私は100年先の未来からやってきたの!
___私は、未来からやってきたのよ!
しかも? 100年も先の未来からこの時代にやってきたわ!
・・・どうしても、会いたい人がいたからよ。
私の先祖に、リロラと女性がいるの!
___そのリロラは、歴史に名を残した人なの!
リロラには、愛する男性がいたらしいのよ!
・・・だけどね? リロラは、、、?
親の決めた男性と結婚しなくてはいけなくなったの!
リロラは、親の決めた男性、リュートと結婚したのよ!
リュートは、とても誠実でリロラを心から愛してくれたんだって!
・・・だからね!
私たちが、今こうして! 存在することができたのかもしれないわ!
*
___だけど?
リロラは、死の直前に、こんな事を言っているのよ!
『___一つだけ! 後悔しているなら、心から愛したムーダンに
最後に一目会いたかった! 彼を本当に愛していた事を心に刻んで
わたしは死んでいくのよ! さようなら、ムーダン! 来世があるなら
今度は貴方と結ばれたい! ごめんなさい、リュート!』
『___いいんだ! キミの事は全部、知っていたよ!』
『___リュート、』
___リロラは、町一番の美人で、品格もあり心優しい女性だったらしの!
誰にでも、好かれる明るい女性でね!
そんな彼女が、生涯一人の男性を愛したと、、、。
その男性が、ムーダンという人なのよ。
・・・私は、どうしても? ムーダンに会ってみたくなったの!
この時代に来れば、必ず! リロラが愛したムーダンに会えると信じているわ!
▼
___そして、遂に私は100前の時代に着いたの!
【ガタンガタン】
『___あぁ、胸が苦しい、頭もグルグル回るわ!』
『・・・貴女、どなた? 誰なんですか? ココに何しに来たの?』
『・・・ごめんなさい、突然! あなたの家に入って来てビックリするわよね!
直ぐに、出ていくわ!』
『・・・貴女は、何処から来たの? その服、この時代の服ではないわよね?』
『・・・あぁ、これは! 都会で流行っている服なのよ! 変かしら?』
『・・・い、いえ! そうなの、都会で流行っている服なの? わたしは田舎者
だから! 今、流行のモノとか分からなくて、、、。』
『良かったら? 今、私が着ている服とあなたの服を交換してくれないかしら?』
『___えぇ!? いいの? こんなボロボロの服で。』
『それが、いいのよ! あなたの服ステキよ!』
『___本当? あなたのお名前は、、、?
『リロラよ!』
『___えぇ!? あなたがリロラなの?』
『・・・えぇ! 何故? わたしの事を知っているの?』
『・・・あぁ、あなたを知っている人から聞いただけよ! それより服を交換
してくれる?』
『えぇ! 勿論よ! ちょっと待ってて!』
___まさか!? リロラの家にタイムスリップするなんて!
思ってもみなかったわ!
私が思っていた以上に、若くて美人なリロラは、私の想像以上だったのよ!
本当に、キレイで! 私の時代なら、ハリウッド女優になれるほどキレイな
女性だったわ!
『___ねえ、あなたは? 好きな男性とかいないの?』
『___えぇ!? わたし? まあ、いるわよ!』
『そう! やっぱりね! だって! あなた恋をしている顔をしているもの!』
『・・・なんだか不思議ね? 貴女が他人に見えないのよ! 何処かで、、、?
わたしと会った事でもあるのかしら?』
『___えぇ!? な、ないわよ! どうして、、、?』
『どことなく? わたしに貴女は、似ているように感じるけど? その貴女の
目元とか鼻の形とか? 不思議よね? わたしは結婚もしてないのに、、、。』
『・・・そうよ! 私は貴女と同じぐらいの歳なのよ!』
『・・・そうよね! 気のせいよね!』
『___えぇ!』
___まさか!? こんなところでバレたのかと思ったわ!
リロラは、勘もいいのか? 話してて、ヒヤヒヤして仕方なかったわ!
・・・だけど?
これで! ムーダンに会えるわね!
___リロラにも、会えて嬉しかったけど、、、?
それよりも何よりも、リロラが心から愛した男性“ムーダン”に
会いたいのよ!
*
___私は、リロラと一緒に町に出たわ!
そこで、ムーダンと出会う事になったの!
『___やあ、リロラ! えぇ!? 彼女は、、、?』
『・・・あぁ! ごめんなさい、名前を聞いてなかったわね?』
『___私の名前は、ローラよ!』
『やあ! ローラ! キミはリロラとは? どんな関係なの、、、?
いや? 二人はどこか似ている感じがするけど、、、?』
『___そうなのよ! それは、わたしも感じているわ!』
『・・・たまたまよ! 気にし過ぎじゃないの?』
『そうよね! もう、気にしないわ!』
『俺も、気にしないようにするよ! それより、ローラは何処から来たの?』
『・・・えぇ!?』
『___都会から来たんだって! プースカから来たのよね!』
『・・・え、えぇ! プースカから来たのよ!』
『そうか! ここには、誰かに会いに来たの?』
『___えぇ! ずっと会いたかった人に会いに来たのよ!』
『ローラ! そうなんだったの、、、?』
『・・・えぇ!』
___ムーダンは、私が思っていた通りの男性だったわ!
背も高く、逞しい胸板に爽やかな笑顔。
___リロラが、愛した人だけあるわね!
▽
【ビビビビビッーーーーーー!!!】
『___えぇ!? もう時間が来たの? 元の時代に帰らなくっちゃ!』
・・・この時代にいられるのは、数時間だけ。
だけど、リロラと一番会いたかったムーダンに会えて嬉しかったわ!
___この時代の運命を変える訳にはいかないし!
ムーダンに会えただけで、それだけで嬉しいの!
*
・・・突然、そこに勢いよく走ってきたムーダン。
『___どうしたの? ムーダン?』
『___どうしても、キミに言いたい事があって! どうやら? 俺は
キミに“一目惚れ”したらしい! もう、プースカに帰るんだろう? 俺も
一緒に着いて行っていいかな?』
『・・・えぇ!? ダメよ! そんなの、、、。』
『ローラ! 俺は本気なんだよ! キミを本気で愛してしまったみたいだ!』
『・・・そんな、リロラはどうなるのよ! リロラはムーダン! あなたの事
を本気で好きなのよ!』
『___いや! リロラは、親が決めた男性と結婚すると自分で決め
たんだよ! 俺の事なんか、好きなはずがないじゃないか、、、!』
『・・・でも? 本当にリロラは、、、?』
『俺は、ローラを誰よりも愛しているよ! 俺の愛するローラ!』
【ビーーーーーーーーッ! 時間切れ!!!】
*
___ここで! 元の時代に戻ってきたの!
なんだか? 心にモヤモヤが残ってしまった、、、。
ムーダンは、私を愛していると言ったわ!
・・・だけど? リロラはムーダンを愛しているのよ!
・・・未来に行った私を。
決して! 会う事がないのに、私をムーダンは愛しているって?
___なんだか? 不思議な話よね!
最後までお読みいただきありがとうございます。