第六十話 『忠義を超えて』
クロノの幼い頃の記憶は酷く曖昧だ、靄がかかったように霞んだ幼少期の記憶。母親と各地を転々と巡っていた記憶よりもさらに昔、自分は高台から空を見上げていた。
普段の星空とは違う、虹色に輝く星がクロノを照らしていた。クロノはその星に目を奪われていたが、その傍らに立つ人物が思い出せない。
母親では無い、その人物の顔が思い出せない。
時間が来た、別れの時間だ。
その人物が微笑み、クロノに別れを告げる。
その言葉の意味が、まだ幼かったクロノには理解できなかった。
ただ、酷く悲しくて……。
その悲しみさえ……記憶の闇に消えていく……。
声も届かない、聞こえない。
それでも、忘れちゃいけない気がしていた。
「……ん」
目を覚ますと、自分の体は布団に寝かされていた。魁人達の拠点のようだ、クロノはしばらく、天井をボーっと見つめていた。
(夢……またあの夢か……)
何度か同じ夢を見たことがあったが、意味が分からないのは今も昔も同じだった。そもそも自分の記憶なのかも定かでは無いのだが、決まってこの夢を見た後は胸が苦しくなる。
そして、自然と涙が頬を伝っていた。
「……どうなったんだ……あの後……」
状況を把握する為、クロノは体を起こそうとする。しかし、体はその行動を拒絶し、激痛で答えた。
「……っ!!」
その痛みにクロノは胸を押さえようとするが、左手もまともに動いてくれない。どうやら、想像以上に自分の体はボロボロらしい。
痛みに耐えていると、そんなクロノに気がついた者が現れた。
「……クロノ?」
枕元から声がする、目を向けるとエティルがそこにいた。
「……エティルか? おはよ……」
「クロノ~~~~~~~~~~っ!!!」
言い切る前にエティルが飛びついてきた、その衝撃で体が悲鳴を上げる。
「痛ぇっ!? エティル痛い! 痛いって!」
だが、自分の肩に頭を擦り付けているエティルは震えていた。
「よか……った……クロノよかったよぉ……!」
泣いていた、体を小さく震わせて。クロノがそれに気がついた瞬間、アルディが姿を現した。
「……おはようクロノ、随分と長く眠っていたね」
「アルディ……おはよう……?」
目覚めの挨拶に応えるが、アルディはなにやら怒っている様子だ。
「……あの、何かお怒りですか」
「……怒ってるわけじゃないよ?」
「ただ、心配してただけだ」
そう言いながら、枕元に腰掛ける。
「無茶を通り越した結果、君は三日間眠っていたんだ、死んだと思ったよほんと」
「契約して数日で契約者が死んだとか、笑い話にもならない」
「……本当に心配したんだ」
アルディは顔を伏せていた。自分がどれだけ心配をかけてしまったのか、クロノは理解する。
「クロノ、これは僕達の勝手な想いだ」
「だから、君は気にしなくてもいいんだが……」
「僕も、勿論エティルも……もう契約者を失うのは嫌なんだよ……」
「もう、あんな思いは御免だ……」
「だから……少しは自分の事も大事にしてくれ……」
自分の暴走でどれだけ迷惑をかけたのか、それに気がつくのが遅すぎた。アルディもエティルも、嘗ての契約者のルーンを失っている。
納得のいく別れでは無かったらしい、その時の傷は今でも残っているのだろう。その傷跡を、自分は故意ではないとしても……抉ってしまったのかも知れない。
「……ごめん」
泣き続けるエティルと、顔を伏せたままのアルディに素直に謝るが、そんな一言で済む訳が無い。だから、クロノは続けて口を動かした。
今出来る事は、それだけだから。
「アルディ、俺は死なないし、居なくならないよ」
「夢を叶えるまでは、絶対」
「……見事に根拠が無いね」
「うん、ごめん」
「けど、絶対だから」
