前兆
「凄いです!!」
「あ、ありがとう…」
俺達が受けたのはBランクの討伐依頼
討伐対象のワータイガーをカイラが斬った所で称賛の声が上がる
カイラがいつもの様に雷を纏わせワータイガーを切り捨てていた…
それを見ていたミルは目を輝かせ、カイラの動きを見落とす事が無いように見る
カイラが使う付加は効果を持続させることが難しい魔法なのだが、カイラはそれを長時間纏わし続ける事が出来るのだ
それ故に動きを見て習えとミルには言ってある
ついでに俺は参加はしていない
「どうすれば出来ますか!?」
「う~とな、ミルの属性はなんなんだ?」
「僕も雷なんです!!」
「本当か!!いや~これは嬉しいな~
そうだな…雷付加って唱えてみ?」
「はい………雷付加!!」
バチッ………。
「………出来ません」
「そうだな…もっとその剣に集中してやってみろ
剣に雷の膜を作るようにするんだ!!」
「はい!!やってみます!!」
(なんだこの場違いな俺は…
絶対に俺ここにいらないだろ…
俺よりカイラの方が師匠には向いてると思うんだかな…)
そんな事を思いながらも二人の様子を眺めていた…
うん、これ長引くわ…
俺は気づかれないようにその場を離れ、残りのワータイガーを狩りにいく
(確か証明部位は牙だったよな…)
前方に見えるワータイガーまで闇を広げる
俺の足元からワータイガーまで一本の黒い道が出来る
闇がワータイガーに触れた…
ワータイガーはゆっくりと倒れる…まるで眠ったように…
俺が今使った魔法は闇魔法の"常闇"とゆう魔法である。
常闇の効果は単純にして強力…
術者が決めたものを闇に触れたものから奪う魔法…
今回狂羅は"心臓"を指定した…つまりワータイガーは何があったかも分からぬまま死んでいったのである…
闇魔法…
それは殺しに特化した属性…
最上級闇魔法、常闇…
闇魔法とはある一定の条件を満たしていなければ生まれない属性…
俺はしばらくワータイガーを狩り続けていた
「師匠~~~!!」
「狂羅~~~!!」
二人が俺がいない事に気がつき、走って向かってきている…
「どこいってたんだよ?」
「師匠がいないから…僕…僕………」
ミルが涙目で俺を見てくる…
「すまないな…お前達が盛り上がってたもんだから俺だけで討伐しておこうと思ってな」
「まぁ狂羅については心配してなかったが、せめてミルに一言くらい言ってからにしておけよ?
捨てられた~って泣いてたんだからな?」
「カ、カイラさん!?」
「そうか…すまないなミル、だが俺は言ったことは守るぞ?」
「あ、ありがとうございます!!」
「なら帰るか」
「まさかもう終わったのか?」
「ん?あぁ」
「一回くらいはお前の戦いも見てみたいんだけどな…」
「ぼ、僕も見たいです!!」
「あぁいつかな…」
それからは話をしながら町に帰る
ミルが俺にカイラの魔法を教えてもらった等と楽しそうに話をしてくる
(案外こうゆうのもいいのかもな…)
帰りの道中、魔物は出てこなかった
ギルドの受け付けで証明部位を渡す…
そのままギルドにミルを残していく…
「今日はありがとうございました!!
明日からも宜しくお願いします!!」
「明日また来るよ」
「頑張れよミル!!お前の師匠に勝てる奴はいないからな!!」
「はい!!頑張ります!!」
「じゃあな」
カイラとは宿の前で別れた…
借りている部屋に向かいポケットから卵を取り出す…
実はカイラとギルドから帰ってる間ずっと卵が動いていたのだ
しばらく卵を見ていたが何も変化が起きてこず、気のせいだと思いベッドに寝転がる…
ミルとミルの妹をいつまでもギルドには預けておけない…
「家でも買った方がいいのかもな…」
そんな事を思いながら意識を手放したのであった




