第七話 最悪の選択
(あの何か...呼びにくいから頭文字のNでいいか...。
とにかくNの行動原理さえ分かれば生存率はかなり上がるな..。)
何とかNの行動原理を探し出そうと目を凝らす。
(今あそこで逃げてるのが女2人と男4人、その内デブが男2人。
リア充っぽいのが男女1人ずつ。なんか叫びまくってる男が1人。ラストの女は...)
赤い鮮血が舞った。
(あ、叫んでた人が殺られた..。)
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
叫んでた人が殺られたのを見て、リア充っぽい奴らが悲鳴をあげる。
すると直後、叫んでた人を襲ったNがリア充っぽい2人を襲う。
鮮血が2回、宙に舞った。
(Nは音に反応しているのか...?さっきから叫んでる奴ばかり襲っているし..。
この間やったゾンビゲームみたいだな...。あのゲームのゾンビは臭いにも反応してたっけ...。)
ここまで考えてふとあることに気がつく。
(ちょっと待てよ...。Nが反応してる可能性が有るのは五月蝿い人とかもしかしたら臭う人。もし仮に人だけじゃなく場所も反応する対象だとしたら...。)
背中に悪寒が走る。後方から何か聞こえる気がする。何か呻き声のような、悲鳴のようなそんな声が。確実に近づいてきている。
(もしも本当にNが音とか臭いとかに反応しているなら...。)
音の正体は既に十数m先の曲がり角まで来ている。
(換気扇って最悪の選択じゃね...!?)
恐る恐る後ろを振り返ると、曲がり角を曲がる-----
Nがいた。