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神ナリシ模倣者ト神門審判  作者: 高木カズマ
第五章 引キ篭モリ聖女ト逃亡者ノ集イ旗
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第二十二話 混迷する流れⅢ――再会と合流の不協和音

「……お兄ちゃんっ子妹キャラ、ですって……!? 私とキャラだだ被りじゃない!?」

「和葉、心の声がダダ漏れっていうか、一ミリも被ってないから安心してぐふっ!?」


 事実を指摘したら脇腹を拳で小突かれた。

 一方的にライバル視されているらしいスピカは二人の馬鹿のやり取りに首を傾げている。

 この純粋無垢な真なる妹キャラとも言えるべきスピカに、自分を超絶美少女とか宣っちゃう系妹キャラである九ノ瀬和葉の勝ち目は皆無なのだった(勇麻談)。 


 今現在勇麻達は襲撃を受けた路地裏から少し離れた家屋の陰に腰を落ち着けていた。

 建物と建物の間、丁度住民達の心理的死角となるような位置にある場所だ。盗聴や尾行が無い事は、スピカの『音響領域アコースティカ・レルム』によって確認済みだ。


「……というか、マジで助かった。正直、今度こそ死ぬかと思ったよ」

「ううん、勇麻おにいちゃんが指笛で合図してくれなかったら気付かなかったもん。スピカの方こそありがとうだよー!」

「おぉ……お前はホントに良い子だなスピカー、このまま真っ直ぐ成長してくれよー」

「何でこっちをチラ見してくるのか説明して貰えるかしら。東条くん?」


 きゃっきゃ言いながらくすぐったそうに身を捩るスピカ。

 そしてスピカなでなでモードに入った勇麻をにっこり(悪魔の)笑顔で見つめる和葉。

 あまり弄り過ぎると後々の反撃が怖いので、この辺りで自重する事にしようと勇麻は誤魔化すように咳払いをしつつ視線を逸らす。

 そんな三人の緩んだ空気を読んでか読まないでか、一人表情を崩さぬままのレインハートが釘を刺すように口を開いた。


「悪ふざけはその辺りで。それで、そちらの方は……」

「……九ノ瀬和葉よ。東条くんに雇われた情報屋で、現在彼に絶賛協力中。怪しいと思うのなら、そちらのお馬鹿にも聞いてみたらどう?」

「ちょ、おま、和葉……?」


 つっけんどんな自己紹介に勇麻が面食らったように口を開ける中、レインハートはふるふると首を振って、


「失礼しました。貴方に名を尋ねておいて、こちらが名乗っていませんでしたね。私は『背神の騎士団(アンチゴッドナイト)』所属、レインハート=カルヴァート。同じく、この子はスピカ。私達は貴方を疑っている訳ではありません。むしろその逆です。こちらの失態により我々が東条勇麻と分断されていた間、彼の隣に居てくださった事を深く感謝します」


