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偽勇者は世界を統一したいのです!  作者: 冥界
第十九章 『幼き四天王、運命の呪縛』
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第百三十五話 『共に未来へ』

 今回も、気を失った。何かある度、クロノは気を失っている気がする。最早恒例行事となりつつあるが、今回は後方に何かが着地する衝撃音で意識が覚醒した。




「…………何事……?」




 ギシギシと悲鳴を上げる体を何とか操り、クロノは後方に目を向ける。完全に振り向く前に、背中を支えていた何かが立ち上がり、クロノは後ろに倒れこんだ。




「ぎゃあああっ!?」




「……ごほん! セシル達が合流したみたいだよ」




 僅かに慌てたアルディがクロノに手を伸ばす、その手を取り、何とか立ち上がった。顔を上げると、息を切らしたセシルがそこにいた。




「セシル! ……無事だったか!」




「……当然だ、馬鹿タレ」

「何だ貴様、他人の心配をしている割に随分ボロボロだな」

「どうせまた無茶をしたのだろう、アルディに迷惑もかけたのだろう」

「全く呆れて物も言えん……何だ? 貴様は傷付く趣味でもあるのか?」




「通訳するとねぇ? 心配したんだから! この馬鹿! って言ってるよぉ」




 フヨフヨと近づいてきたエティルだったが、またいらない事を口走り始めた。ニヤニヤとしていたエティルが、セシルの尻尾に疾風の速さで殴り飛ばされた。



「ひにゃあああああっ!」



「キャッチ……」



「あぅ、ティアラちゃんありがと……」



「……アンド……リリース……」



「なんでーーーーっ!?」



 殴り飛ばされたエティルをティアラが受け止め、そのまま後方に投げ捨てた。



「何してるんだお前等は……ってうわぁ!?」



「はっはぁっ! 契約者! また面白そうな事しやがってよぉ!」



「フェルド!? 熱い! 肘の部分燃えてる!!」



 呆れていたクロノにフェルドが飛び掛る。勢いよく首に腕を回し、何やら機嫌よさげに笑っていた。



「一晩見ねぇ間に、随分心が落ち着いたなぁ?」

「ズリィなぁアルってばよ! 抜け駆けじゃねぇのこれ?」



「人聞きが悪いなぁ……僕だって契約者を護るのに必死だったんだよ?」



「ほーん……それはあれか? あそこで人間に擦り寄ってる狐からか?」

「……あのチビが四天王っぽいな、実際目の前にいねぇと信じらんねぇが」



「見ただけで分かるのか!?」



 何故か真っ白になっている暦に、これ以上ないほど懐きまくっている子狐。フェルドは一目で、茜を四天王だと見破っていた。



「クロノー、見くびって貰っちゃ困るぞ」

「俺はサラマンダー、ティアラと同じく心の力を司る精霊なんだぜ?」

「見りゃ分かるさ、あのチビに宿る……もう一つの力がよ」

「ありゃぁ……狐憑きか」



「朧の力を、霊体として宿してるらしいよ」



「……そっちは色々あったっぽいな?」

「詳しく聞こうじゃねぇか、面白そうだしな」



 こちらもすぐには動けそうにない、一度情報を整理したほうがいいかも知れない。クロノは現状の説明をしようとしたが、すぐ隣にセシルが尻尾を叩きつけてきた。




「ひぅ!?」




「こちらは一晩、森を彷徨っていたのだ」

「腹が減った、飯を作れ」

「貴様の荷物だ、運んでやった、礼を言え」



 投げつけられたリュックを両手で受け止める、何故かセシルの機嫌が悪い。目すら合わせてくれなかった。



「おいこらひよっこ、どうして素直に心配してたって言えねぇんだテメェ」

「しまいにゃ逆切れか? クロノだって気にしてねぇって」



「……っ! うるさいっ!」



「はいはーいセシルちゃん、お腹空いて機嫌悪いんだよねー」

「心配なんてしてないんだよねー、分かったー分かったよぉー」



「その棒読みをやめろっ! 焼くぞっ!」



「もう、面倒、くさい……お子様に、構ってる……時間、ない」



「ティアラに言われちゃ、おしまいだね……」



 この騒がしさすら、既に懐かしい。クロノは笑顔でそれを受け止めていた。



「ははっ……賑やかなのは、良い事だよな……」

(左腕上がらないんだが、どうやって飯作ったものか……)



