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壁
目の奥が死んでた
優しい顔をして笑っているのに
さりげない気遣いで場を和ませていたのに
間違っていることは正してくれるのに
自分の間違いには気づかないよね
誰もあなたの本心には興味なさそうだった
誰も皆、このわたしも
「笑った顔がかわいいね」
陳腐な言葉で褒めてくる
誰にでも言ってるんだと思った
でも、そう言われて笑ってしまった
「大丈夫だよ、頑張って」
さりげなく肩に触れてくる
不快だった
肩ならいいだろうって下心が見えたから
でも、一瞬ドキッとした
「好きだよ」
仲良くなりたいんだ、と目で訴えてくる
これは告白なんかじゃない
付き合ってほしいとは言わないから
でも、嬉しかった