第四話 夏休みの安寧Ⅳ――逸脱し始める日常
頭が重たい。
気を抜くと目蓋が再び落ちてしまいそうだ。
早起きはあまり得意な方ではない。まだ布団の柔らかな感触に身を埋めていたい。緩やかで心地のいい微睡みの中で堕落的に惰眠を貪っていたい。
そんな浅ましい欲ばかりが起きる直前の勇麻の脳を支配するのだ。その感覚が堪らなく嫌いで、だから勇麻は早起きは得意では無い。
慣れない事をしたせいで、身体が悲鳴を上げているのが分かる。
けれどもそんな苦痛も、視界一杯に広がった朝焼けの前に全てどうでもよくなってしまう。
「……」
闇を照らす一筋の光の束は、だんだんと勢いを増し、やがて優しい光で街全体を照らしていく。
建物の窓が日の光を反射し、キラキラと自らの存在を示している。
勇麻は目を細めながらも、一日の始まりを告げる光の乱舞を目蓋の裏へ刻みつけた。
身体中の疲労や悩み、その全てが、眩くもどこか優しい輝きの中に溶けていってしまいそうだ。
いつまでもこの時間が続いて欲しい。そんな気持ちにさせられる光景だった。
朝日がようやく地平線の向こうから顔を出した頃、勇麻は『東ブロック』にある襲撃された施設の一つに来ていた。
確か、博物館と美術館が混ざったような、少し特殊な施設だったと思う。
理由なんて特にない。
朝の散歩の延長線上だ。
「この場合、自転車で来たんだから散歩じゃなくてサイクリングか」
襲撃犯によって荒らされる事のなかった駐輪場に弟の私物と化した自転車を止め、大きく伸びをした。
身体をおもいっきり逸らし、気分をリセット。
「よし」
スイッチを入れるようにそう呟いた。
頬を両の掌でパシっと叩き、気合いを入れ直して眠気を飛ばす。
自分でもどうしてここにいるのかよく分からないまま、勇麻は立ち入り禁止のテープを越えていく。
割れた窓ガラスを乗り越え、抉られた床に降りたつ。
何もない。空虚な部屋だった。
やはり展示品はどこかに運び出された後らしく、館内には何もない。
そのせいだろうか、本来所狭しと展示品が並んでいるハズの館内はやけに手広く感じてしまい一抹の寂しさすら覚える。
電気は止められ、冷房などかかっていないのに、肌寒いように錯覚する。
勇麻はぐるりと辺りを見回して、やはりその壁に大きな刀で切り裂かれたような傷跡を発見する。
勇麻は壁際まで歩み寄り、その大きな爪痕に触れる。
「……」
勇麻の顔が少し険しくなり、傷に触れる手に自然と力が籠る。
自分の中に渦巻く嫌な妄想は振り払おうとすればするたびに、より強力な物となって返って来てしまう。
ここに来ればこうなる事は勇麻自身分かっていたハズだ。
それでも、どうしても何か行動していないと落ち着かなくて、気がついたらこの場所に足を運んでいた。
なぜこんな場所に来てしまったのだろうか、そんな後悔で胸が満たされていく中、不意に後方から靴底が床を打つ音が聞こえてきた。
「誰だ!」
警戒心も顕わに勢いよく後ろを振り向いた勇麻の視線の先には、一人の若い男が立っていた。
「ああ、すまない。驚かせてしまったかな? ……そんな顔をしなくても大丈夫だ、こんな所にいるが、別段不審者という訳ではない。それに、そんな事を言い始めたら君だって十分に怪しい人物のカテゴリに含まれてしまう」
美形の男だった。
歳は二〇代半ばくらいだろうか。
黄金のように輝く金髪は、うなじ辺りまでの長さで整えられている。エメラルドのような美しい碧眼。冗談のように整った目鼻顔立ちはまるで、おとぎの国に出てくる王子様のようにも見えた。
モデルのような高身長のその男は、ヤクザの着るような純白のスーツに身を包んでいたが、その身から滲み出る高貴なオーラが、純白のスーツの持つ物騒なイメージを完全に打ち消してしまっていた。
美形の男は、とろけるような甘い微笑を勇麻に向けると、落ち着きのある低く美しい声で、
「君も、この場所にはよく来るのかい?」
「え、あ……いや、その」
唐突な質問に勇麻が答えられないでいると、美形の男はその顔に甘い微笑を湛えたまま、勇麻のすぐ隣にまで歩み寄ってきた。
革靴の底が床を鳴らす。
美形の男は傷だらけになってしまった大理石の壁に手を伸ばして、
「私はね、ここに飾られていたある絵画が好きだったんだよ。別に特別美しいとか、特別な価値がある代物だった訳ではないのだけれど、何故か毎日見ていても飽きないような、そんな不思議な魅力を秘めていた絵だった。……いや、もしかしたら私はこの空間含めて、あの絵が好きだったのかもしれないな」
男はどこか憂いを帯びたような声色でそう言った。