「おい! クロノ!」



「? なんだセシル、飯なら今作るから……」



「…………怒っている、か?」



「へ?」



「私が貴様を落としたせいで、分断された」

「……怒っているか」



 まさか、その事を気にしているというのか。クロノからすれば意外である。いや、それも差別になるのかもしれない。セシルだって、心配くらいしてくれるだろう。もし一晩中心配してくれていたのなら、それはありがたいし、不安にさせて申し訳ないとも思う。




「……全然気にしてないけど?」




 笑顔で、そう答えた。勿論、純粋に嬉しかったのもある。



「………………」

「~~~~~~~~~~~~~~っ!」

「ああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」



 絶叫と共に、セシルはヴァンダルギオンを後方に叩き降ろした。その衝撃で、地面が割れる。



「……え、なんで……」



「昔のセシルに戻りつつあるな、あーゆうとこは」



「素直じゃないねぇ」



「不器用なんだよ」



「子供、だね……」



 何故か納得してる四精霊だったが、あれがセシルの普通なら、取り繕った物で構わないから、クールなままでいて貰いたい。申し訳ないが、あれを抱え込む器量はクロノにはまだ、ない。




(……殺されかねない……)




 あの状態のセシルと常に行動を共にしていた昔の仲間達に、興味と尊敬を抱くクロノだった。



























「なるほど……中々面白いじゃねぇの」



 状況整理と説明を兼ねて、クロノ達は食事休憩を取っていた。ちなみに食事はクロノが殆ど右手一本で作り上げた。



「このサンド、イッチ、……美味しい……」



「味が薄いな」



(右手一本で作れた……精霊法スゲェ……)