 深々と腰を折り曲げての感謝の言葉。

 だが、礼儀正しいを通りこした、いっそ機械的にも見える謝辞に、和葉はおもしろくなさそうに不機嫌気に眉根を寄せた。


「……やめて、あなたに感謝されるためにやった訳じゃないわ。お金にもならない押しつけがましい感謝は嫌いよ」

「……すみません、配慮に欠けた発言でした。謝罪します」


 ロボットのように無表情なレインハートの顔が、僅かに悲しげに歪むのが勇麻には分かった。

 彼女は喜怒哀楽のうち、喜びや楽しさ、嬉しいなどと言ったプラスでポジティブな感情の殆どをクライム=ロットハートによって強奪されている。 

 逆に言えば悲しみや怒り寂しさなどマイナスでネガティブな感情のみを彼女は感じてしまうのだ。

 彼女は微笑む事はできないが、悲しみに顔を歪ませる事はできる。

 だがその感情は、喜楽を持たないレインハートにとって心身に負担を掛けるストレスに他ならない。

 彼女の表情が変わらないように見えるのも、感情の半分を強奪されたのもあるが、陰に傾きがちな心の平静を保つ為というのも大きい。つまりは、自己防衛の一貫なのだ。

 そして普段はそのストレスの要因となる障害を出来る限り排除するように姉の前に立って振舞うのが、弟のレアード=カルヴァートだった。 


 だがここに彼はいない。

 生真面目なレインハートは自分より年下のスピカに背神の騎士団(アンチゴッドナイト)の代表者として部外者の和葉に対応させる事を良しとしない。

 他者とのコミュニケーションを苦手とする事を自覚しつつ、それでもレインハートは自らが矢面に立ってしまう。

 だが今回に関して言えば、それは悪手でしかなかった。

 表情一つ動かさない鉄仮面のように見えるレインハートに、和葉の苛立ちは最高潮に達して、


「だから……その欠片も気持ちの籠っていない謝罪が頭に来るって言ってるのが分からないの? だいたいあなた――」

「――和葉ッ!!」


 叫んで、少し後悔した。

 和葉が、驚き、裏切られたような顔でこちらを見ていたからだ。

 だがそれでも、ここでレインハートを助けるのは勇麻の役目だ。

 レアードを助けられる場に居合わせて、けれど間に合わなかった勇麻が背負うべき役割なのだ。


「……和葉、レインハートは……悪気があってそういう態度を取っている訳じゃないんだ。確かに、感情が顔に出にくいヤツだけど、馬鹿みたいに真面目で誠実なヤツなんだ。今の感謝だって、心からの感謝で……だから……それだけは分かってやってくれないか?」

「……、」


 和葉は何も答えない。

 不穏な空気を感じて、スピカもどこか元気なさげに、心配するように眉根を下げて勇麻と和葉の方へ顔を向けている。

 レインハートは相変わらずの無表情、親しくない者からすればその表情に変化は見受けられないように見えるが、決して何も感じていない訳ではないことを勇麻は知っている。


「……分かったわよ。こっちこそ、あなたの仲間を罵倒するような事を言ってしまってごめんなさいね」


 沈黙を破る溜め息を吐きながら告げられた言葉は、どこか他人行儀で投げやりに聞えた。

 それに謝罪の言葉もレインハート本人に対してではなく、あくまで勇麻に向けて告げられていた。どうやらそこが和葉が最大限譲歩した結果の落としどころだったらしい。 

 まるで不貞腐れた子供の形だけの謝罪に思えた勇麻は、らしくない程感情的になっている和葉に真意を尋ねようとして、


『――なあおい、もう自己紹介は済んだかぁ? いい加減に待ちくたびれちまったんだけどよぉ』 


 気だるげな退屈を含んだ、特徴的な巻き舌の粗野な声が、それを遮った。

 

「誰……!?」

「なっ、んだ!? この声、どこから……」

『ハッ、んな風にキョロキョロしたって見つかるかよぉ。女湯の覗きじゃねえんだ、声掛けられたくらいでビクついてんじゃねえ。もっと堂々としてろよぉい』


 粗野で下品な笑い声に、耳が疼くようだった。

 どこか老獪さすら感じさせる、若い男の声だ。

 しかし声の言う通り、どこを見渡しても声の主らしき人影は見当たらない。

 声自体はすぐ隣から――それこそ耳元で――響いてくるような感覚があるのに、いくら目を凝らしてもそこには何も居ない。

 スピカが自分の神の力(ゴッドスキル)でおかしな応用を効かせてイタズラしてるんじゃないかとも考えたが、純粋無垢な少女の言葉遣いには思えない。

 そのスピカが真っ先に声を張り上げて謎の声に反応した。


「あー、ベラちゃん。ちゃんとお留守番してなきゃダメってスピカ言ったのにー!」

『安心しとけいスピカ。お留守番ならきちんとやってんぜ? 声だけだよ声だけ。言うなりゃこりゃデリバリーだ。お届けデリバリーベラちゃん。通称デリベラだよデリベラ。デリヘルじゃねぇからそこんとこ注意なぁ?』

