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神妖クルセイド  作者: いかろす
-神鬼邂逅ノ章-
1/32

プロローグ-臨む彼女の憂い-

 上を見れば、澄んだ青い空。

 下を見れば、荒んで見える人の世界。

 世界を見渡せる程高層の建造物の屋上に、長い黒髪をなびかせて彼女は立っていた。

 何故そこに居るか、と自問したところで、彼女は自答出来る自信が無い。

 ただ、暇だからそこに居る。

「あっ……暇だからっていう理由があるのか」

 この暇はいつまで続くのだろうーーと、自問。

 その答えを彼女は知っている。余裕を持って行動するとして、あと数十分も無いくらいだ。

「また、私はあそこに行くのか……」

 彼女は見下ろす地面を見て、憂う。なんの変哲も無い世界に見える筈だったのに、彼女にはこの世界が汚く荒んで見えるのだ。

 まるでゴミを見るような視線を彼女は下界に向ける。

 その時、彼女の頬を撫でる風。

 彼女はここで浴びる風が好きだ。理由は、下界の荒んだ空気に染まっていないから。

「いつから、こんな風に感じるようになったっけ」

 フラッシュバックしそうになる記憶。それを彼女は寸前で辞めた。

 彼女の世界を汚く見せている要因の根本を思い出してしまったら、彼女の唯一のベストプレイスまで汚く染まってしまう。それを避けたかったのだ。


「神に、(あやかし)に祈っても……人はまた、戦いに落ちて行くのか」


 全てを悟っていても、彼女は剣を取る。

 目的を果たせば、世界が綺麗になってくれると信じて。

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