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エイプリル・フール  作者: いちい
終章 玉虫色の瞳の中に
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問いかけ



言い訳をさせて下さい。

3話分準備してたら、遅くなってしまったんです…。




 





 あら?またお客様?

 どちら様ですの?


 …まあよろしいですわ。

 ねえ、アナタ、幸せってなんだと思うかしら。


 急に哲学的な話をするな、ですって?

 あら、ワタクシがお聞きしたいのは、そういうことではございませんわ。


 そうですわね、少々具体例をあげてみましょうか。


 あなたはかつて大事件に巻き込まれ、それを解決したものの、その事件の記憶を一切失ってしまったのですわ。

 …ああ、あくまで仮定の話なのですから、そんなに深く考える必要はございません。


 そして、もし失った記憶の中で、死んでしまった愛しい人があなたに、『自分を忘れて幸せになってくれ』と言っていたなら。


 あなたにとって、

 その感情を忘れたまま幸せになることと、

 それを忘れられずに不幸でいること。


 どちらが幸せ、いえ。

 どちらが望みですの?


 忘れてしまった場合、彼の望みは叶い、あなたも幸福になれる。

 これは分かりやすいですわね。

 けれど、その場合あなたは彼を犠牲にして幸せを掴むことになりますわ。

 彼は本意かもしれませんけれど。


 そして、忘れずにいた場合。

 この場合は、自分のために死んだ彼の思いを抱きつづけ、愛に殉じることとなりますわね。

 …美しいあり方ではありますわよね。

 彼の願いとは違いますけれど、それもまた良いでしょう。

 愛しいモノを想い続ける幸せというものもございます。


 ふふ、そんなに悩まないで下さいな。

 さあ、アナタはどちらを望みますの?




 彼を糧として、幸せになるか。

 幸せを糧として、彼を愛するか。












少し時間差で、あと2話更新します。





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