「でり……べら……? へる……???」

「……ディアベラス、スピカの教育に悪影響を及ぼすような言葉遣いは控えるよう言ったはずですが?」

『あぁ? 今のどこに卑猥な表現があったってぇ? おいおいレインハート=カルヴァートさんよぉ、ひょっとしてアンタ真面目な顔してち……あー、はいはい分かった分かったぁ、俺が悪かったですよぉ』


 レインハートの無表情に何かを感じたのか、ディアベラスと呼ばれた声の主はどこかばつが悪そうな声をあげる。

 どこか親しみやすい、威張りつつも肝心なところで尻に敷かれる系ダメオヤジを彷彿とさせる声色だった。

 お叱りを受けたのがよほど不服なのか、その後もブツブツネチネチと未練たらしく特徴的な巻き舌で

文句を連ねる。

 

『ったく、意味分かんねぇ。なんでこの俺が説教されてんだぁ? ……だいたいよぉ、こちとらテメェらの足取り掴むのにどんだけ苦労したと思っていやがる。こっち側へ渡るっつーのに一丁前にイレギュラーなんざ侍らせやがってぇ。おかげで滅茶苦茶な座標に飛ン出った挙げ句、アスティの馬鹿野郎に先越されちまうし、見失うしで散々だってんだぁ。つまりだなぁ、もうこれ以上待たされるのはゴメンだっつってんだよぉ俺はぁ』


 どうやらディアベラスなる人物の声は、勇麻に対して文句を言っているらしかった。

 しかもその口ぶりから察するに、スピカとレインハートは声の主の存在をしっかり認知していて、なおかつ声の主はこちらの事情にもかなり詳しいらしい。


「なあおい、レインハート。この声は一体……」

『おいおいおい、女の陰に隠れてねえで、直接こっちに話しかけたらどうなんだ東条勇麻ぁ。テメェの冠する「勇気」の二文字が泣くぜぇ?』


 戸惑う勇麻にも無遠慮に声を投げかける謎の声。勇麻はその馴れ馴れしい態度よりも、発言の内容の方に背筋をびくりと震わせて、


「なっ……こいつ、勇気の拳(ブレイヴハンド)のことを知って……!?」

『テメェだって俺を知ってるはずだぁ。ダニエラのババアに会ったんだろぉがよぉ。「聖女」嫌いのアイツの事だぁ、「白衣の悪魔」やらその「遺産」についての話も当然出たんだろぉ?』

「!?」


 身を固くした勇麻の反応を肯定と受け取ったのか、ディアベラスは愉しげに笑う。


『俺の名はディアベラス=ウルタード。かつてこの街を絶望の淵へと叩き落とした「白衣の悪魔」、その「遺産」の一人だぜぇ』


 姿は見えず声のみが不気味に響く中、ディアベラス=ウルタードはそんな自己紹介をしたのだった。



☆ ☆ ☆ ☆



 スピカ、レインハートの両名と合流した勇麻と和葉は第二内周区を離れみたび外周区へと逆戻りしていた。

 撤退した逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)のポニーテールが増援を引き連れて戻ってくる可能性を嫌ったからだ。

 何だか妙に印象的な別れ方をした少年――ではなく少女、ミランダ=フィーゲルとの早すぎる再会とかまたややこしいイベントが始まるのではないかと戦々恐々し身構える勇麻だったが、特に問題が起こる事もなく、彼女達の拠点へとたどり着いた。

 そもそもミランダの家は外周区もその外れ。勇麻達が案内されたのは第二内周区と外周区とのほとんど境目のような場所だ。


 レインハートとスピカの案内で連れてこられたのは、比較的清潔な小屋だった。簡素だが机にテーブル。控え目だが寝具も一つある。一部屋しかないようだが、壁に穴の空いた廃屋ばかりを転々としていた勇麻達からすれば十分に贅沢な拠点だった。

 勇麻も和葉も、椅子に座るなり深いため息を吐いた。


「ひとまずこれで落ち着けますね」

「ねえねえレインハートおねーちゃん、スピカお腹減った……」

「そういえばお昼も食べていませんでしたね。……分りました。材料は買い置き分がありますので、少し待っていてください」

「やったー! ご飯だご飯ーっ!」

「お前ら全体的に緊張感が足りなくないか……!?」


 家庭的で思わずほんわかするやり取りに独りごちる勇麻。

 返事など期待していなかった言葉に、耳元から想定外の返答があった。

 