 風やら水やらを操って、クロノは料理を完成させたのだ。自らの成長を感じる一方で、間違いなく成長の方向性が間違っている気がする。



「しかし、マジでそこのチビが四天王なのな」



「チビじゃないもん~!!」



「茜ー! 仲良くしなさいー!」



「……そこの、人は……男には、見えない……ね」



「ゴファ!」



「巫女様ー!」



 ティアラの歯に衣着せぬ一撃が、暦の胸を抉り抜いた。



「……セシルは知っていたんだろう? 茜ちゃんが子狐だって」



「まぁな、一度魔王城で出会っているからな」



「もう少し、詳しく話しておいて貰いたかったよ……」



「私も、朧の力を霊的に宿しているとは知らなかった」

「断っておくが、私は他の四天王について知らん事の方が多い」







「それは、私達も同じ事ですがね」








 食事中のセシルの背後に、九曜が飛び降りてきた。



「……『霧の隠れ道』の中にいた八尾か」

「連れが世話になったな」




「どこかでお会いした魔物と思ってはいましたが……」

「以前、魔王城でもお会いしていましたね」

「『氷装』の霧雨を叩きのめし、四天王に名乗りを挙げた幻龍……貴女でしたか」




「すまんな、私は貴様の事を覚えていない」

「魔王城を飛び出した時は、他の事で頭が一杯だったのでな」

「随分小さな四天王だな、と思ったのと……隣に腰巾着がいた事くらいしか思い出せん」




「口が達者な小娘さんだ……人間と行動を共にしている四天王など……立場を理解していますか?」




「そっくりそのまま言葉を返そう、そこのチビの教育上……放置していていいのか?」




 空気が重い……目も合わせていないが、殺気がぶつかり合っているのがクロノでも分かった。



「……セシル」



「……チィ……そんな目で見るな」



「九曜! 喧嘩駄目だよー!!」



「……はぁ……」



 空気が一気に軽くなった、互いに肩の力を抜いたらしい。



「止めましょう、この話は」

「今の四天王に……ハッキリとした決まりなどありはしないのです」



「同感だ」



「……? それってどういう事ですか?」



 九曜は一瞬、話すべきか迷ったような表情を浮かべた。だが、クロノをチラッと見た後、ゆっくりと腰を降ろした。



「今の魔王様は……何を考えているのかサッパリです」

「力は相応の物を宿していても、コントロールが出来ていない茜様を……四天王の座に座らせたり……」

「行き過ぎた行動を取る同胞を、無視していたり……」

「意図が、読めません」




「今の四天王は、魔王であるエフィクトの手を完全に離れ……ほぼ自由に泳ぎ回っているからな」

「そこのチビは勿論……私やシアも好き勝手各地を巡っている」

「魔王直属の最強戦力は、現状3名が城を留守にしているわけだ」




「エフィクト君……どうしちゃったのかなぁ……」




「今の魔王様は、種の長達に何の命も出していません」

「ただただ……魔王城に閉じ篭っています」




「そんなんで……大丈夫なのか?」

「人間の俺が言うのもおかしいかもだけど……勇者が攻めたりしたら……」




 多くの勇者は、その名を良い様に扱い楽をするような輩だが、一部の者は違う。打倒魔王の為、魔王城を目指す勇者も数多く存在するのだ。




「それについては……心配は無用でしょう」

「四天王最後の一人……『変幻』のイコージョン・ディムラが、魔王城……及びウェルミス大陸を守っています」

「彼の強さは、現在の四天王の中でも飛び抜けています…………人間にどうこう出来る物じゃない」




「一瞬交戦したが……なんなのだアレは」




「さぁね……今の四天王は殆ど最近移り変わった者達ばかり……」

「互いが互いを知らぬのが、現状ですよ」




 魔物達にも、色々と問題があるようだ。特に、魔王の意図が読めないのは……どこか不気味な物を感じる。



「いいのか貴様……一応四天王の側近だろう」

「この馬鹿タレは人間……人間に魔物側の事情をペラペラと……」




「その人間と行動を共にしている、貴女には言われたくないですね」

「……いいんですよ、別に私は人間を敵視してませんし」

「話した通り、魔王様からの命令もありませんしね」



 そう言いながら、九曜は暦にベッタリの茜に目を移す。



「人の存在が、茜様を支えてくれるなら……私は人だろうが守りますよ」

「私は魔王様に忠誠を誓ったわけじゃない……私の主は、茜様だ」

「茜様が幸せになる為なら、何者であろうと守り抜きましょう」




「……九曜さんは、良い魔物なのか?」




「さぁね、少年にはどう映りますか?」

「……狐の一族は、遠い昔から……人の巫女と生きてきた」

「人と共にいる事に、慣れているだけですよ」




「理由がどうであろうと、共存を目指す俺にとって……九曜さんや茜ちゃんは嬉しい存在だ」

「……信じてくれて、ありがとう」



 茜が正しく生長してくれれば、人と仲良くしてくれる四天王になる。その存在は、クロノの夢の大きな助けになってくれるだろう。それ以前に、茜は暦とずっと仲良くしていて貰いたい。