どうやらこの男は、自分の好きだった展示品がこの場所から無くなってしまった事を悲しんで、ここを訪れたようだ。
勇麻とは違い、ただ起きた事件を悲しみ、思い出に触れる為にここへやってきたのだろう。
「……は、はぁ。え、ええと。アナタはよくここにいらしていたんですか?」
「ああ。そうだとも。少なくとも君のように初めてここに来る訳ではないさ」
そう言いながら品定めするような視線を送られ、理由は分からないが背筋に悪寒が走る。
思わず飛びあがりそうになってしまうのを懸命に堪えながら、勇麻は美形の男の視線から逃れるように目を逸らす。
ついでに、自分が招かれざる侵入者である事がばれているのが居心地悪くて、勇麻の口から出る言葉もどこか乾いた物になってしまっていた。
「ははっ、バレてましたか……」
「何となくそう思っただけだ。別に私がそういう類の力を持っているという訳ではない。それに君がここに来た目的とも、私は何の関係もない」
「ええっと、一体何を言って――」
「そもそも君と私とがこのタイミングで邂逅する事など本来ありえない事だった。何者かが、意図的に今現在のこの『世界』を捻じ曲げようとしているようだな。本当なら私も助太刀に加わりたいのだが……さっきも言ったように、本来君と私とはまだ出会うべきでは無いようだからね。そういう訳にもいかないんだ」
唖然とする勇麻を置いて、美形の男は意味の分からない事をスラスラと述べていく。
何を言っているのかは理解できないが、この男が博物館襲撃事件について何らかの情報を握っているのだろうという事くらいは推測できた。
場の空気が変わり、勇麻の額を一筋の汗が流れていく。
勇麻の頭は、冷たい冷水を掛けられたように瞬時に冴えわたる。
美形の男はボロボロに抉られた大理石の壁から手を離して、
「でも大丈夫だろう。君もなかなか面白い『力』を持っている。今回の敵くらいなら私が手を貸すまでも無いだろう。『世界』を歪めようとしている人物を見つけ出し、君自身の手で何とかしたまえ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! アナタは一体何の話をしているんだ!? 何をどこまで知っている! おい、答えてくれ!!」
その場を離れようとする美形の男を留めるように、勇麻は必死に叫んだ。
その思いが通じたのか、美形の男はこちらを振り返って――
「言っただろう。本来私達は出会うハズでは無かった、と。今回の出会いは一部の歯車が狂っておきてしまったバグでしかないんだ。本来、問いかけられてもいない問いの答えを答えられる人間なんていない。だからその問いに対する答えを私は持ち得ない」
「知らねえよ! こっちは頭の中パンクしそうだって言うのに、いきなり現れて訳の分からん事をペラペラペラペラとくっちゃべりやがって! 少しだけでいい、知っている事を俺に教えやがれ!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶ勇麻の必死な姿を見て、何かを感じたのか、美形の男は少し申し訳なさげな口調で、
「……なるほど、それは済まない事をした。確かにいきなりこんな事を言われても混乱するだけで、なんの解決にもならない。お詫びと言ってはなんだが、私が邪魔をしてしまった分に関してはある程度の責任は持つとしよう」
「……それは、どういう――」
相変わらず何を言っているのか分からない美形の男の言葉に首を傾げる勇麻。
そして次の瞬間、美形の男はその顔に浮かべる笑みを深めて――
「――『物語設定』。君と私は今日、ここで出会う事はなかった――」
☆ ☆ ☆ ☆
「――あれ?」
東条勇麻が目を覚ますと、そこは見慣れた学生寮(という名のマンション)のリビングだった。
確か昨日は家に帰ると既に勇火がソファの上を占領していた為、床の上にうっすい布団をしいて眠ったのだ。
それがどういう訳か、布団も何もないフローリングに直寝をしていたらしい。
びきびきといつも以上に痛む身体を起こして、辺りを見渡してみると、時計の針は七時を少し通り過ぎた所だった。
「んー、なんだかなー」
いつも以上に、それこそまるで靄がかかったようにぼんやりする頭を横に振りながら、東条勇麻の一日が幕を開けた。
そう。今日はなんて事のない夏休みの一日だ。
横を見れば、ソファの上で弟の勇火が薄い毛布にくるまって寝息をたてている。
きっと寝室ではアリシアもまだ、夢の中にいるはずだ。
勇麻はそんな事を考えて、少し口元を緩めると、意志力を振り絞って布団の中から脱出した。