『ま、ここは安全だからなぁ。連中も、白昼堂々俺の縄張りにまで手出しはできねえしよぉ』

「うわっ! ……心臓に悪いからいきなり喋りかけないでくれよ」

『おいおい、「勇気の拳(ブレイヴハンド)」が聞いて呆れる小心ぶりだなぁ。そんなんでやってけんのかぁ?』

「……余計なお世話だ」


 馴れ馴れしく勇麻をおちょくる特徴的な巻き舌の声の主はディアベラス=ウルタード。

 レインハート達が得た協力者だと言う事だが、相も変わらず姿形が見えない。この小屋もディアベラスの持ち物だと言うのだが、肝心の家主が何故顔を出さないのかが分からない勇麻としては、些か信用に欠ける相手だ。

 なにより九ノ瀬拳勝という前例もある。

 あまりにも都合の良すぎる展開は信じるべきではないという警戒もあった。

 勇麻は意図的にディアベラスとの会話を切り上げると、視線を台所へと移す。

 

 スピカの要望に応えて台所に立つレインハートは家庭的なエプロンを追加で装備していた。

 ポケットに縫い付けられたくまさんのアップリケが可愛らしい。

 以前も背神の騎士団(アンチゴッドナイト)の(臨時)アジトにお邪魔した時にコーヒーを入れて貰った事はあるが、その時にはこんなエプロンは着けていなかった。冷静沈着で物静かな仕事屋といったイメージのある彼女の意外な一面を覗いた気分だった。

 案外女の子らしく可愛い物が好きなのかもしれない。


 レインハートは流れるような手つきで前髪を後ろに掻き上げ、料理の邪魔にならないようにシュシュで一房に纏めると、やかんを火にかけティーカップなどを手際よく取り出しお茶の準備を始めてしまった。

 勇麻はどこか出鼻を挫かれたような感覚を覚えながら、真剣な表情で。


「……そんな事より、だ。家庭的な団欒に呑まれて有耶無耶になりかけてるけど、いい加減に説明して貰うぞレインハート」

「御安心を、東条勇麻。そう言うだろうと思っての準備ですから。どうせ長話になるのです、お茶の一つでもないと、参ってしまうでしょう。少し、待っていてください。スピカも、食事は話の後にしましょう。いいですね?」

「はーい……」


 スピカの聞き分けの良い返事を聞いてしまうと、勇麻もそれ以上急かす事ができなくなってしまう。

 もどかしく思いながらも、大人しく席に座ってレインハートを待つ。

 やや時間を経て湯が沸くと、レインハートはてきぱきとカップを椅子に座る三人の前へ並べ、紅茶を淹れるてゆく。

 そうして自分を含めて四人分の紅茶を用意するとそのまま席に着き、家庭的スタイルのまま神妙な面持ちでこう切り出した。


「さて、それでは何から話し始めましょう」

「何からもなにもねえよ。……ディアベラス=ウルタード、だっけか。この声だけ野郎は一体何者なんだ?」

『ハッ、こいつまぁだ俺の事をねちねち言ってやがるのかよぉ。自己紹介ならしただろぉ? あれだけ言ってまだ疑うとか、見る目も度胸もねえ糞餓鬼だなぁ』


 呆れ、いっそ憐れむようなディアベラスの声が聞こえたがあえて無視して勇麻は続ける。


「このディアベラスとか言うヤツは自分の事を『白衣の悪魔の遺産』だと言っていた。その言葉が反乱を起こした『聖女様』を指す事も、その『聖女様』がこっちの未知の楽園(アンノウンエデン)では悪魔呼ばわりされて憎悪の対象になっている事も俺達は知っている。だとするとソイツは『聖女』の仲間なんじゃないのか? だいたい声だけで姿も見せないようなヤツを信用していいのか?」


