プロローグ
この部分は読み飛ばしてしまっても結構です、本編は次話からどうぞ。
さて、物語を語る前に君達に一つ問おう。
君達は世界中の生きとし生ける者全てが、争いも無く、皆仲良く、平和に暮らせると思うだろうか?
多くの者が首を横に振るだろう、世の中はそんなに簡単でも、甘くも無いのだ。
それに加えて、この世界には君達のような人類以外の種族も存在している、君達の言葉で言うのならば亜人・魔物・妖怪といった類の存在がだ。それらの生き物は突然生まれたわけではない、人が存在した時にはすでに『彼ら』は存在したのだ。
当然の如く共存など夢のまた夢……。身体能力や魔法の扱いなど、あらゆる分野で不利な人類は、平和とは程遠い扱いをその歴史に刻むこととなるのは、必然でもあった。人の王は、魔物と戦う覚悟を示す者に勇者の称号を与え、勇者は各々の思いを胸に魔物との戦いにその身を投じた。
ある者は富を、ある者は名声を、またある者は復讐の為に勇者として名乗りを挙げた。
平和や共存とはかけ離れた、この多種族間の争いは数百年、数千年と続いてきたと言われている。これがこの世界……盤世界の有り方であり、この有り方が一番正しいと誰もが思い込んでいた。
……しかし、この物語の主人公はその有り方に疑問を抱いているようだね。
面白い、時代に変革をもたらす者は決まって『変人』だ。
世界に刺激を与えるに足る人材かは些か疑問は残るが……。
僕も君らと共に彼の冒険を見守って見るとしよう、新しい物語の始まりだ。
かなりの長編を予定してますが、お付き合いいただけたら幸いです。