アリシアと勇火が起きる前に、朝食の準備をしなければならないからだ。
今日も今日とて、いつも通りの朝の時間だ。
そう、いつもと同じ。変化なんてどこにも無い。
なのに、
(何か、大切な事を忘れてるような……いやでも、そんな大したことじゃ無かったような……)
何か引っ掛かりを覚えて、唸りながら首を捻る勇麻。
けれども結局、勇麻が引っ掛かりの原因に辿り着くことはなく、
「勇麻ー。お腹が減ったのだー」
寝ぼけ眼をこすりながら金髪碧眼居候少女のアリシアがリビングに顔を出してきた。
パジャマ代わりのブカブカのジャージは肩からずり落ちて、色々際どくなってはいるが、もうこの光景にも慣れている。
これくらいで動じる東条勇麻ではない。
「お、今日はやけに早起きだなアリシア」
「うむ。というか、早起きしたのは勇麻の方だろ?」
「そうか? 俺はいつもこれくらいの時間だけど」
「む、そうだったのか。それは驚きだ。勇麻は毎朝早起きなのだな」
「?」
何だか会話が噛み合ってない感があるが、朝の準備に追われる勇麻に、そんな事を気にする時間はなかった。
勇麻が覚えた引っ掛かりのような違和感も、アリシアとの会話の中で、いつの間にか時間の波に流されるようにして消えていったのだった。
「それはそうと勇麻」
「何だよ唐突に」
朝食を食べ終えて、本日の洗い物担当である勇麻は食器をバシャバシャと洗っていた。
その手つきは手慣れた物で、お嫁……もといお婿に出しても恥ずかしくないレベルである。
アリシアはテレビの前にかじりついて朝のニュース番組を眺めながら、
「うむ。それがだな、勇麻。なにやら『背神の騎士団』のお偉い方がお主達に会いたがっているようなのだぞ。そういう内容のメールが来ていたのだ」
「背神の騎士団が? 何でまた急に」
「私も理由は聞いてないが、おそらくこの前の件なのではないのか?」
アリシアが言っているこの前の件とは、まず間違い無く黒騎士の件だろう。
というか、それ以外で都市伝説で語られるようなおっかない組織の方々と関わり合いになる用な機会など、東条勇麻の人生に一度も無いはずだ。
……できればその一度も無くて良かったのだが。
アリシアの言葉をソファの上で聞いていた勇火が口を挟む。
「でも、この前の黒騎士の件については、アリシアちゃんが俺らを監視するって結論に収まったんじゃないの? それにあの事件の詳細なら、兄ちゃん達がやり合ったっていうカルヴァートさんって人から聞いてるだろうし……。色々タイミングがおかしくない?」
「む……。言われてみれば確かに」
表情を変えぬまま、口元に手を当てて思案顔のアリシア。
むむむと唸り続けてはいるが、特に考えが浮かぶ訳でもないらしく、結局興味はテレビの中のニュースキャスターへと逆戻りしている。
色々適当過ぎる監視役に勇麻は呆れたように息を吐くしかない。
「……で、結局俺はどうすればいいんだ?」
「別に明確に敵対してる訳じゃないんだし、行ってみればいいんじゃない?」
「いやね、お前はアイツらとガチでやり合ってないからいいんだよ。考えてみろよ、俺とか泉とか割と本気で殺しあってたからね。かなり気まずいわ。それに色々と合わせる顔もないし……」
「そんなに気にしてるなら、いっそのこと会いに行って謝ってくればいいじゃん」
「それは……そうなんだけど」
謝ると言っても、やはり気まずい物は気まずい。
何せあれだけ自分勝手に暴れまわって、彼らの事を邪魔した挙げ句、戦いの途中で戦意を失い、自分が助けるハズのアリシアに助けられたという、凄まじくマイナスな活躍をしたのが前回の東条勇麻だ。
ほぼ一〇〇パーセント自分が悪いということは分かってはいる。
きちんとした形での謝罪もしたいと思っている。
だがそれ以上に、合わせる顔がない。
結果的には丸く収まってはいるからまだいいが、危うく全てをぶち壊しかけた愚か者の顔なんて、誰だって見たく無いハズだ。
だがそれでも、
「はあ。……それじゃあ、いっちょ覚悟決めるか……」
つけなければならないケジメというやつもある。
「あと、問題は泉か……」
「いやぁ、泉センパイは大丈夫でしょ。そういうのそこまで気にしてないと思うんだけど。むしろ、背神の騎士団のトップ辺りに喧嘩をふっかけないかが心配」
☆ ☆ ☆ ☆
勇火の予想通り、泉は二つ返事で行くことを了承した。
アリシアからの指示で一行が向った先は『西ブロック』の外れの方、『南ブロック』との境目にある第三エリア内の空き倉庫の内の一つ。