その言葉にアルディはしばらく黙っていたが、呆れたような顔で笑ってくれた。
「はぁ……じゃあ本当かどうか、付き合わせてもらうよ」
「……この先もね」
「あぁ、頼むよ」
「エティル、もう泣くなって……」
「だって……だってぇ……」
エティルが泣き止むまで、何とか動く右手で頭を撫でてやった。自分をここまで心配してくれている精霊達の為にも、夢を叶えようとクロノは強く思うのだった。
ようやくエティルが泣き止み、謝罪も済んだところでクロノが寝たままの体勢で話を切り出す。
「あの後、どうなったんだ?」
「クロノが意識を失った後かい?」
「結果から言えば、同盟は無事結ばれたよ」
「近い内に、両方の獣人種の長がマークセージを訪ねてくるってさ』
「どういった形になるかは、これからってところじゃないかな」
「そっか……よかった……」
「病気で苦しんでるウルフ族は、魁人君とケンタウロス族が対処に向かってるよぉ」
「心配は要らないから任せておけって、魁人君言ってたよ♪」
魔物との対処法など、素人のクロノとは比べ物にならない知識がある魁人なら、大丈夫だろう。
「それで、意識を失ったクロノはカルディナちゃんが運んでくれたんだよぉ」
「僕達から礼を言っておいたけど、改めてお礼は言っておきなよ?」
「あぁ、分かった」
「それと、回復魔法をかけ続けてくれていたエルフの2人組にもね」
そういえば、あの二人は何故あの場に居たのだろうか……。せっかく再会できたというのに、まともに話も出来ていない。
お礼も言わなければならないのだ、クロノはどこに居るのか聞こうとするが……。
「えぇいっ!!! 貴様いい加減にしろっ!!」
「誇り高きケンタウロス族を何だと思っているのだっ! 叩き斬るぞっ!!」
「こちらも探究心を貫く誇りがあるのですよぉ!!」
「どこを触っているんだこの不埒者がぁ!!」
「うはぁ……ケンタウロス族初めて見ましたぁ……もっと詳しく!!」
「何なんだこいつはっ! エルフはこんなんばっかなのかっ!?」
「出来ればそいつと一緒にしないで貰いたいんだが……」
「そちらのお嬢さんは鬼人種と人とのハーフとお聞きしましたがっ!」
「ひゃわぁ!?」
「出来ればお話をお聞きしつつ、色々と調べさせて貰いたいのですよぉ……うへへぇ……」
「あ、あの……ご遠慮させていただきます……」
「未知を逃がしてなるものかぁ!!」
「きゃああああああああっ!?」
どうやらすぐ近くにいるらしい……。
「……一気に会うのが嫌になったんだが」
果たして今の自分の精神で持つのだろうか……。そんな不安を抱いていると、部屋の中にセシルが入ってきた。
「……起きたのか」
「あっ……うん」
意識を失う前に恐ろしい勢いで攻め立てられたのを思い出し、若干身構えてしまう。セシルは黙って、壁際に腰を降ろした。
やはり人の目が有る為か、人間化で尻尾などは隠している。
「……今回は運が良かったな、貴様の命は運の上に成り立った」
「今後はそうはいかんぞ」
「……分かってる」
「大体、『魔核』を有する相手に貴様如きが挑むなど……正気では無いんだぞ」
「本来貴様は死んでいた、それを……」
「セシルちゃんは変わらないなぁ……素直じゃないなぁ~♪」
エティルがニヤニヤしながら口を挟んだ。
「クロノの命が助かったのは、偶然じゃなくて必然だよぉ」
「クロノが頑張ったから、皆が助けたいと思ってくれた」
「だからクロノは助かったんだよぉ」
「セシルちゃんだってそうな癖に~♪ 大体分かってるのにツンツンしちゃってぇ~♪」
「エティル、焼かれたいのか?」
「図星なんだろ? 戦闘中にマークセージに飛んで行っていたし」
アルディが追い討ちをかけた。
「僕が気がつかないと思ったかい? クロノが心配で居ても立っても居られず、結局手を貸した」
