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大切なぬいぐるみ4

 夏が過ぎ、すっかり秋らしくなった休日。休みが合った新人看護師2人は、一緒に買い物に出かけることになった。


 外科の新人は、服や日用品を大量に買い込んだ。


内科の新人「いっぱい買ったねー。持つわ。」


外科の新人「ありがとうね。助かったわ。一人暮らしは大変なのよね〜。こんな時しか、なかなか買う機会がないから。」


内科の新人「そうなの。私、一人暮らしは経験ないからな。でも考えてみたら、日用品は自分ではあまり買わないわね。」



外科の新人「ねえ、そろそろお昼食べようか!」


内科の新人「あっ。そうね!」



 2人はショッピングモール内のレストランで昼食を食べる。


外科の新人「そういえば。先生とは、その後どう?」


内科の新人「あのね!挨拶は時々出来るようになったよ。」


外科の新人「えっ!挨拶なんて初日から出来るじゃない。もうちょっとで1年だよ?あなた大丈夫?そんなことしてたら親しくなる前に寿命だよ?」



内科の新人「だって。」



外科の新人「いやいや、待ってよ。あなた、病院で一、二を争う美人なのよ?選びたい放題でしょう!いっぱい声かけられない?」


内科の新人「患者さんや先生から週に4人くらい?あと町中でも時々。」


外科の新人「そんなにも!それ実質毎日よね。」


内科の新人「あのね、私ね、見た目で近づく人は苦手で。それにやっぱり、先生が好きだから。」


外科の新人「ねえねえ、待ってよ。他を断るほど好きなのに。あなた、未だに挨拶だけ?」



内科の新人「だって。私、どうしたらいいか分からないから。」


外科の新人「ねえ。何故、そんなに先生が好きなの?」


内科の新人「えっ!それは、今はまだ。」


外科の新人「言いたくないならいいわ。んー。私が間に入ることは出来るよ?だけど、自分でいくべきだと思うなー。私が何とか場を作るから自分で何とかしなさいよ。」



内科の新人「えっ!大丈夫かな?私、出来るかな。」


外科の新人「あのねえ!あなた。見てるだけでいいの?他の人と先生が付き合ったらどうするのよ。」


内科の新人「そ、それは絶対にイヤっ!」


外科の新人「だったら自分からいきなさいよ。しっかりやるのよ!」



内科の新人「う、うん。」


外科の新人「なんか自信無さそうだなー。あなた綺麗で性格もいいのよ?何故自信ないのか全く分からないわ。」


内科の新人「私、自信ない部分はいっぱいあるわ。あなたみたいに明るくて活発じゃない。私はあなたのほうがうらやましい。」


外科の新人「本当に困った子ね〜。私があなたのルックスだったら人生変わっただろうなー。私だったらモデル目指すな。その身体と顔ならいっぱい稼げるわ。」


内科の新人「モデルなんて無理無理。」


外科の新人「いやいや、その美貌に身体だよ?」


内科の新人「とにかく無理なものは無理よ。私は看護師になりたくて勉強したし、いっぱい努力したの。看護師になれて本当に良かったと思ってるんだから。」



外科の新人「まあ、あなたと仲良くなれたし。お互い看護師になれて良かったということにしますか!」


内科の新人「ねえ。せっかくだから、もう少し見ましょうか。」


外科の新人「そうね!考えてみたら、あなたの勝負下着とかを買わないといけない。どうせ持ってないんでしょう?透けてる下着とか。」


内科の新人「えっ。要らないよ〜。は、恥ずかしいよ〜。」


外科の新人「もー、うぶね〜。任せなさい!お姉さんが選んであげる。」



 ショウウインドウに見とれて目を輝かす2人。いろいろ見ながら笑顔になる。

 少しだけ買い物をして、最後に外科の新人は恥ずかしがる内科の新人に下着を選び帰宅することになった。


外科の新人「今日は私ばっかりでごめんね。」


内科の新人「そんなことないよ。すごく楽しかった。でも、あの下着は。」


外科の新人「何を言ってるのよ!先生と初めての時に身に着けるためでしょう?」


内科の新人「えっ、えっ!履けないよ〜。は、恥ずかしいよ〜。」


外科の新人「買ったなら、お金の無駄遣いにならないように先生と上手くやりなさいよ!」


内科の新人「う、うん。」


外科の新人「本当に自信無さそうだな。あなたなら大丈夫よ。今日はありがとう。」


内科の新人「うん。また明日ね。」


 それぞれ自宅に向かう2人だった。



★★★


 男の子は家でのんびりする休日でした。


ぬいぐるみ「いい季節になったねー。今年も夏は暑かった。」


男の子「あっ!そういえば、あまり外は出たことなかったね。ドライブでも行こうか。」


ぬいぐるみ「外に出ないのは当たり前だろう?ドライブか。いいね!どこに行くの?」


男の子「そうだなー。山に行こう!僕、景色が最高な場所を知っているんだ。」



 男の子はぬいぐるみを助手席に乗せて、山にドライブに行きました。


ぬいぐるみ「うわー。すごい景色だなー。本当にキレイだね。」


男の子「すごいでしょう!僕はここ、気に入ってるんだ。君に見せることが出来て良かったよ。」



観光客「あのー。すみませんが写真を撮っていただけませんか?」


男の子「ああ、いいですよ。」



 写真を撮ると自分もお願いし、滝を背景にぬいぐるみと一緒に写真を撮ってもらいました。



ぬいぐるみ「へー。なかなかいい写真だね。」


男の子「そうだ。帰ったら印刷して飾ろうか!」


ぬいぐるみ「そうだね。いい思い出になったよ。」


男の子「本当は美味しいもの食べさせてあげたいけど無理だから、そろそろ帰ろうか。」



 帰宅した男の子は写真を印刷し、額縁に入れて壁に掛けました。


ぬいぐるみ「今日は楽しかったな。自然はすごいんだね。でも、あの滝は洗濯機より危ない気がするなー。」


男の子「あんなところに入ったら、洗濯機なんて比較にならないくらい危ないよ。入るなんて考えたこともない。」


 

 家族との夕食を終えると、勉強に集中する男の子でした。



 男の子の隣で、写真を嬉しそうに眺めるぬいぐるみだった。


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