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偽勇者は世界を統一したいのです!  作者: 冥界
第二十一章 『幻想揺らめく、魔族の大陸』
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第百五十七話 『過去は、優しさで胸を裂く』

「うぅ……よかった……無事で……」



「あはは……ボロボロですけどね……」



 橋を渡りきってすぐ、勇者達が集まってきた。みんなボロボロだと言うのに、自分の帰りを待っていてくれたのだ。リザは拙いながらも、光の魔法で勇者達の治療をしていたようだ。



「君が僕達を橋の手前まで運んでくれたって聞いてね」

「これで礼も無しじゃ、勇者以前に人として間違ってるだろう」



「…………? 俺が運んだ?」



「クロノ、話を合わせておけ」

(変幻の仕業だ、面倒だから黙っておけ)



 セシルの囁きに、クロノは無言で頷いた。自分達をぶっ飛ばした存在に助けられたと知れば、勇者達は複雑な顔をするだろう。



「は、橋の手前までって事は……皆さん橋からどうやってここまで……?」



「俺が運んだ、意識を取り戻した奴は自分で渡ったけどな」

「つか、お前が任せるって言ったろ」



 そう言いながら、ゴルトが背後から近寄ってきた。




「あーそうだったな……あははは……」




「……小僧、エルフの森での事は忘れねぇぞ」

「お前は、変な夢を訴えてた筈だ」

「……なんで俺達を助けた?」




 ゴルトは気を使って、夢の部分をぼかしたのだろう。数十人の勇者の前でその夢を語れば、どんな顔をされるかは容易に想像出来る。だが、クロノにとってそれは慣れっこだ。一々それを気にしているようでは、その夢は成せない。



「あぁ、俺の夢は人と魔物の共存だ」

「だから、お前等を止めたかった」

「お前等にも、魔物にも……意味無く傷付いて欲しくなかった」



 勇者達がざわつくが、クロノは真っ直ぐとゴルトを見て言い切った。



「……小僧、リーガルに会ったんだろ」

「あいつ、なにしてた?」



「? カリアでエルフに連れ回されてたけど……」



「前のあいつなら、王の命令なんか無視してさ、別の町に移動してたと思う」

「俺達は昔からそうだ、貫いてきた事なんてありゃしない」

「勇者の証で楽して……適当に生きてきた」

「この場に集まった勇者にも、そんな奴がいるんじゃねぇかな」



 何人かの勇者が、顔を背けた気がした。



「エルフの森を襲った時、組んだ2人はさっさと逃げちまった」

「俺とリーガルは腐れ縁だったからな、今度も一緒に逃げるんだと思ってた」

「けどあいつは、王の命に従って……エルフ共と向き合った」

「昔からつるんでたから分かる、あいつは変わったよ」

「口じゃ色々言ってるが、お前みたいな目になった」

「なんかよ、置いてかれた感じでさ」

「焦って、躍起になって俺はこの作戦に参加したんだ」




「……リーガルは、止めたんだろ?」




「あぁ、結局……あいつが正しかったんだ」

「小僧、お前はなんで戦える?」

「どうして、真っ直ぐ立てるんだ?」



 その理由は、今も昔も変わらずに、自分の中で光っていた。



「俺には夢があるから」

「最初は母さんが、それを信じてくれた」

「期待してくれる奴、信じてくれる奴、支えてくれる奴……沢山増えたから」

「俺はそれに応えたい…………だから、俺は戦える」

「勇者じゃなくても……前に進める」

「もう、自分を信じること……迷わない」




 クロノの言葉を聞いたゴルトが、力無く笑い、顔を伏せた。




「お前は、強いな……」

「お前のほうがよっぽど、勇気があるよ……」




「カリアに戻れよ、リーガルが待ってる」

「他のみんなも、自分の故郷に帰るんだ」

「地位や名誉じゃない……みんな、守りたい物があって勇者になったんだろ?」

「勇者なら、本当に自分が誇れる道を……選んで欲しい」

「勇者は俺の、憧れだから……」




 傷付いた勇者達は、その言葉に静かに頷いた。一人、また一人と頭を下げ、別々の方向へ歩き出していく。周りの声で自分を曲げ、目に見えない何かを追い求めていた勇者達は、もうどこにも居なかった。勇者を目指していた頃の、真っ直ぐな気持ち。それを少しでも思い出したなら、自分を見失う事はもう無いだろう。少なくても、迷いを抱いたまま、誰かの用意した道を歩む事は、絶対に無い筈だ。



「……ふぅ」

(偉そうな事、言ってるよな……)



