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神ナリシ模倣者ト神門審判  作者: 高木カズマ
第五章 引キ篭モリ聖女ト逃亡者ノ集イ旗
178/415

???

 ざ、ざざ……じじっジザザザザザザザッザザガガガガガガ……ツ――――




 ――おいおい、嘘だろ。まさか本当に死んだのか?

 

 ……あー、死んじまったみたいだな。

 まあ無理もないよ。心臓を握り潰されたら“人間”なんて誰だって死ぬさ。

 それにしても、いくら『神の子供達(ゴッドチルドレン)』が相手とはいえ、酷い負け方をしたものだな、勇麻。

 器としても中身としても中途半端で未完成とは言え、『希望の拳(ホープインハンド)』の本来のスペックならそう簡単に負ける相手でも無いだろうに……。


 さて、まあ今更何を言ったところで死んでしまった事実は揺るがない。往々にして、人生は取り返しがつかず、命なんて物はその最たる物だ。

 正義は常に悪に勝つ物だけれど。

 負けるのが常に悪だけとは限らない。

 今回の件が良い例だ。

 あの『神の子供達(ゴッドチルドレン)』の少女は決して悪じゃない。勿論、彼女と戦った東条勇麻も。


 ……いつかこんな話をしたはずだ。

 

 人には人の数だけの主義主張に考え方、好悪、正誤、善悪、正義、幸不幸がある。 

 相手の考えを変える事は難しいし、自分の考えを捻じ曲げるのも耐えがたい。互いの主張を理解することはできても、真の意味で賛同し許容する事は決してできない。それが人間って生き物だ。

 だから人々は争うし、世界に正義と悪が生まれる。

 相手に自分を理解してもらう事さえ難しいのに、個人の持つ一つの主義主張へ全を束ねるなど土台不可能だ。

 折り合いをつける為には、妥協点を探すか、多少手荒で強引な手段に訴えるしかない。


 今回も、ようはそういうお話。

 東条勇麻とクリアスティーナ=ベイ=ローラレイ。

 二つの正義がぶつかり合い、そして片方が敗北した。

 それだけの話だよ。


 そんな訳で東条勇麻の英雄譚ものがたりはこれにて終幕。

 英雄に憧れた少年の来世にご期待ください――


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