが妻の役目ですので、許可して欲しいのですが」
「あ、はい、どうぞ」
ラウエルが許可してしまった…
俺とソフィは特別席へと戻る為、一言言ってから戻ることにした…
ついでに外に出るとミンミがまだいて何か話そうとしていたが無視して戻った…
「さぁ続いて第3回戦!!選手の入場です!!」
観客からの声援が響く…
声援はアレイル魔法学校とヴァルキリア魔法学校の声援が多い
「では続きましてステージの変更を行います!!」
次のステージは洞窟ステージの様だ
これなら合流することは出来ないだろう
「観客の皆さんは中を見ることが出来る魔道具を見ていただきます!!」
それはいい魔道具だな…
「では準備が整いましたので始めたいと思います!!
第3回戦…始め!!!!!!!!」
いよいよ始まった第3回戦…
エーテルは二人減ればと言っていた筈だ
ならばバウラとタウエルで二人…ならこれで終わりの筈だ
「始まりました第3回戦!!
今回は先程の試合であまりにも好評だった為、声を最初からひろう事になりました!!」
との事らしい…
さて、ユーマはどう動くかな…
ユーマが動き出した!!
と思ったら洞窟の広い場所で立ち止まる…
ここで来た選手と戦うつもりなのか?
まぁ広い場所なら戦いやすいだろう…
そこで待っているユーマの前に一つの影が現れる…
影はユーマの元まで移動した…ヴァルキリア魔法学校の選手だ
「アレイル魔法学校の方ですね?」
「あぁ」
「あたしはメリルと言います」
「ユーマ・フレイムだ」
「あたしと決闘してくれませんか?」
「別に構わないが、俺は伴侶はいらない」
「あたしは貴方が欲しい」
観客がメリルの言葉で盛り上がる
「あんたが勝ったら好きにしろ…たがそれも後だ」
「後?」
「俺はまずあんた以外の奴から倒すから、その後にしてくれ」
「弱った貴方に勝っても何も嬉しくありません」
「大丈夫だ、あんな雑魚にはやられない…
って事でそろそろ出てこいよ」
ユーマが物陰にむけて魔法を放つ
その魔法 を弾きながら出てきたのは、残る3校の選手だった
どうやら既に合流していたらしい
「僕達もなめられたものですね~」
3人は笑いだす
「3対1!?あたしも手伝います!!」
「いや、あんたは端にいてくれ」
「ですが」
「正直邪魔だ」
「はい…」
ユーマはメリルが端に移動したのを確認し、相手に視線を向ける
「さて、始めようぜ?」
ユーマはそう言うと相手の一人に向け剣を振り抜く…
だが、ユーマと相手の間にはかなりの距離がある
剣を向けられた相手は馬鹿にしたように笑う…
自らの足が感覚を失うまでは
「うわぁぁぁぁ!!」
「てめぇ何しやがった!?」
「飛ぶ刃…飛剣」
一人は足を切られリタイアだ
飛剣…まぁ簡単に説明するなら衝撃波に近い感じだな…
「くそっ!!おいやるぞ!!」
「おぅ!!」
残るは二人…
残った二人は飛剣をされる前に近づこうとユーマに近づいていく
一人が魔法で援護しながらもう一人が接近戦を挑む…
とても単純だが最も効果的…ではなかった
接近戦を挑んだ者は一刀で切り捨てられリタイア、魔法で援護していた者は圧倒的な火力のユーマの魔法でリタイア…まさに瞬殺劇だ
歓声がなり響く
「最後はあんただが…どうする?」
「まさかこれ程まで強いとは…ますます貴方に惚れてしまいました!!」
「………あぁ」
「あたしが負けたら伴侶にしてください!!」
「あぁあんたが負け………勝ったらな」
「ちっ、これで頭までいいとは…ならあたしが負けたら伴侶にしてください」
「あぁあんたが負け…だから何でそうなるんだ!?」
「もういいです、正々堂々勝負です!!」
「あぁ!!」
メリルが魔法を放ちながら様子を伺う…だが、魔法はユーマの火の壁を作る魔法によって、全て防がれる…
魔法は無意味と知ると、メリルはユーマに接近戦を挑みに近づいていく
ユーマは来るまでただ何もせず待っている
二人の剣はかん高い音を響かせぶつかりあった
激しい攻防だが、ユーマが手を抜いているのは見ていたら分かる…
やはりユーマは強いな
目に見えて疲労が出ているメリル…
ユーマは足をかけ転倒させ、首に剣を向ける
「参りました…」
メリルが負けを宣言した
これでユーマの勝ちだ
「決まりましたぁ!!今回は新しいカップルは出来ませんでしたが、仕方がありませんね…
1位アレイル魔法学校、2位ヴァルキリア魔法学校、3位メルサ魔法学校、4位ヌカルタ魔法学校、5位べリア第1魔法学校です!!