そもそも『西ブロック』は家族向けの施設の多い地域なのだが、観光客向けの『南ブロック』との境目であるこの場所には、さまざまな資材や食品、輸入物資などが一時的に集められる場所がいくつか存在する。
勇麻たちが向っているのはその一つだ。
ちなみにアリシアはお留守番なので、ちゃんと道を分かっている人間は一人もいない。
スマホの地図アプリ頼みだ。
電車とバスを乗り継いで、近くまで行きしばらく歩き続ける。
頭上の太陽は燦々と輝き、照りつけるような殺人光線が勇麻たちに降り注いでいる。
最近は天気の悪い日も多かったので、こうも馬鹿みたいに暑いのは久しぶりかもしれない。
歩いているだけで汗が滝のように噴き出してくる。
やがて景色が住宅地から大きめの工場施設、それに建築資材置き場などに切り替わってゆく。これは『南ブロック』に港や空港が集められている影響だ。
基本、観光客向けに造られている『南ブロック』の中心地に、輸入物資や資材を置いておく訳にもいかないので、こうしてブロックの端っこの方や境目に集められているのだろう。
目的地である空き倉庫の乱立する場所も、この一帯にあるらしい。
「おい勇麻」
「なんだよ泉、忙しいんだから後にしてくれよ。それとも地図係交代するか?」
じゃんけんに負けて地図係となった勇麻は、嫌そうな顔でそう答えると、返す言葉ですぐさまそれを泉に押し付けようとする。
「いや、その地図係はお前がやるからこそ輝くんだ。って事でお前がやれ」
「どういう意味ですかね、それは……」
「あ? あれだよ、別にそういう雑用みたいに地味な仕事が似合うなー、とか俺全く思ってないから。大丈夫安心しろ便利係」
「含み笑いをこらえながら言われても全く説得力がない! それと最後の! 人の事を完全に馬鹿にしてるよね!?」
勇麻の絶叫にも泉は知らん顔だ。
並んで言い合いを続ける二人の一歩後ろを歩く勇火は、いつも通り過ぎて緊張感の欠片も無い二人を見て軽く溜め息を吐くと、
「まあまあ、兄ちゃんも落ち着いて。兄ちゃんが皆から馬鹿にされるのは割といつもの事だし、相手は泉センパイだよ? それくらいでいちいち怒っててもキリないって」
「それフォローになってなくない!?」
「おい勇火、テメェさりげなく俺の事もディスってるよな? それ」
「さあ? 何の事だかさっぱり分からないですよ」
勇火は素知らぬ顔でそっぽを向くだけだ。
周りの人間全てが敵である、という極限の状況に勇麻が戦慄を覚えていると、
「てかさ兄ちゃん」
「なにかね弟よ」
「その口調は一体……まあいいか。そんな事よりさ、もうそろそろなんじゃない」
「……何が?」
勇火は、何の事だかさっぱりという顔をしている勇麻の様子に本気で呆れたように息を吐くと、
「アリシアちゃんが言ってたこと、もう忘れたの? ある程度まで近くにいけば『背神の騎士団』の人が迎えに来てくれるって」
勇火の言葉に一瞬の不自然な間があって、
「……あ、あーあれね。覚えてる覚えてる。すっごい覚えてたよ、もう。本当に」
「兄ちゃん、顔に出過ぎ。嘘付くの下手くそかよ……」
勇火が溜め息交じりで追い打ちをかけ、
「おい、俺はこのアホからそんな事一言も聞いてないぞ」
今回の件の説明を勇麻からの電話で知らされた泉が、そんな風にトドメを刺した。
年下の弟からの呆れたような視線と、友人からの非難の視線を背中に浴びつつ、周りからの集中砲火にどうにか耐える勇麻。
そんな精神的割と崖っぷちに立たされていた勇麻を救ったのは一人の人物の声だった。
「失礼、アナタが東条勇麻さんですね?」
問いは山積みにされたコンテナの陰から、こちらに歩み寄ってくるその声の主は、唐突にそこに現れたとしか思いようがなく、
「遅くなって申し訳ありません。予想より到着が早かったので、こちらの用意に手間取ってしまいまして。……さて、アリシア様から紹介があったと思いますが、念の為」
声を発するまでなんの気配も感じさせないという事実が、この男が実力者であるという事を端的に表していた。
見た目だけで言うなら特に強そうに見えるという訳ではない。
身長は勇麻と同じくらいだが、線の細い身体をしていてどちらかと言えばインドア派っぽい印象を受ける。
適度な長さに整えられた黒髪も、ある程度整った顔立ちも含めて、集団の中で目立つ人間ではない事は確かだ。
黒系で統一された比較的地味目の衣服を纏った男――おそらく二十代後半あたりだろう――は、流れるような動作、丁寧な口調で腰を折り頭を下げると、
「『背神の騎士団』所属、戦闘員の黒米です。一応現在はアリシア様の護衛を務めております。以後お見知りおきを」
そう自己紹介をしたのだった。