 勇麻のこの場の全員に問いかけるような言葉に、隣の和葉は美味しくなさそうな顔で紅茶をちびちびと口に運び、スピカは退屈な話に船を漕ぎ始め、レインハートは瞳を閉じてカップを口元へと引き寄せる。

 彼女は暖かい液体で舌を湿らせると、

 

「……東条勇麻、『白衣の悪魔』とは何者だったのか、アナタは知っていますか?」


 勇麻の質問に対する回答としては迂遠な言葉に、眉を潜める。

 とは言えこの状況で無関係な話を持ち出すような人物じゃない事は勇麻もよく知っている。

 レインハートはどう考えても冗談が苦手なタイプの人間だ。


 勇麻は確認するように和葉の方を見ながら、


「ええっと、確か……この街にいた神の能力者(ゴッドスキラー)専門の研究者達の事じゃないのか? 『操世会』の連中が放任主義だったせいで法律ルールがまともに機能しなかった結果、権力を笠に非人道的な実験や研究を繰り返したとか……」


 若干不機嫌げながらも律儀に無言で頷く和葉を見ながら、勇麻はそのまま己の知っている事を羅列していく。


「俺達のいた未知の楽園(アンノウンエデン)でも、こっちの未知の楽園(アンノウンエデン)でも、それは共通の認識だったはずだ。それで、反乱を起こしてその研究者達を街から追い払ったから『聖女様』ってのが英雄扱いされてるんだろ?」

「だいたいその通りです。では、『白衣の悪魔の遺産』……つまりその研究者達の『遺産』と呼ばれている『聖女』とは、一体何者なのだと思いますか?」

「それはだから、その研究者達の――。……ちょっと待て。まさか、『聖女』は連中の被験体だったって言うのか……?」


 静かに頷くレインハートに、勇麻は驚愕を隠せない。

 だが、言葉通りに捉えれば聖女が白衣の悪魔達――すなわち研究者達の被験体だった事は容易に想像できる。

 ただ、干渉レベル『Sオーバー』の『神の子供達(ゴッドチルドレン)』という強大な存在が、まさか虐げられる側に立っていたなど考えもしなかった。ある種の盲点であったのだ。


 それは長年未知の楽園(アンノウンエデン)で暮らしてきた和葉も同じだったらしい。否、むしろ救国の英雄としてあがめられ、旗に掲げられ奉られている彼女を知っているからこそ、より想像できなかったのかもしれない。

 中途半端な空中にカップを固定したまま、和葉はレインハートの言葉に口を半開きにしている。

 それでも必死に自分の中の常識と照らし合わせて、和葉はゆっくりと己の中の疑問点を口に出した。


「……待ってちょうだい。でも、それだと『聖女』が『悪魔』呼ばわりされている事にやっぱり納得がいかない。彼女が研究者達の非人道的な実験の被害者だったと言うのなら、立ち上がった彼女はやはり反乱の象徴として英雄扱いを受けるはず。事実、私の暮らしてきた未知の楽園(アンノウンエデン)ではそうだったわ! なのにこっちの人々は『聖女』を『悪魔』と呼び憎悪すらしている。これじゃあ辻褄が合わない。何か、まだ私の知らない何かが隠されているとしか――」

『――被害者と加害者が別々にいるなんてルール、何処の誰が決めたんだぁ?』

「!?」


 その声は、その姿をやはり一瞬だって晒す事なく、大好きなマンガのネタバレを楽しむような声色でそう割り込んだ。


『「聖女」を含む俺達は確かに非人道的な実験の被験体であり被害者だったぁ。だが同時に、研究者どもの命令に従って無辜の市民を傷つける加害者でもあったって事だぁ。『特例研』が実際に存在した“このオリジナルの”未知の楽園(アンノウンエデン)では、実際に何人もの被害が出てるしなぁ。それが俺達『白衣の悪魔の遺産』が悪魔と恐れられる理由ってやつだぁ』