現在本日のポイント計算を行っておりますのでしばらくお待ちください!!」
まぁ余り詳しくは覚えていないが俺達が1位なのは間違いないだろう
「ソフィ、待機室に行くぞ」
「はい」
俺とソフィも待機室に向かう…
だがまた、待機室が騒がしい…
「お願いします!!」
「僕が勝ったじゃないですか…」
「前の試合では勝っても伴侶にしてたではないですか!!」
「それはタウエル先輩だからです」
「お願いします!!」
まぁ想像はできる…
さっきのメリルって子がユーマに伴侶にしろと言っているのだろう…
俺達は気にせず待機室に入った…
俺達が来てもお構い無しに騒がしい…
他のメンバーも止める気はないようだ…
しばらくすると扉をノックする音が聞こえる…
「誰でしょうか?」
ラウエルが問う
「ミンミです」
「開けなくていい…」
「分かりました」
開けようとするラウエルを止め、ミンミは無視する…
しばらくするともう一度ノックされた…
次は誰も答えない…
「さて、明日の競技はなんだ?」
「そうですね、明日は3人1組によるチーム戦です」
「何人必要なんだ?」
「チーム戦は3ブロックに別れてのトーナメントですので、9人ですね
1ブロックに3人です」
今確実に動けないのがバウラ
バウラを抜いても9人はいる…なら俺達は出なくて良いみたいだ
コンコン…
「………もう既にそれは決まっています」
「なら試合で確認するから言わなくていい…」
コンコン…
「………皆さん、本日はお疲れ様です!!
パレット戦1位、サバイバル戦では2回1位をとることが出来ました!!
初日は間違いなく僕達が1位でしょう!!
明日も頑張って1位をとりましょう!!」
コンコン…
「なぁ狂羅、いいのか?」
「なんの事だ?」
「ほら、あれだよ」
そう言ってカイラは扉を指差す…
いや、分かっていたさ…会話中にずっとコンコン聞こえてたからな…
「あぁ…気にしなくて大丈夫だ
それよりも明日頑張れよ」
「おぅ!!期待してろよな!!」
コンコン…
「さて、そろそろ発表されるんじゃないか?」
「あぁもうそろそろだろ」
「なら会場に向かうか」
「でも今出たら…いいのか?」
「あぁ何も問題ない!!」
「な、なんだか嫌な予感が…」
ソフィに目配せする…
ソフィは頷いて行動に移った…
さて、準備は出来た!!
ゆっくりと扉を開ける
「あら、皆さんやっぱりいたんですね?」
それも無視して皆が出るのを待つ…勿論何も知らないカイラは最後に慌てて出ようとした…
そこで扉を閉める
「実はそれには深い理由があるのです
中にいる人物が我々のリーダーでして、彼が扉を開けるなと言ったので、開けたくても開ける事が出来ずにいたのです!!
我々も嫌々でしたが、彼にはさからえませんでした…」
扉は俺が固く封じている
中からドンドン音が聞こえるが気にしない
「狂羅でめぇ!?」とか聞こえるが、まぁ幻聴だろう
「そうでしたか…でしたら皆さんにお怒りするのは間違っていますね」
「本当に申し訳ありませんでした」
「まだその方は中にいるんでしょうか?」
「はい」
「少しお話させてもらっても宜しいでしょうか?」
「はい」
ミンミは俺の言葉を聞くと扉に手をかけた…
その隙に俺達はさっさとその場を離れる
「これで良かったんだ…」
「狂羅さん…」
「狂羅君…」
エレナ、シェル…仕方がなかったんだ…
「すいませんでしたぁぁぁぁ!!!!!!」
後ろから断末魔の様な声が聞こえたが気にしてはいけない…
今は俺達は宿に戻っている
因みに結果は俺達が1位だった
ポイントだが1位アレイル22、2位メルサ13、3位ヴァルキリア11、4位ヌカルタ9、5位べリア7だった
さて、今の俺の状況だが…目の前にはミンミとカイラ…横にはソフィがいる
「どうゆうことですか?」
「何のことでしょうか?」
「話を聞いてみると彼は何もしていないではないですか!!それに、貴方が主犯だと聞きました!!それに、リーダーも貴方だと聞きました!!」
「僕は補欠ですよ?リーダーなんて出来る訳ないじゃないですか…それにリーダーはラウエル会長ですよ?」
「え!?それは本当でしょうか?」
「えぇ全て本当の事です…それなのに犯人扱いですか?ひどい人ですね」
「えぇっと…申し訳ありませんでした!!」
「いえ、分かっていただけて良かったです」
まぁカイラは睨んでいるが気にしてはいけない…
すまないなラウエル…
「さて、用はすんだんだろ?」
「いえ、私の用はそれだけではないのです」
「それで?」
「貴方に用事があるのです、狂羅さんそしてソフィさん」
「俺に?」
「えぇ、人は僅かながらに電磁波を発しているのを知ってますか?」
「いや…」
「それは弱者でも強者でも、産まれたばかりの赤ちゃんでも老人でも僅かながらに電磁波は発しているのです…ですが何故でしょう?
狂羅さんとソフィさんにはそれが全く感じられないのです」
「それがどうした?」
「何者ですか?」
「人間だな…」
「それは知ってます!!」
「いや、あんたは知らないよ…話は終わりだ」
「ちょっと待ってください!!」
俺とソフィは自分の部屋に戻る
明日、チーム戦だ…
何故か嫌な予感がする…それもとてつもなく巨大な…




