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退院(銘々に命名)-6
退院その6です。
式が終わり、みんなそれぞれ写真を撮ったり、話し込んだりしていた。俺の周りにも何人かの生徒が集まっていた。
そこへ少し離れた場所に相川がやって来て、俺に向かって叫んだ。
「受験に失敗したの、センセーのせいじゃ無いからね!やりたい事見つけたんだから!あの学校じゃやりたい事出来ないから行かないって決めただけなんだから!」
受験に失敗した事は残念だったが、自分でやりたい事を見つけられた事は喜ばしい事だ。
「相川!やりたい事って、何なんだ?!」
「センセーになんか、教えないよ~だ!」
相川はそう言って笑いながらあかんべえをして走って行ってしまった。
「何だったんだ?最後まで嫌われてたんだなぁ、俺……」
その様子を一部始終を見ていた校長があきれたような表情で一言、言った。
「多田先生は、そのままが良いのかも知れませんねぇ」
「まったくです」
教頭までもがあきれ顔で頷いていた。
こうして俺の一年近い怒涛のマタニティライフは幕を閉じた。




