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6か月(噛みながらカミングアウト)-6

6か月その6です。

 とりあえずは両家に話した事でモヤモヤしていた気持は少し晴れた。まだまだ問題が山積みだが一つハードルを越えた気がした。

「体に気を付けてね」

「何かあったら相談してね!」

「……まだ信じられんが……いよいよ私もおじいちゃんになるんだな?」

何とか正気を取り戻した義父も玄関先まで見送ってくれた。

「ありがとうございます。こんな突飛な話を信じてくれて……」

「静流がこんな仕事してたばっかりに、理さんに迷惑掛けちゃって……」

「いいえ!とても素晴らしい実け……いや、治験に参加出来て、しかも念願の子供を授かって、光栄に思っています。最初は戸惑う事ばかりで、正直もう嫌だ!って思った事もありましたけど、今は子供の為にも前向きに考えようと思います。僕も静流も、お腹の中の子供も、こういう運命なんだって思えるようになってきました。将来子供に命の大切さ、尊さをこの経験を生かして話してあげたいと思っています」

「理くん……」

静流が隣で涙ぐんでいた。

「しかし、学校の方はどうするんだね?このまま内緒という訳にはいかんだろう?」

「問題はそこなんですよね……。教職員にはもちろん産休制度が設けてありますけど、あくまでそれは女性の場合なんですよね……。かと言ってこのまま黙っている訳にもいかないですし。とにかく一度校長に話してみます。まずはそこからだと思っています」

「頑張って!もし何か困った事があったらいつでも相談にいらっしゃい」

「ありがとうございます」

みんなに見送られて静流と二人、家路についた。

「明日校長に話してみるよ」

「理くん……」

「ここからが難関だなぁ」

一つ越えたらまた一つ、どんどんハードルが高くなるのを感じていた。


 次の日の放課後、校長に話をする為、アポを取った。事が事なだけに、まずは校長と教頭の二人に話をしようと思った。

「センセー!何考えこんでるの?」

「……ああ、相川か」

「あ~、わかった!奥さんとケンカしたんでしょ!」

「ケンカなんかしない!」

「なあ~んだ……」

最近の高校生は何を考えているかよくわからない。特にこの相川は何かにつけて俺に突っかかってくるから難儀だ。

「な~んだ、つまんないの。とうとう離婚か~って期待したのにな……」

「何だって?離婚なんかする訳ないじゃないか!」

声を荒げる俺を相川は不思議そうな顔で見ていた。

「何よ、冗談じゃない!……センセー最近怒りっぽくて、ちょっとヘンだよ~?何か隠し事してるみたいに見えるし。しかも何かお腹出てきたんじゃない?今からメタボなんてマジヤバいよ?」

「えっ?!そっ、そんなに目立つかっ?!」

「やばいって~!そんなんじゃお嫁に行ってやんないぞ~!」

 ケラケラと笑いながら腕を組んできた。

「こら、大人をからかうんじゃない!」

俺は相川の手を振り払い、注意した。相川はいつもふざけていて困る。しかし、生徒から見てもやっぱりお腹が目立ってきてるんだな……。

「……からかってなんか、ないのに……」

「ん?何か言ったか?」

「何でもない!」

相川はぷいとそっぽを向いて廊下を走って行ってしまった。最近の高校生は何を考えてるかさっぱりわからない。

「あ~!何かモヤモヤする!」

放課後までの時間が、いやに長かった。

放課後、覚悟を決めて校長室へと向かった。

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