幕間 ロダスの災難
「なんで……、なんでこうなったんだ……」
ルイーザから三下り半を突きつけられたロダスはヨロヨロと廊下を歩いていた。
「全ては……私の思い違いだったのか……、ルイーザはずっと迷惑をしていたのか……」
虚ろな目でブツブツと言いながら歩く姿にメイドや文官は変な者を見る目をしていた。
普通なら不敬に当たるがここ最近、王族の権威は失墜している。
そもそもメアリスの追放も賛否両論があったが教会の一部の幹部が関与していた為、そんな騒ぎにはならなかった。
しかし、現在の状況を見てみれば明らかにメアリスの追放は失敗だった、と言わざるをえない。
ロダスも自分の身に起き始めた異変で漸く自分のミスに勘付き始めたがそれを認める事は出来ない。
認めたら最後、全てを失ってしまうかもしれない。
そんな予感がしていたからだ。
だが、そんな事を考えている暇はない、儀式まで時間がない。
この状況を打開する為に父親である国王に相談しなければならない。
その足は国王のいる執務室に向かっていた。
「な、なんだ……、何があったんだ」
執務室前に人だかりがあるのを見てロダスは不安が過った。
「おい、何があったんだ!」
「ロダス王太子! こ、国王様が倒れました!」
「なんだってっ!?」
「執務中に心臓を抑えて苦しみだして……、念の為に騎士団が調査をしていますが……、多分心労では無いか、と」
「そんな……」
ここに来て国王が倒れるとは……、ロダスは頭を抱えた。
「ロダス様、国王代理として執務をお願いいたします」
「わ、私がかっ!?」
「国王の代わりは貴方しかおりません、勿論協力は致します」
宰相に言われロダスはあれよあれよという間に国王代理になった。
しかし、精神的不安定なロダスに平常な判断が出来る筈も無く殆ど宰相や周囲の貴族の言いなりになってしまい周囲からは傀儡扱いされる事になるのは時間の問題だった。