「……そこの幻龍の娘さんや、茜様と違い……他の2名の四天王は甘くない」



「……先ほどのような無茶をすれば、命が幾つあっても足りませんよ」



 そう言いながら、九曜は右手をクロノに向けてきた。暖かい魔力が伝わり、九曜に切り裂かれた箇所の痛みが薄れていく。



「これ……」




「治療の術は、あまり得意ではないのですが」

「応急処置くらいなら出来ます」

「……立場上、あまり応援は出来ませんが……君と精霊の行く末の、助けになれば幸いです」



 体中の傷が塞がり、痛みも随分楽になった。九曜が見せてくれた笑みは、とても優しい物だった。




「あ、あり……ありがとうございますっ!」




「今の魔王様を信じるくらいなら、君に賭けた方が茜様の為になりそうだ」

「私個人、そう思っただけですよ」




「良い調子じゃねぇのクロノ! ついでに例の件も頼んでみたらどうよ?」



「? 例の件?」



「クロノ……フローに……殺される……」



「!!?」



 完全に、頭からすっぽ抜けていた。



「……例の件とは?」



「あ、えっと……その」



「実はねーっ!」



 またこの風の精霊は……空気を読まずに余計な事を……。結局クロノが止める前に、包み隠さずエティルが喋ってしまった。



「……大それた事を……」

「すいませんが……流石にその大会云々には協力出来ませんよ」




「ですよねー……」



 八尾の九曜に、四天王の茜を大会に出場させるなど……流石に無理があった。落ち込むクロノだったが、話を聞いていた茜が首を傾げた。



「お祭りー?」



「すっごい大きなお祭りだよぉ!」



 エティル、もうお願いだから黙ってくれ。



「……楽しい?」



「勿論! あたし達が盛り上げるからね!」



「僕ね、たまにエティルがわざとやってるように思うんだよ」



「ふえ?」



 アルディがエティルを制したが、時既に遅すぎる。茜は瞳をキラキラさせ、九曜に視線を送っていた。



「九曜! お祭り!」



「駄目です」



「楽しいって! お祭り!」



「『人』の催し物です」



「ちっちゃいお姉ちゃん、人魔混合って言ったもん!」



「…………」



 九曜が物凄い目で睨んできた、クロノは咄嗟に目を背ける。



「……駄目です」



「……行きたい」



「駄目です、却下です、許しません、諦めてください」



「……うぅ~~!」

「巫女様~~!」



「ここで私かー……」



 暦の目から、また光が消えた。



「狐の女装巫女、分かっていますね」



「あ、茜!? 九曜さんもあぁ言ってるしさ!」

「九曜さん茜のお願い一つ叶えてくれじゃん? 私と一緒に居ること許してくれたでしょ?」

「ね? 我侭は一つだけ! 茜はいい子だから分かるよね?」



「……うえぇ……」



「あ……」




「行きたいー! 行きたい行きたい行きたい行きたいのー!!」




 茜が泣くと同時、また半透明の尾がその存在を主張してきた。その瞬間、辺り一帯が大きく揺れた。




「な、なんだぁっ!?」




「……せっかく修正した『霧の隠れ道』が……また乱れたようです……」

「少年、今君に殺意が湧きました」




「心の底からごめんなさい!?」




「巫女様ー! 行きたいよぉー!」




「これ以上私にどうしろと!?」



 これ以上泣かれると不味いと思ったのか、九曜が頭を抱えながら茜の頭を撫でた。



「……尾も隠せぬ茜様が、人の国へ赴くのは無理があります」

「祭り事まで五ヶ月以上の時があります、茜様……どうしても行きたいのですか?」




「行きたい……行きたい!」




「では、今日より真面目に修行をしてください」

「尾と耳を隠せるよう、最低限の人間化が出来るよう……私が教えますから……」

「それが出来たら、許可してもいいですよ」




「……! やる! やるやる!!」




「茜様の才能なら、すぐに出来る筈です」

「……頑張りましょうね」

「それと……当然ですが修行中は巫女、貴女も同伴です」




「はいぃ……」




 項垂れる暦に、申し訳ない気持ちが溢れてくる。物凄く気まずくなり、クロノはゆっくりとその場から離れようとする。



「少年」



「すいません!?」



 条件反射で謝ってしまうが、振り返った九曜の表情は真面目な物だった。



「大会出場者を探しているなら、心当たりが一つあります」




「へ?」




「君が『霧の隠れ道』の歪みで飛ばされたここは、ジパングの外れに当たります」

「ここから少し南に歩けば、ジパング地方から出られるでしょう」

「ジパングから出てさらに南に向かえば、ミノタウロス族の住処がある」




「ミノタウロス?」




獣人種ビーストの中でも強靭で血の気の多い種です、打って付けでしょう」

「それに、ミノタウロスの長に関する変わった話も聞いたことがありますし」




「? 変わった話って……?」




「人に捨てられた子を育てたとか、なんとか……そんな話を数年前に聞いたことがあります」

「……面白そうじゃないですか? 行くかどうかは君に任せますが」



 ミノタウロス族に育てられた、人間の子……興味が無いと言えば、嘘になる。



「……行ってみますっ!」



「そうですか、ご武運を」



 次の目的地が決まった、目指すはミノタウロスの住処だ。

































 クロノが気合を入れ、次の目的地を決定している頃……そこから南に進んだ場所で、巨大な岩が砕け散っていた。





「外したー!!」





 少年が軽やかに砕けた岩から飛び出した。両手で着地し、足の裏を合わせ、岩の破片を落としていく。



「無駄な動きが多すぎる、だから獲物に逃げられるんだ」



「ヘンッ! 次は仕留めるさっ!」



 そう言って少年は体勢を整える、少年の目線の先には、大きなイノシシがいた。



「うりゃあああああああああっ!!」



 一歩の踏み込みで急加速した少年は、イノシシ目掛けて蹴りを放った。イノシシは寸前でそれを避けたが、地面に大きな亀裂が入る。



「また避けるしーーっ!!」



「だああああもう! 面倒くさいっ!!」



 地面に突き刺さった足を、蹴り上げるような動きで引っこ抜く少年。自分の足と共に地面から剥がれた岩を片手で支え、軽々とイノシシ目掛けてぶん投げた。



「ぬおりゃあああああああああああっ!」



「ピギイイイイイイッ!?」



 イノシシの身体が小石のように弾かれ、そのまま地面を転がっていく。



「よっしゃっ! タロス! 見たか! 俺が仕留めたぞ!!」



「雑だ、未熟者が」



「褒めろよー!!」



 動かなくなったイノシシを片手で持ち上げ、ミノタウロスの男はスタスタと歩き出す。少年も慌ててそれに続いた。



「俺強くなったよな! な!」



「その言葉が既に未熟者の台詞と、いい加減に気がつけ」



「ぐぬぬ……絶対強くなったって!」



 人か、魔物か。


 次の舞台は、既に整っている。



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