表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/45

メアリス、騎士からお礼を言われる

 更に数日後、騎士様がお礼を言いにやって来た。


「無事に裁判も終わり事が片付いたのでご報告に参りました」


「わざわざありがとうございます、エリーさんは?」


「ご両親が眠るお墓に埋葬致しました。今頃きっと再会してるでしょう」


「そうですね、あの騎士様はエリーさんとは何か関係があるのですか?」


「え?」


「いえ、骨を見た時に特別な目をしていたので」


「そう見えましたか……」


 そう言うと騎士様はフッと寂しそうな顔をした。


「私はエリーとは幼馴染なんです、小さい頃はよく遊んでいました」


「そうでしたか……」


「ただ誤解が無いように言っておきますが特別な関係は無いんです。……まぁ片思いと言いますか、気づいた時は彼女には恋人がいましたから」


 気づいた時には既に遅かった、という事ですか。


「だから、彼女が行方不明になった、と聞いた時は私も私なりに探していたんです。勿論、彼女と付き合っていたあの男の事は疑いましたが相手は権力者ですから手を出す事が出来ずに時間だけが過ぎて行ってしまいましたが……、ここに来て匿名の情報が来て一気に事が進みました」


「そうですか……」


「匿名の情報を出したのは貴女ですね、聖女メアリス様」


「は、はいっ!?」


 いきなりの指摘に思わず声が上擦ってしまった。


「すいません、実は教会関係者に知り合いがいまして紙を見せたら貴女の字だと教えてくれました」


「あ、あはは……、すいません内緒にしてまして。ただ今は聖女はクビになってしまい墓守になりましたから」


「貴女の事は知り合いから聞きました。私も王国の騎士団に所属している身として今回の件は完全に王太子、いや王族貴族が悪いです」


「王族貴族が悪いんですか?」


「えぇ、正直最近の横暴さは目に余る物があります。そもそも聖女は神が決める事、王族が決める事では無い、と知り合いが愚痴っていました」


 どうやら、私が追い出されたのは王家の意見が大きく反映しているらしい。


「我が騎士団も予算が削られ不満を現す者が多くなって来ました。今に暴動が起こりそうな気がします」


 そう言って騎士様はため息を吐いた。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