「俺、達……?」

『ハッ、聖女の仲間って指摘はぁ、あながち間違っちゃいねぇのさぁ。当たらずとも遠からずってやつだなぁ。確かに昔は仲間だった、同じく非人道的実験を受けた被験者仲間。どいつもこいつもイカレ狂った強力な神の能力者(ゴッドスキラー)だったぜぇ? 「白衣の悪魔の遺産」。それは個人じゃなく集団を指す言葉だ。アスティ……「聖女」の野郎を含む被験体三千六七人、うち生き残り九人。それが「白衣の悪魔」が残した「遺産」の数だ』


 白衣の悪魔の遺産は複数人存在する。

 勇麻に『白衣の悪魔の遺産に気を付けろ』と忠告をしたダニエラ=フィーゲルは、その事を知っていたのだろうか。

 なんにせよ、その事実が『聖女』を敵に回そうとしている勇麻達にとってプラスになるとは考えにくい。 


 と、ここまで何かを考え込むように黙っていた和葉が、何かに気が付いたようにハッとして再び口を開いた。


「……あの強さ……もしかして、さっきの逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)のポニーテールも『白衣の悪魔の遺産』の一人だったりするのかしら?」

『お、嬢ちゃんやるなぁ。その通りだぁ。あの融通の利かねえ生真面目馬鹿女のレギン=アンジェリカも、俺や「聖女」なんかと同じ「遺産」の一人だ。だが順序が違うなぁ。そもそも「逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)」ってのは「白衣の悪魔の遺産」が名乗っている隠れ蓑に過ぎ――』

「――だったら!」


 言葉を遮るように響いた和葉の大声に、声だけのディアベラスが訝しむような気配を纏ったのが分かった。

 和葉は、周囲の視線が全て自分に集まるのも意に介さず、藁にも縋るように鬼気迫った調子で、 


「……『白衣の悪魔の遺産』。彼らが逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)のメンバーだと言うのなら、アナタは逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)の構成メンバーを知っているという事よね? だったら、九ノ瀬拳勝って名前に聞き覚えはない? おそらくだけど、こっちの世界の逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)に所属していたはずなの……!」


 猫のような印象のある凛々しい青い眼を限界まで見開き声のする虚空を睨み付ける和葉に、問いを投げかけられたディアベラスは声を震わせ、


『……驚いた。嬢ちゃん、あの九ノ瀬拳勝の妹か……?』

「――ッ!? やっぱり、あの馬鹿兄貴の事を知って――」


 ディアベラスがいそうな空間目掛けて唾を飛ばしそうな勢いで詰め寄る和葉に、


『あー! うるせえ黙れちょっと落ち着けぇ! ……確かにその名を知ってはいるが、会った事はねえ。噂だけだぁ。神の子供達(ゴッドチルドレン)でもねえ癖に「聖女」に挑んだ馬鹿がいるってなぁ。その後すぐ話は聞かなくなった。死んだって話は聞いてねぇが……何だ、オメェの兄貴は行方不明にでもなってんのかぁ?』


 和葉はしばし呆然としたように虚空を見つめていたが、やがて大声を出した事を恥じ入るような小さな声で、


「いえ、その……大丈夫。何でもないの」 


 それだけを言った。

 

(和葉……)


 この中で和葉の目的を知るのは勇麻だけだ。

 和葉はこの街でどうにか兄の足跡を探そうとしている。先ほどからハズレが続いた中でのようやくの当たりくじだ。静かな口調とは裏腹に、その声にどこか熱が籠っている事に勇麻は気が付いていた。

 そしてディアベラスの持っていた情報は、勇麻や和葉の推測を裏付ける物でもあった。

 『聖女』と九ノ瀬拳勝が過去に接触――それも二人は戦った事がある可能性さえあるのだ。

 それが本当だとすると、何故拳勝はディアベラスのように封印される事も無く、和葉の元へ帰ってくる事が出来たのか。

 拳勝が聖女に勝った……という可能性は流石に考えにくい。

 実際に『Sオーバー』とも拳勝とも戦った事のある勇麻だからこそ分かる。

 九ノ瀬拳勝一人では、残念だがどうあがいてもあの化け物連中に勝てる未来はない。

 となると、敗北した拳勝と勝者である『聖女』との間に、何らかの取引があったのではないだろか?

