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#2【電話と電話】


ふぅ…荷解きも良い感じに終わりが見えてきたぞ…はぁ…疲れた…ボクってここまで体力無かったっけ?なんか引っ越しの少し前からすんごくツカレヤスクなったんだよなぁ…まぁ休み休みで動けてるから良いか


コンコン


ん?誰だ?いや…ふとし君だな…っていうかふとし君しか居ないな…だって隣の部屋だし歩いてくる音聞こえたし


ふとし「たぁかぁしくぅん…はぁはぁ…ふぅ、荷解き終わったかい?」ガチャ


ボク「ふとし君…ノックしたからといってもドアは勝手に開けちゃ駄目だよ…もうここはド田舎の鍵掛けてないボク達の村じゃないんだからね、ちなみに荷解きは後ちょっとだよ」


ふとし「あぁ…ゴメンよぉ僕達も早く都会に染まらないとねぇ!僕の方も荷解きが終わりそうだからちょっとお茶休憩でもと思ってさぁ」


ボク「そりゃいいや!疲れ果てそうだったんだよ!確かこの寮の談話室に湯沸かしケトルとフリーのお茶っ葉があったよね、あそこで休もうか」


ふとし「じゃあ僕もお茶とお菓子も持っていくねぇ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


???「やぁ!新1年生の…確か…たかし君とふとし君!やぁやぁ!」


目の前に居るのは確か…3年生の…寮長の…やばい…名前が思い出せない…取り敢えず寮長って呼んでごまかすか


ボク「寮長先輩こんにちは!寮長先輩も一休みですか?」


寮長先輩「寮長先輩…寮長先輩…良いねぇ!寮長になったばかりのこの身に染みる呼び方だ!気に入った!これは良いぞ!談話室に休憩に来た甲斐があったもんだ!」


ふとし「お茶どうぞぉ!お家から持ってきたアッサムティーですぅ」


寮長先輩「なんとぉ!このむさ苦しい男子寮でアッサムティーなぞ飲めるなんて!今年の男子は女子力ならぬ男子力が高そうだ!」


ボク「ふとし君のお茶の淹れ方はかなり本格的なんですよ、お茶飲みたいが為に休憩入れたいまであるんです」


ふとし君が色んな国のお茶にハマり出して実験台もとい試飲係になって飲んだボクが言うんだから間違いない


寮長先輩「はっはぁ!そりゃ楽しみだ!早速飲ませて貰おう!ゴクッゴックゴクゥ…ぷはぁ!アッツいなこれは!そして旨い!」


そりゃ淹れたての紅茶だもんな…口の中火傷でベロンベロンになってそう…


寮長先輩「少しはこの寮にも慣れたかい?大体のルールなんかは入寮式で伝えたから問題無いだろうけど…ちょうど良い場所だしついでに伝えておこう!」


んっ?なんかイヤな予感…寮長先輩の顔が真剣になってる…怒られる?いや…まだ何もやらかしてないはず…


寮長先輩「二人ともあれが見えるかい?」


薄ピンク色のデカくて古い電話…昔の病院とか学校に置いてそうなタイプだ


ふとし「古い電話ですねぇ…ここ寮は比較的新しいって思ってたんですけどぉ」


寮長先輩「そうっ!建物自体は5年前に建て替えられたばかりなんだが…備品とか使えそうな家具なんかは使い続けてるんだ!そしてそこにある電話…実は…」


実は…ってなんだ?1年生は使っちゃいけないとか、実は壊れて使い物にならないとかか?


寮長先輩「実は…夜中の無断仕様を防ぐ為に消灯時間に電話線を抜くんだ!」


ボク「えっ?それじゃ緊急時の電話とかどうするんですか?」


寮長先輩「はっはっはっ!5年前建て替えで寮のルールも新しく刷新されてね!スマホ使っても良いし電話もネットも自由、というかwifiも完備してるぞ!ほらっ!そこの張り紙にパスワードも書いてるぞ!だから緊急時なんてそれぞれのスマホで充分だ!」


