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sixsense~第六感~  作者: 0q@sm8g
LiMAC一年生編~魔獣の異変~
3/7

入学試験

思うように文章が書けない……。才能無いのかな……。あの、悪い点を指摘してくれると助かります。

 あの出来事から4年の月日が流れた。僕はあの日以来、体を鍛えた。魔法の勉強をした。朝と昼は体を動かし、夜は勉強と10歳にしてはなかなかハードな日々を送っている。土日には父さんが稽古を、魔法の勉強は母さんが教えてくれている。始めた時は、よく体を壊していた。だが、諦めたりはしなかった。全ての人を救うことなどできるわけが無い。だが、目の前で救うことができないと言うことは苦しいのだ。せめて、目の前にいる人は救いたい。それだけを考えて厳しかろうと苦しかろうと修練を積んできているのだ。


「僕は遊撃協会に入りたい!」

 両親に打ち明けたときにはやっぱりな、と言った感じだった。遊撃協会と言うのは、町の巡回や人に害を与える魔獣などの始末を行う。他にも要望があれば、魔獣を狩って食料や毛皮を取ったり、薬草などを採取したりと、客のニーズに答えている。他にも多くの協会が存在する。さて、このような協会に入るためには、学校に通い推薦状を貰うか、または協会が行う一年間の合宿を行い合格するかだ。前者は、僕のような子供が使い、後者は、他の職業や協会から転職するときに使ったりする。


勿論僕は、学校に通うわけだが、両親が文武両道の最高学校、LiMACへの受験を許可してくれた。僕は感激した。あの有名学校のLiMACは倍率が高く、受験費などが高いため受験を許可しない親が少なくないのだ。そこへの入学試験は、実技テストと筆記テストを両方受ける必要がある。実技テストとは、武器を使い、学校が用意した亜空間内で障害を乗り越えていくという物だ。筆記テストは、魔法についての問題を解いていくという物だ。僕は、その日から受験に備え、今までよりもさらにハードに勉強と運動をした。



***************************



 ――入学試験当日――


 テストは多くの人が受験するので、最初に実技テストを受けるか筆記テストを受けるか学校側が決める。僕の場合は実技テストからのようだ。亜空間の中では魔獣が存在しているが、死ぬまたは重症や重態となる事はない。このテストは、事前に渡される白旗を揚げるか、負傷により動けなくなるか、最奥にあるアクセサリを手に入れた時点で、亜空間から強制的に出されるようになているのだ。

 試験開始の時間を知らせる鐘の音と共に、僕の目の前が強く光った。思わず目を瞑る。光が収まり、目を開けてみる。そこにはさっきまで学校の待機室にいたはずが、辺り一面が黄土色の空間に出た。

「ここが……亜空間?」

 地面は坂道になっており、近くには看板が刺さっていた。その看板は坂の奥の方に矢印が向けてある。

『この坂を10Km進むと、アクセサリが保管されている祠が存在します』

 看板にはそう書かれていた。僕は、坂道を走り出した。道中、魔獣を見つけたが、無視して先へと進む。この判断がいけなかったらしい。気づくと魔獣が群れをなし僕を、追いかけ囲む。魔獣に囲まれた僕は焦ってしまった。

「うぅ~、どうすれば……」

 だが、そんな考えをお構いなしに僕を目掛けて襲ってくる。僕は背中から一対の剣を取り出す。双剣を使い、多かった敵をどんどん捌いてゆく。僕を囲んだ敵を全滅させるのにたいした時間は掛からなかったが、今度は注意して進むことにした。魔獣を見かけたら直ぐに斬る、そんな事をしながら進むとようやく祠が見えてきた。僕はその祠の近くに行く。そこには腕輪が置いてあった。僕はその腕輪へと手を伸ばす。しかし、直ぐに手を引っ込めバックステップで身を引く。なぜなら、上から大蛇が降ってきたからだ。その大蛇が地面に着地すると、地面が軽く揺れた。

「でか!?」

 そう、僕の目の前に降ってきた全長3Mの大蛇だった。大蛇は僕に噛み付いてくる。その攻撃を左の剣で上に弾き、がら空きになった胴体を右の剣で切りかかる。その攻撃を受けた大蛇は、尻尾をまわして僕を叩き飛ばそうとする。それを空中に飛び避ける。

「止めだ!」

【石口流双剣術攻の技:龍牙】

 剣を逆手に持ち、敵を上から刺す攻撃。敵の攻撃を上に避けたときにカウンターとして使う技の一つだ。


 僕の攻撃は見事に大蛇へ当たり、目を潰した。そのまま大蛇は倒れこみ光となった。その光は先ほど取ろうとした腕輪に注がれていく。それを腕につけてみる。すると、その腕輪は元々体の一部だったかのような感覚を覚えた。そして、しばらくすると、この亜空間に入るときと同様に強い光が僕を包み込む。僕がでた場所は、学校長室のような豪華な感じの部屋に出た。 