(結果がどうあれ、お前はやりきった)

(弱いとこは、俺達にだけ晒してりゃいい)

(表向きには、胸張ってりゃいいんだよ)



 心の中から飛んできた、頼りになる声。本当に、自分は恵まれていると思う。



「……俺も、カリアに戻るかね」



「リーガルと上手くやれよ」

「後、エルフ達ともな」



「……出来たらな」



 ゴルトもカリアへ向かい、歩き出した。根拠は無いが、もう大丈夫だと思えた。



「あ、あの……」




「? リザさん?」




「私には、君の夢をどうこう言えないけど……」

「君の言葉に、私は救われた気がするんです」

「だから、ありがとうございます」




「……あはは……」




「私も、カリアに行こうと思います」

「カリアは、エルフ達と友好関係を結んだって……聞きました」

「ご迷惑になるかもしれませんが、私はエルフに魔法を教えてもらおうかと思います」

「傷付いた人を、もっとちゃんと治療できるように……なりたいんです」

「自分の未熟さを言い訳にするのは、もう終わりにします」




「なら、エルフ達の長に頼んでみるよ」

「快く、引き受けてくれると思う」




 表情を明るくしたリザと共に、クロノはカリアを目指して歩き出す。その途中、クロノは一回だけ振り返った。虹色に輝く橋を、目に焼き付けるように。




























 カリア城への門を潜ろうとしたクロノに、ピュアが飛来した。完全に油断していたクロノは、呆気なく押し倒されてしまう。



「くろのー! おかえりー!!」



「ただ、いま…………」



 案の定爪が食い込んでいるが、クロノは冷静に金剛で防御中である。ピュアの身体を軽々と持ち上げ、クロノはカリア城へ入って行った。



「クロノッ!」



「おぉ、よくぞ無事で……!」



 ラティール王とタンネの出迎えに、クロノは笑顔を浮かべる。心配してくれていたのだろう、その気持ちがクロノは嬉しかった。



「あぁ……傷だらけじゃないか!」

「また無茶をしたんだろう!」




「そうですね……無茶しかしませんでした……あはは……」




「クロノ殿、傷をお見せください」

「ホッホッホ……この程度なら痕も残りませんわい」



 タンネが杖をこちらに向けてくる。癒しの魔力が、クロノの傷を一気に治癒してくれた。隣で見ていたリザは小さく、『凄い……』と呟いている。肩を貫通していた傷も、あっという間に完治してしまった。