「エティルの言うように素直じゃないなぁ、あの頃のままだね」
「……今日は随分とそいつを庇うのだな?」
「顔が赤いよ?」
アルディの言葉に、セシルがプイッと顔を背けた。その頬は確かに赤く染まっている。セシルは今回も助けてくれていたのだ。
「勘違いするな、気まぐれだ」
「余りにも無様な姿に、見ていられなくなったに過ぎん」
「見てるだけと言うのも退屈だっただけだ、暇潰しに城に向かった馬の様子を見に行っただけだ」
「だから……」
「セシル、ありがとな」
「今回も、助けられたんだな」
「俺いつも誰かに助けられてばっかだな……」
驚くほど素直に、お礼を言っていた。セシルは面食らったように停止してしまう。
そしてばつが悪そうに顔を背ける。
「……貴様が不甲斐無いのは、今に始まったことでは無いが……」
「……助けられるのは、悪い事では無いと思うぞ」
「そう思ったからこそ、今回貴様は戦ったのだろう」
「……あぁ」
「いつか、俺もセシルを助けられるくらい強くなるよ」
「勿論、エティルやアルディの事も助けられるくらいにな」
「えへへ~♪」
「期待してるよ」
精霊達と笑い合うクロノ、セシルはそれを見つめていた。どこか、切なそうな顔で。
(私を、助ける……か……)
(こいつは、本当に……)
考えを振り払うように、セシルは急に立ち上がった。
「……貴様に話がある奴等が居る、そいつ等を呼んでくる」
そう言って、そそくさと部屋を出て行った。
「……嫌な予感がする」
その予感は的中する、ほんの数分後にだ。
部屋に入ってきたのはレラとピリカ、そしてセントールだ。
「クロノ、良かった目が覚めたか」
「クロノ様、ご無事で何よりですよぉ」
「あ……無、無事で何よりです、うん」
セントールの様子が少しおかしい、部屋の隅で正座するように固まっている。馬の下半身を器用に折り畳み、素晴らしく綺麗な姿勢のまま、……固まっている。
「……?」
クロノはそれを疑問に思ったが、急にピリカが身を乗り出してきた。
「クロノ様っ! カリアではありがとうございましたっ!!」
「クロノ様のおかげで、王様に良くして頂いたのですよぉ!」
「図書館に案内してもらってな、色々と助かったぜ」
そういえば、ラティール王に伝言を残していたのを思い出した。
「しかも鳥人種のおまけ付き! 隅々まで堪能させて頂きましたよぉ!」
……ピュアには悪い事をした気がする。
「えっと……レラとピリカは無事に旅を堪能できてる感じだな」
「あぁ、族長から昔話を聞いた後に旅に出た」
「その後カリアでしばらく情報を漁っていたんだが、ラティール王にお前がウィルダネスに向かったと聞いてな」
「もう一度ちゃんと礼を言いたかったのもあってな、後を追って来たって訳だ」
「あはは、今は俺が礼を言う立場だよ」
「お前達が居なかったら死んでたかもらしい、ありがとな」
「何を言いますかクロノ様、今わたし達がここに居るのはクロノ様のおかげなのですよぉ」
「そうっ! クロノ様のおかげでわたし達は未知を沢山知ったのですよっ!」
何かスイッチが入ったらしく、ピリカが立ち上がる。
「族長から聞いたエルフ族の英雄! カムイ=ライクンの話に始まり、この世に存在する、伝説とも言われる数々の種族をわたしは知ったのですよぉ!!」
「他者の精神を糧とし、その性質をその身に宿す事で成長する、水体種の中で最も希少と言われる種! 天水体種っ!」
「数多の鬼を従え、伝説の武器『八戒神器』の一つである『壊鉈鱗・ラファグラス』の所持者とも言われる酒呑童子っ!」
「大昔に人間が生み出した種である機人種、その核である機人核を魔王様が奪い、生み出したと言う全ての機人種を司る生きる司令塔こと魔生機甲・マクロディアッ!!」