「23分54秒」

 後ろから声が聞こえる。後ろへ振り向くと白髪、白髭で眼鏡をかけた年老いた男性がいた。その老人は僕の隣を通り過ぎて、椅子に座った。

「私は、ここの学校長だ。そう警戒しないでいい」

 やっぱり、ここは学校長室だったのか。

「君の亜空間攻略時間は素晴らしい。歴代1位だ」

「僕が歴代1位!?」

「今までの最高記録が37分34秒だ。君は大幅に上回った時間で攻略した。さて、次は筆記テストのようだな。この紙にサインをして筆記テスト会場で待機してなさい」

 そう言われた僕は、紙にサインしてから筆記テストの待機室で時間が来るのを待った。


 筆記テストも終わり、後は結果を待つのみ、と言った感じだ。結果発表は明日だ。僕は、親が準備してくれた宿へと戻る。そして、日課になっている魔法の勉強を始めた。受験があろうと無かろうと勉強は毎日行っている。

 しばらくすると、お腹が空いてきたので、食堂へ向かうことにした。ちょうど飯時だったため、ほとんど席が埋まっていた。食堂に集まっているのは、ほとんどが僕と同じぐらいの歳の人だった。僕は食券を買って列に並ぶ。ご飯を受け取り、どこか席が空いてないかと探すと、目の前の二人組みが席をたったので、そこに座ることにした。

「あの……相席してもいいですか?」

 ご飯を食べようとした矢先声が掛かる。顔を上げると、そこには女の子が立っていた。

「別に構わないよ」

「えっと、失礼します」

 そう言って、僕の前の席に腰をかけた。

「僕は石口蓮って言うんだ。君は?」

「えっと、わ、私は藤田美月です。LiMACに受験しに来ました」

「僕も受験しに来たんだ。自身はどう?」

「自身はあったんですが、やっぱり難しかったです。正直、受かっているかどうかわかりません」

「お互い、受かるといいね。学園であった時はよろしくね」

「こちらこそ、よろしくです」

 その後もいろいろな話をした。美月の口調もだんだんと、緊張した感じゃなくなってきた。



 次の日、僕はまた学校に向かった。理由は勿論、結果発表を見るためだ。学校に入るといくつもの掲示板が存在していた。掲示板には合格者の名前がずらーっと並んでいた。名前順に並んでいるので、受かっているのならば最初の辺りにあるはずだ。

「あ、あった!」

 僕は思わず自分の名前を見つけて、声に出してしまった。僕の名前の隣には寮番号が書いてあった。このLiMACは全寮制の学校だからだ。僕は早速、校長室へと向かった。そこには長い列があったものの、直ぐに自分の番まで回ってきた。

「失礼します。石口蓮です」

「入れ!」

 僕は校長室に入る。

「昨日の紙を持ってきたか?」

「はい、どうぞ」

 僕は鞄から紙を出す。

「よろしい」

 そう言って、校長がそれにサインするとその紙も光になり僕の腕輪に注ぎこまれた。

「その腕輪が学生証となる。それを使えば、この学校内でのサービスを受けることが出来る。再発行は出来ないのでくれぐれもなくさないように」

「わかりました」

「それから、明日には寮へと移り住んでもらう。寮室は掲示されているので見て置くように」

「わかりました」

 どちらも学校のパンフレットに書いてあったことなので、今更驚くことではない。

「質問は?」

「ありません」

「では、帰ってよろしい」

「ありがとうございました」


 僕はそのまま寮に戻った。運動と勉強をしてから食堂へと向かう。今日は美月とは会わなかった。僕は荷作りをすませ、早めに寝たのだった。


 翌朝、あらかじめ用意してあった荷物を抱え、学校へ向かった。男子寮を探し、632号室へと向かった。どうやら、632号室は一番端に位置しているらしい。632号室の前に立ち、呼び鈴をならす。

「お? 来た来た!」

「拓也、落ち着けって……」

 なにやら、中から会話が聞こえる。そして

 ガチャリ

 と扉が開かれた。

「ようこそ、僕達の部屋へ」

「待ってたぜ。さあ、入った入った!」

 二人に促され、僕は部屋へと入った。

「失礼します」

 部屋はなかなか広かった。

「さてと、まずは自己紹介からだな」

「そうだね、僕の名前は清水海斗。よろしくね。」

 清水海斗と、名乗った人は青色の髪をしていた。

「俺の名前は加藤拓也だ。よろしくな!」

 加藤拓也と、名乗ったほうは、銀髪でショートカットだった。

「僕は石口蓮です。海斗先輩、拓也先輩、よろしくお願いします。僕の武器はこれです」

 背中から一対の剣を取り出し、先輩方に見せた。

「先輩とかいいって。これから一緒に生活するんだ。硬っ苦しいの止めだ」

「拓也の言うとおりだね。僕もレンって呼ばせて貰うよ」

「わかりました。拓也と海斗でいいですね?」

「おう! それにしても双剣使いとは珍しいな」

「確かに、双剣の使い手は少ないね。少なくともクラスにはいないね」

「そうなんですか? 僕は父さんが双剣を教えてくれてたので……」

「レンのお父さんが? 双剣……石口……まさか!」

 海斗がなにやら呟きだし、何かに気づいたようだ。

「どうした? 海斗」

「海斗?」

「レン。もしかして、レンのお父さんは石口翔吾であってる?」

 海斗が口にしたのは僕の父さんの名前だった。

「はい、確かに石口翔吾ですけど……・もしかして、父さんと知り合いですか?」

「知り合いでは無いんだけどね。君のお父さんは有名人ってことだよ」


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