「わぁ……ありがとうございます!」



「しばらく安静にしていてくだされ……傷が開きますぞ」



 流石エルフの長と言った所か、その魔法の腕は物凄い物があった。リザはさっきから何かを言いたそうだ。



「クロノ、勇者達は?」



「全員無事です、みんな故郷へ戻りましたよ」



「そうか…………良かった」



 ラティール王は安堵したように、柔らかい笑みを浮かべた。そんな王に対し、リザは膝を折った。



「王! この度は……勝手な行動をお許しください!」

「勇者たる私達が……己を見失い……愚かな真似を致しました!」




「恥じる気持ちがあるなら十分さ、過ちは繰り返さない事が大事だ」




「……っ! 失礼を承知で……この場を借りて申し上げたいことがございますっ!」

「カリアは、エルフ達と友好関係を結んだと聞きましたっ!」

「私は、今回の件で自らの未熟さを痛感致しましたっ!」

「なので、魔に精通するエルフに……教えを請いたいと思いますっ!」

「どうか……自らを見つめ直すチャンスを……!」




「あ、いやね……そこまで思い詰めなくてもいいんだよ?」

「しかし……エルフに魔術をね……」




 地面に埋まりそうなほど頭を下げているリザに、ラティール王は困惑してしまう。そして、リザの言葉にタンネが反応した。



「ホッホッホ、丁度良いではありませんか」

「王、先ほどの魔術学校の件……ワシは賛成しますぞ?」




「魔術学校?」




「クロノも勇者を目指してた時、何度か通っただろう?」

「魔法に長けたエルフ達が、そこに勤めたいって話があってね」

「魔素が多く、魔法の修行にうってつけな、エルフの森への課外演習も予定してるんだ」

「お互いの距離を縮める意味でも、有効だと思ってね」



 正直、魔法が下手なクロノにとっては、あまり良い思い出のない学校である。だが、エルフが教えてくれるというのは、なんだか凄く共存っぽい。



「エルフに教えを請いたいなら、丁度良いだろうね」

「今から魔術学校へ向かうといい、詳しい話はそこで聞けるはずだよ」



「! ありがとうございますっ!」

「えっと……クロノ、君? また会おうねっ!」



「はい、また!」



 急ぎ足でその場を後にするリザ、部屋を出る直前、笑顔で手を振ってきた。その笑顔で、クロノは少し安心した。もう、迷いは無さそうだ。



「クロノ、君も疲れているだろう?」

「部屋は用意させるから、ゆっくり休むといい」



「あ……はい、ありがとうございます」

「……なんか、エルフ達との距離も縮まってて……嬉しくなりますね」



「これも、クロノ殿のおかげですぞ?」



 嬉しさでどうにかなりそうなクロノだが、ここで一つ思いついた。荷物から通信機を取り出し、ラティールとタンネに向き直る。



「王様、俺……今ちょっとした目標の為に旅をしてるんです」



「ん?」



「『天焔闘技大会』は、知ってますよね」



「20年に一度の大会じゃないか、それがどうしたんだい?」



「ラベネ・ラグナのお姫様と協力して、その大会の出場者を集めているんです」

「その、魔物の……」



「魔物?」



「はい、今年の大会は、姫様の案で『人魔混合』で行う事になりまして……」

「俺は大会までに、世界中から魔物の参加者を集めてるんです」

「それで……王様やタンネさんにも協力して欲しいなって」



「うん、いいよ」



「願ってもない申し出でございますなぁ」



 あまりにも即答だった為、クロノの方が固まってしまった。



「……そんな簡単に、いいんですか?」



「我が国にも、相応の価値があると判断してだよ」

「一応僕だって王様なんだ、それなりの考えはあるさ」



「今のエルフは、外の世界に興味津々ですからのぉ」

「参加希望者は、多い筈ですぞ」



 協力してくれるのは、非常にありがたい。クロノは通信機の電源を入れ、フローへ連絡を取った。



「で、具体的に僕達はどうすればいいのかな?」



「その辺の話は、主催者である姫様が説明してくれると思いま……」



『ガガガガガガガッ!! ガーッ!!』



「!?」



 通信機から、重々しい金属音が鳴り響いた。何かが砕かれ、加工されているような轟音である。



「…………フ、フロー……?」



『あー! あー! こちらフローじゃっ!』

『すまんすまん、開発中でのぉ』



 一体どう加工すれば、あのような凶悪な音が出るのだろうか。凡人のクロノには、一切想像がつかない。



「……参加者を見つけました……」



『いよっしゃぁ! でかしたぞっ!』

『そこはどこじゃ!? 種族は!? えぇい! 早く言え!』



 相変わらず、この姫様は変わりないようだ。クロノは苦笑いを浮かべながら、フローに情報を伝える。



「場所はアノールドのカリア王国……種族はエルフです」



『むぅ? カリア……?』

盤世界ファンタジア24ヶ国の一つのか?』



「えぇ、そのカリアで間違いないですよ」

「お初にお目にかかります、僕がカリアの王、ラティール・トラストです」



「エルフ族の長、タンネ=チャロと申します」



『ほぉ、人の王に種の長か』

『これは、話を付けやすそうじゃな』

『少々長話となるが、そちらは大丈夫かの?』



「えぇ、詳しくお伺いしましょう」



『うむ、詳しく話そうかの』

『あークロノ、長くなるからお主はどっか行ってて構わんぞ』

『居ても居なくても一緒じゃからなぁ』



「うわぁ酷ぇ……」



「あはは……部屋を用意させておくから、クロノは休んでていいよ?」



「くろのー! あそぶー!」



 今の今までセシルの尻尾にじゃれていたピュアが、ここぞとばかりに乱入してきた。休める気が全くしないまま、クロノは客室へと向かうのだった。
























 数時間後、客室のベッドで寝そべるクロノの姿があった。さっきまでピュアと遊んでいたのだが、セシルが夜風にあたりに外へ出て行き、ピュアもそれについていったのだ。疲れ果てたクロノは、そのまま倒れこんでしまった訳である。