「この世にはわたしの知らない種族や大物で溢れているのですっ! あぁ……見たい、触れたい、調べたいっ!!」
「特に! 違う種族同士の間に生まれた混血種は希少性が段違いです!」
「例えば人と龍王種の間に生まれた希少種、幻龍種なんかはもう伝説とかいう言葉では生温いですよぉ!!」
その言葉に、セシルの肩がビクッと跳ねた。
「そんな種族が目の前に現れたら……感動で昇天してしまうかも知れません……!!」
その伝説を通り越した存在が、すぐ後ろに居る事をピリカはまだ知らない。
(……幻龍種って、セシルがそうだよな……)
さて、言うべきか……。
「あの、ピリ……っ!?」
口を開いた瞬間、セシルが殺気を向けてきた。目が言っている、『言ったら殺す』……と。
(あの目はマジだ……触らぬセシルに祟り無しだ……)
伝えるのは辞めておいたほうがいい、自身の命の為にも。
「ピリカちゃんだっけ?」
「ふぇあ? おぉ! シルフなのですよぉ!」
「あたしはエティル、クロノの精霊だよ!」
「幻龍種を見てみたいの?」
寝ているクロノの上で寝そべるエティルが、そんなことを言い始めた。
まさか……。
「セシルちゃんが、その幻龍種だよ♪」
言いやがった、この野郎。
瞬間、ピリカに電流が走った。それと同時、エティル目掛けてセシルが飛び掛る。エティルはそれを、ヒラリと避けた。
「貴様は死にたいのかっ!?」
「セシルちゃん顔怖いよぉ!?」
ゆらりとセシルの背後に迫るピリカ、その目は正気を失っている。その気迫は、あのセシルが僅かに顔を強張らせるほどだ。
「……忠告するが、近づくな」
「近づくと、顔の形が変わると思え」
「その程度のリスクで、伝説の種を調べられるのなら……」
「わたしは命を賭けるのですよおおおおおおおおおおおおっ!?」
飛び掛ったピリカに、容赦無くセシルは蹴りを入れる。しかしピリカは止まらず、そのままセシルを押し倒した。
「なっ……!?」
「幻龍種……本物ですか……うへ、うへへへへ……」
「では、失礼致します♪」
そう言って、ピリカは何かの魔法をセシルにかける。その瞬間、セシルの人間化が解かれ、翼と尻尾が姿を現した。
「ぐっ……貴様……!?」
「この真紅の鱗……翼の形……見たことも聞いたこともないのですよぉ……!!」
「本物キタコレッ!!」
ガッツポーズと共に更なる未知を調べ上げようとするピリカ。その体が凄まじい勢いで、窓から外に吹き飛ばされていった。
この場の誰も視覚出来ない速度で、セシルがピリカを尻尾で殴り飛ばしたのだ。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
セシルがあそこまで汗を流しているのを、クロノは始めて見た気がする。そして、エルフと言う種の本気も見た気がする。
「レラ、エルフって凄いな」
「あれと一緒にするのは勘弁してくれないか」
疲れ切ったような表情のレラ、もう色々と諦めているのだろう。
「あの状態で放置するのは色々やばいからな、回収してくる」
「なんとか、落ち着かせる努力はしてみる」
「うん、頑張って……」
部屋を出るレラに、クロノは心の底からのエールを送った。ちなみにこの状況を作り出したエティルは、クロノの中に避難していた。
(セシルちゃん……すっごい怒ってるよぉ……!)
(そりゃそうだろ……)
「……服が破けたので、着替えてくる……」
「エティル、覚えておけ」
人間化が強引に解除され、翼と尻尾が現れたせいか服に穴が開いてしまったらしい。恐ろしく冷たい声を残し、セシルは部屋を後にした。
(ガクガクブルブル……)
(自業自得だね)
(アルディ君見捨てないでよぉ!!)