ふとし「ぶふぅ…怖い話しかと思ったぁ…」


ボク「じゃあ何で誰も使わないのに電話線抜いてるんですか?」


寮長先輩「…………夜中の2時を過ぎると鳴るんだよ…あの電話…人が目の前通るとジリリリリリリリリリリリリリって…」


ふとし「ぶふぅぅううう!やっぱり怖い話だったぁ!」


ボク「だから電話線を抜いとくと…」


寮長先輩「まぁ鳴っているの聞いたこと無いんだけどな!はっはっはっ!」


これはあれだな…七不思議的な新入生を怖がらせるみたいな恒例の口伝だな…ちょっと構えちゃったじゃん…


寮長先輩「あの電話誰かが使ってるの見たこと無いし使えるかもわからん電話なんだよな!まぁルールだから電話線は抜いてるが!」


ボク「電話線抜いとくだけで安心感が得られるなら抜いとき得ですね」


ふとし「そもそも電話を捨てちゃえば良いんじゃないかなぁ?」


寮長先輩「寮のルール(その123)使えるもんは捨てない!直す!限界まで!」


ここでめんどくさい寮ルールきた…やたらルール多かったんだよなぁ…生活に支障ありそうなのはそんなにない常識を培う系統のルールだったけど…


ボク「直すもなにも使えるか分からないですけどね…」


寮長先輩「はっはっはっ!そりゃそうだな!けどあの電話限界じゃなさそうだろ?じゃあ使う!」


そんなこんなでだいぶ長めの休憩を終えて食堂で夕食も済まして大浴場でカポーンして、もう消灯時間になった


荷解きで疲れすぎて眠気が来ない…身体中がジンジンしてムズムズする…これは酷めの筋肉痛になりそう…ってかもう来てる…


コツン…コツン…コツン…コツン…


廊下を歩く音がする……あっ…あれか…あの電話線を抜いてるのか…寮長先輩お疲れ様です…


コツン…コツン…コツン…


ジリリリリリリ…ジリリリリリリ…


えっ!?電話の呼び出し音っ!?あの電話の!?


違うボクのスマホだっ!画面には「ふとし」


なんてタイミングで掛けてくるんだよ…


ボク「もしもし…ふとし君…もう消灯時間過ぎてるよ…怒られちゃうよ…」


ふとし「あ…たかs…ん……なn…ろうk……おt…しな……」


電波が悪い…プツプツ過ぎる…テキトーに返事して寝るか…寮長先輩に怒られたくないし


ボク「ハイハ~イそうだねぇじゃあおやすみ~」


ジリリリリリリリリリリリリリ…ジリリリリリリリリリリリリリ…

速攻かけ直してくるじゃん…ピッ


ボク「ふとし君!流石に怒られちゃうよ切るよ」


???「ゔぅぅ…ビュウゥウ…あぁぁ……なんで…わたし……」


やっばぁ…これふとし君からの電話じゃなかったやつだ…しまったぁ…寮長先輩からあんな話聞いたせいで…こんな電話が掛かってきたんだ…くっ…


早く電話切らなきゃ!ピッ…

切れるんだ…こういう時切れないのが定石じゃん…


ジリリリリリリリリリリリリリ…ジリリリリリリリリリリリリリ…


今度はスマホじゃない…廊下のその先の談話室から聞こえる…嘘だろ…寮長先輩嘘じゃん!鳴らないって言ってたじゃん!


ジリリリリリリリリリリリリリ…ジリリリリリリリリリリリリリ…ガチャ…


えっ!?誰かが電話に出た…寮長先輩か?いや…声が高い…女の人?ここ女人禁制の男子寮だぞ?


わたs…めr……あなt……いえn…にいr……

どうしt……kけてk……なんd……っていr……

…たしめり……なたn……のまえ…いるの

…まえh…のろわr……ずっt……みているぞ


男女の声が聞こえる…電話越しの声まで聞こえちゃってるじゃん…ヤバイかどうだ?標的はボクか?


…いm……なたの……しろに…rの

もう…そい…お前は…すからな……


んんんっ?大丈夫かも…ボク抜きで会話してるぞ…


ポンっ


何かが弾ける音がした…廊下から人の集まる気配がする…

ちょっと見てみるか?


寮長先輩「電話が弾けてるぞっ!はっはっはっ!これは直しようがないっ!寮ルール(その53)潔く断捨離すべし!電話もお役御免だなっ!」


豪快な笑いが聞こえて安心した…あの男女の声はきっとアイツとアイツがの声が聞こえてきたんだな…ってことは対消滅したのか…都市伝説って打ち消しあうんだな…


これから3年間過ごす寮で幸先悪いの良いのか…まぁ2つ消えたなら良いんだろうな…安心したら眠気が…


そもそも都市伝説も世代交代とか新時代の荒波とかあるんだろうなぁ…………

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