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未来へ
この身は全てを知っている。
この手は全てを知っている。
この過去で起こる事。あの未来で起こる事。
経験のないその歴史を、知っている。
ここにいる誰の記憶にもいないこの存在を、誰が突き止められるわけもなくただ傍観者として果ての歴史を夢見る。
胸の内に蟠る異能力に感謝をしながら。
全ては彼女と彼のためと言う独りよがりな理想を抱きしめて。
《傷持ち》と言う名前を与えられたその誰かの姿を追いかける。
これは我が夢のために周りを振り回す自己満足の物語。
僅か前よりご登壇いただく登場人物には最大限の賛辞を。
その身に刻む歴史の爪痕には存在した消せない証を。
間違っていると言われたところで後には引けない正しい未来のために、今一時の狂宴をトモに紡ごう。