「あー眠い……」



「子供は元気だよねぇ」



「だからエティルも元気なのかい?」



「その理屈で言えば、ティアラはもうちょい明るいと思うんだがなぁ」



「Zzz……」



 精霊達もリラックスしている、ティアラに至っては既に夢の中だ。このまま寝てしまおうかと思っていたクロノだったが、不意に部屋の扉が開かれた。



「やあ、まだ起きてたかい?」



「ラティール王? どうしたんですか?」



「話が終わってね、通信機を返しにきたよ」



 メイドや兵に頼めば良いものを、この王は本当に律儀である。まぁ、何か考えがあるのだろうが。



「……本当は、どうしたんですか?」



「タイミングが無かったからね、今ならいいかと思ってさ」

「ピュアのお母さんの話、何かありそうだっただろう?」



 今ならピュアは居ない、話すなら今しかない。ラティール王には、話しておかねばならないだろう。



「……ピュアのお母さんに、会いました」

「ピュアの母は……四天王です」



「……そう、か……」

「随分と、大物だね」



「名前は、シア=エウロス……とんでもなく強い鳥人種ハーピーでした」

「……人を、強く憎んでた……」

「ピュアの名前に、強く反応してました」

「……殆ど話は聞けませんでしたけど、間違いないです」

「…………? ラティール王?」



 ラティール王の様子が変だ、僅かに震えている。疑問に思ったクロノだったが、不意に両肩を掴まれた。



「? 王?」



「……クロノ、この話は、誰にも言わないでくれ」

「……頼む」



 肩を掴む手が震えている、こんなラティール王は始めて見る。



「す、すいません……ピュアが四天王の子だったなんて……俺も思わなくて……」

「凄く危険なのは、分かってますけど……あの……」




「違うんだっ!!」




 最初はピュアが四天王の子だと知って、危機感を抱いたのかと思ったが、そうじゃない。ラティール王はもっと、別の事を考えているようだ。その顔は、不安や恐怖じゃなく……大きな悲しみに染まっていた。




「……王?」




「クロノ……今は何も言わないでくれ」

「君には、いつか話す」

「…………クロノ、これを」



 王が懐から取り出したのは、綺麗な髪飾りだった。クロノもよく知っている、それは王が肌身離さず持っていた髪飾りだ。小さい頃聞いたことがある、大事な人の形見と言っていた髪飾りだ。




「……これ?」




「次にシア=エウロスと出会う事があったら……それを見せてくれ」

「見せるだけでいい…………頼んだよ」




「……はい……」




 勿論、聞きたいことは沢山あった。だが、今聞いてしまったら……王が泣いてしまいそうで。クロノは口を、開けなかった。王はそのまま、黙って部屋を出ていった。

 





















 クロノの部屋を後にしたラティール王は、自室の庭に佇んでいた。空を見上げ、目を閉じ、昔を思い出していた。10年以上前、この場所で出会い、この場所で間違えた。




『ラティール! 大好きだよっ!』




(………………ッ!!!)




 ラティール王はその場に崩れ落ち、涙を流した。父を失い、大事な人を傷つけた、あの事件。終わってなんかいない、まだ続いているのだ。



(ピュアは……シアさんの娘……)

(なんで……なんて事だ……)




『種族とか、どうでもいいの』

『私は、ここが一番好き』

『あなたの隣が、大好き』

『あなたの事が、世界で一番大事だもの』








「うわああああああああああああああああああああああああああっ!!!」








 目を閉じれば思い出す、あの笑顔。あの笑顔を奪ってしまったのは、自分だから。ラティール王は空に向かって叫んだ。自分の大切な物を、全てを失ったあの日を思い出しながら。

























 今日も、勇者達が血の海に沈んだ。理由は不明、何があったかも不明だ。たった一瞬、風が吹いたと思ったら、勇者達が血に染まり、吹き飛んだ。常人には分かる筈もない、四天王という存在の暴力的な八つ当たりが、今日もどこかで吹き荒れる。





(まだ、まだだ……)





 四天王、シア=エウロス。彼女は止まらない、その翼を、足を、全身を返り血に染めながら、世界中を飛び回る。傷つけた人間個人に、恨みは無い。人間だから、嫌いなんだ。殺しは許されてないが、知ったことじゃない。無差別に傷つけ、それでも止まらなかった。




(まだ、まだ拭えない…………)

(忘れろ……消えろ…………消えろっ!)




 勇者を木に叩きつけ、シアは自分の翼を見た。綺麗だと褒められた翼は、血で酷い有様だ。シアは空を見上げ、大声を上げた。それだけで周囲が風に包み込まれ、爆ぜるように吹き飛んでしまう。意思を持った災害のように飛び回るシアだったが、彼女の心が晴れることは無かった。





『僕は、シアさんに出会えて……本当に良かったよ』





(……………………消えて、よぉ…………)





 泣きそうな顔で、全てを吹き飛ばす『絶風』。全てを拒み、憎み、彼女は四天王となった。絶望に染まった彼女と、一人の男の物語。




 紐解く存在は、まだ弱すぎる。



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