スタイリッシュ漫才
「ハイ、どうも~」
「よろしくお願いします!」
「突然やけど、あたし、悪役令嬢になりたいなぁ思うねん」
「悪役令嬢?」
「ホラ、童話とか少女漫画とかで、ヒロインをいじめる敵役の女の子」
「テニス漫画のナンチャラ夫人みたいな?」
「そうそう」
「なるほど。ほんなら、向いてるかどうかシュミレーションしよ。問題出したるわ」
「バッチコイ!」
「第一問。乙女ゲームの悪役令嬢に転生するために、前世ですべきことは?」
「攻略ルートの確認と好感度アップ」
「ヒロインになってどないすんねん」
「正解は?」
「重課金、廃課金。第二問。ヒロインから婚約者を奪い返すのに必要なスキルは?」
「若さと美貌」
「どっちも無いくせに」
「ほっといて。正解は?」
「実家の権力・財力と、現代日本の知識。第三問。王子の側近が好意を寄せて来ました。さて、彼の正体として考えられる可能性は?」
「男装の麗人」
「違うゲームやないか」
「逆にアリかなぁって」
「ナシに決まっとるやん。正解は、彼も現代日本からの転生者」
「難しいわぁ。それにしても、スラスラ答えが出てくるもんやな。素質あるんとちゃう?」
「オホホ。漫才界の悪役令嬢ざます」
「エエ加減にしなさい!」
「どうもありがとう」