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sixsense~第六感~  作者: 0q@sm8g
LiMAC一年生編~魔獣の異変~
5/7

剣と銃

今回はわりと、短めでした。まあ、長さはなかなかsixsenseを基本に書いてあるんで、ストックがある内は長さが限られている訳ですが……。1000PV超えたのはビックリしました。ありがとうございます!悪い点があれば指摘してくれると助かります。

 明け方、レン達の寮部屋にて……


「レン、拓也起きて! もう朝だよ!」

 部屋の中に海斗の声が響く。

「ん~、まだ寝たりねぇ……」

 拓也の声は聞こえるがレンの反応が無かった。

「ほら、レンも起きて!」

 そして、海斗は気づいた。レンが寝ていた場所には、畳まれた布団があるのみで、レンの姿が無かった。さらに、双剣も消えている。

「た、拓也! レン見なかった!?」

「ん? レンなら隣で寝て……っていねぇ!?」

「いったい、何処へ……ん?」

 窓に何かを見つけたのか、海斗は窓を覗き込んだ。すると、そこには双剣を担いだまま走っている少年の姿が見えた。




 息を二回吸い込み、二回吐く。リズムを取りながら、僕は走っていた。普段はこの時間にランニングをしていたので、海斗や拓也に伝えるのを忘れてきてしまった。

「海斗と拓也、今頃心配してないかな……?」

 そんな事を言いつつ、8キロを走っていた。ノルマは10キロ。既に体が10キロを覚えている。


 ランニングを終え、少し休憩した僕は、背中から双剣を取り出す。そして、素振りを始めた。素振り、技の型、そしてもう一つの技の練習をしようとした時、後ろから気配がした。

「レン、朝から頑張るじゃないか。だけど、一言声を掛けてくれると助かったよ。朝起きたらレンがいなかったから、流石に驚いちゃったよ」

「すみません、今後は気をつけるよ」

「まあ、朝練してるって分かったし、今度から僕たちに言う必要は無いけどね。さて、レンはまだ朝練を続けるのかい?」

 後一つ、やりたかったが、我慢しとこう。

「そろそろ上がろうかと思ってたところでです」

「そうか、ならシャワーを浴びてきなよ。食堂で待ってるから」

「了解です」

 そう言って、海斗と別れた僕はシャワーを浴びて、食堂へ向かうのだった。




「レン! こっっちだ!」

 食堂に入ると、拓也から声が掛かった。どうやら僕の席を取っておいてくれたらしい。僕はご飯を貰い拓也の所へ向かう。

「揃ったね、それじゃあ、食べようか」

「「「いただきます!」」」

 そう言い、僕らは食事を始めた。

「あ、そうだレン。飯食い終わったら、片手剣の使い方教えてやるよ」

「本当ですか? やった!」

「だが、教えると言っても基本の構えや型ぐらいだな。それだけ出切れば、違和感無く授業は受けられる。と言ってもレンは双剣だからな。直ぐに基本は身につけられると思うぜ」

「あ、だけど拓也。僕、双剣用の剣しか持ってないんだけど……」

「安心しろ、双剣用も片手剣用もたいして変わらねぇよ」

「そうだよね、新しい剣が必要になるかと思ったよ」

「あ、だが海斗、銃はどうするんだよ?」

「予備がいくつかあるから大丈夫さ」





 朝食を食べ終わり、少し休んでから拓也から片手剣の構えを習っていた。

「さて、基本の構えは習得できたようだな。だが、習得速すぎないか?」

 僕らが訓練を始めて、そろそろ15分が経とうとしている。まあ、それでも構えは良くなったらしいが。

「俺が運動神経鈍いのか……? いや、断じて違う! レンがおかしいだけだ! 次は型だ、これは簡単に習得できまい!」

 そして30分が経過した所で、僕は基本の型を身に付けてしまった。

「…………」

「…………」

「…………」

「…………速すぎだぁぁぁぁああああ!!」

「えっと、その、すみません!」

 急に拓也が騒ぎ出した。うぅ、双剣の時はもっと時間かかったはずなんだけど……。

「拓也、落ち着けって。それに、レン。何謝ってるんだ……」

 そこへ海斗が止めに入る。

「だ、だって、レンが……レンが俺が一ヶ月かかった事を一時間以内で……一時間以内で習得しやがったんだ!」

 あ、拓也が軽く涙目になっている。

「レンは元々、双剣を使っていたんだ。初めてやるよりもコツを掴みやすいはずだよ」

「くっ! レン……ならばこの技は使え――」

「これ以上、強くなったら双剣を止めた意味が無いよ、自重して拓也……」

 拓也は少し悔しそうな感じで わかったよ…… と言った。

「それじゃあ、少し速いけど銃の使い方を教えるよ」

 海斗はそう言うと、一丁の拳銃を手渡してきた。その銃には翡翠色の石がはめ込まれていた。

「その銃をレンにあげるよ」

「え? いいんですか!?」

 どう見ても、高級な物にしか見えない。

「もちろんさ。その為にポイントと交換してきたんだからね」

「あ、ありがとう! ねえ、海斗。この宝石みたいのは?」

「ああ、それは魔石さ。火力は下がるが、反動を殆ど無くす事が出来るんだよ。石の輝きが無くなって来ると効果が薄れてくるから、その時は魔力を注いであげてね」

「凄い性能ですね……」

「と言っても、初心者用だからね。結構安く手に入ったよ」

「それでも、ありがとう!」

「ふふ、どういたしまして。それじゃあ、早速練習に入ろうか」

 そう言うと、海斗は無数の握り拳ぐらいの大きさの光の玉を作り出した。

「あの光を的にして、弾を撃つんだ。撃ち方は、反動が軽減されてるから撃ちやすいように撃てばいいよ」

「わかりました」

 僕は早速銃を構えた。

「あれ? レン、左手で構えて大丈夫なのか?」

「これも、訓練ですし、右手では剣を持ちたいので……」

 僕は狙いを定め、撃つ!

 ヒュン

 風を切る音が聞こえたが、着弾した気配は無い。僕は何度も撃つ。

 バンッ! バンッ! バンッ! バンッ!

 だが、当たらない。僕のそんな様子を見て、海斗がクスクスと笑い出した。

「ついつい、意地悪しちゃったよ。ごめんね、レン」

 実は僕もそのサイズの的だと当てるのが厳しいんだよねと言い、玉の大きさを大きくした。先ほどの10倍と言ったところだろうか。だいぶ、狙いやすくなったなと思いながら僕は撃ってみる。すると、光に弾が着弾すると、光の玉は赤く光って消えていった。

「おめでとう、当たったみたいだね」

 どうやら、あの現象は着弾した証のようだ。僕はしばらく、打ち続けた。すると不思議なことに、段々と弾が当たらなくなっていった。そして気づいた。着弾すると他の的が僅かだが、小さくなっていってるのだ。

「それじゃあ、もう一度玉の大きさを元に戻してみようか」

 撃っては小さくなり、大きくする。そして、その的を撃つ、と言った練習法を、一日中繰り返していた。僕らはそんな事を学園が始まるまで、続けるのであった。

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