自分の心に響く声、クロノは出来るだけ関わらないようにしようと、密かに誓った。精霊達の会話に巻き込まれないよう、クロノは部屋の隅のセントールに声をかける。
「あの、セントールさん?」
「さっきから何で、そんな隅で固まってるんだ?」
その言葉に、セントールはゆっくりと立ち上がる。そしてクロノの近くまで寄ると、足を折り、跪くような体勢を取る。
「ちょ……っ!?」
「……クロノ殿、私は貴方様のお姿に深く……深く胸を打たれました」
「貴方様のあのお姿に、信念を感じ取りましたっ!」
恐ろしいほど真っ直ぐ、こちらを見てそう言うセントール。その目は怖いほど、キラキラと輝いていた。
「あ、いや、そんな大層な事は……」
「何を仰いますかっ! 貴方様の自分を貫いた様……感動致しましたっ!」
「我等ケンタウロス族だけではなく、ウルフ族の心まで動かした貴方様の行動! 言葉!」
「私が知り得る言葉では表せないほど、私は感動しましたっ!」
身を乗り出し、クロノの右手を取って熱く語るセントール。その気迫にクロノは押されてしまう。
「あっ、えっと……」
「私だけではありません、ケンタウロス族の多くが貴方様に敬意を表しております……」
「我等は忠義を重んじる種、誇り高き主に仕える事こそ、我等の望みであり幸せなのですっ!」
「人との同盟は対等の証、仕える事とは別物です」
「だからこそ私は個人的に、貴方様に忠義を示したいのですっ!」
握られた右手に力が込められた、本気である。その気持ちは嬉しいのだが、出来ればそんな堅苦しいのは遠慮したい。
少し考え、クロノは口を開く。
「えっと……正直良く分かんないんだけどさ……」
「忠義を示したいとかなんとかなら、一つお願いがあるんだけど……」
「何なりと……!」
「……俺と、友達になってくれないか」
クロノは握られていた右手をゆっくりと引き抜き、自分から手を差し出す。
「種族なんて関係ない、他族とだって協力し合える」
「その証拠って訳じゃないけど、この手を取ってくれると嬉しい」
「共存の世界はきっと成せるって、俺の自信になると思うからさ」
だから、笑顔で手を差し出した。セントールはその手を、迷わず握り返してくれた。
「やはり……クロノ殿は素晴らしいお方だ……」
「貴方様が我等の力を必要とするならば、必ずお力にならせて頂きますっ!」
「……ありがとう」
また一つ、繋がりが増えた。確かにボロボロになったが、大切な物を得て、成し遂げる事が出来た。
それだけで、満足だった。
「それと、人の王から伝言があります」
「『ゴタゴタが片付いたら礼を言いに行きたい、体もボロボロだろ? しばらく休んでな!』との事です」
「ロニア様も、ガルア・リカントもきっとクロノ殿に伝えたい事がある筈です」
「クロノ殿の体もまだ動ける状態ではありません、もうしばらくお休みください」
「警備の方はご安心を、いかなる賊が現れようとも私がお守り致しますっ!!」
「あはは……」
果たしてゆっくり休めるのだろうか、多少の不安が残る。だが、今は体を動かせないのも事実だ。
次の旅立ちまで、しばらく体を休めよう。そう思い、クロノは目を閉じるのだった。
その夜、マークセージの港にある存在が近づいていた。船が出入りする時のみ開く、大水門……この門に穴が開いている事を、マークセージの住人は気づいていない。
門の穴を潜り、港のすぐ傍まで近づいた『それ』は海面に顔を出す。
「……にひひっ♪」
海住種の少女が笑みを浮かべ、見つめる方向にはクロノの眠る魁人達の拠点があった。
次の物語の舞台は、既にクロノを待ちわびている。
長かった獣人種編もついに終わりです!
次章の情報は活動報告にて!