 その取引の内容こそ、拳勝が自らを『案内人』などと呼称し、逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)のメンバーである事にも関係しているのではないだろうか?


 こちら側の未知の楽園(アンノウンエデン)に飛ばされた直後に勇麻を襲撃したあの金髪の少女。勇麻の事を『招待客』などと零した彼女が、もし勇麻の予想した通りに『聖女』本人だとするならば、今勇麻の頭の中で組み上がりつつある仮説全ての辻褄が合うようにさえ思える。


 ……やはりこの一連の騒動の全ての鍵は『聖女』が握っているのかもしれない。勇麻は自分達が事実に一歩近づいたような高揚感を抑える事ができなかった。 


『そうか。……だが、テメェの兄貴が逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)に所属してたって話は、あんまり鵜呑みにしないほうがいいかもしれねぇなぁ』


 釘を刺すような調子でディアベラスがそんな事を言ったのは、直後の事だった。


「? それは、どういう意味かしら?」

『意味も何も、さっきも言っただろぉ? 逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)ってのは単なる隠れ蓑だってなぁ。そんな名前の組織は本当はどこにも実在しねえのさ。『白衣の悪魔の遺産』と呼ばれる化け物達が行動する際、己の身分を隠す為に使っている偽名みたいなモンだぁ。当然、俺を除いた「遺産」の連中八人以外でその名を騙るヤツぁ例外なく偽物。要するに、誰もが使える体のいいスケープゴートって訳だぁ。今となっちゃあ全ての罪を『聖女』独りに押し付ける、糞みてぇにくだらねぇシステムだよ……元々あいつらがどんな願いを込めてその名を広めたにせよ、な』


 スケープゴート。

 そう言った時のディアベラスの声は、まるで毒虫を噛み潰したように苦々しげだった。

 

 そしてその言葉の指す意味を理解すると同時、勇麻の脳裏に豪快にワインボトルを飲み干すダニエラ=フィーゲルの顔が浮かんできた。


(……そうか。ダニエラ=フィーゲルが壊滅させたっていう逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)は、多分コレだ。虎の威を狩る狐みたいに、逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)って名前を騙って悪事を働く連中をあの人は壊滅させたんだ。……そりゃ俺達に噛み付いてくる訳だ。人のふんどしで汚い相撲を取る卑怯者を、あの人はきっと許せなかったんだろうな……)


 臆病者と罵った事を、謝らなければならないと勇麻は思った。

 何が愉快に平和ボケした思考回路だ。

 自分の命を危険に晒して他人助けをする馬鹿は自分の方ではないか。


 知らなかった事とは言え、逆鱗に触れる真似をした挙げ句あれだけ散々な事を言った勇麻と和葉を最終的に笑顔で送り出してくれたダニエラに改めて心の中で感謝する。

 そしてそんな勇麻とは裏腹に、和葉はディアベラスの言葉の意味を考えるように静かに口を閉じていた。



☆ ☆ ☆ ☆



 三者三様の様子に、話がひと段落したと見たのか、このままでは埒が明かないと思ったのか、とりあえず区切りを付けるようにレインハートがこう切り出した。


「さて、少し話が逸れましたが――これでようやく本題に入れますね」


 今までディアベラスに任せていたレインハートが、音を立てず静かにカップをソーサーに置く。


「ディアベラス=ウルタードは『聖女』と同じ『白衣の悪魔の遺産』の一人です。そして、彼が私達の前に姿を見せない理由は簡単です。見せたくても見せられないからです」


 勇麻と和葉の頭にほぼ同時にクエスチョンマークが浮かぶ。

 何の謎かけだろうか意味が分からない。と言った調子な二人に、


『レインハート、お前もうちょい上手く説明できねえのかぁ?』

「余計なお世話です。私は、もともとあまりこういうのが得意では……」

『ま、いいや。要するに、だぁ……』


 当のディアベラスがレインハートをからかいながらも説明を引き継ぐ。

 やはりどれだけ目を凝らしても姿は見当たらず、声だけが息の掛かるような耳元から響いていく。


『俺はかつて『聖女』の野郎に殺し合いを挑み、敗北した。“その結果こうなった”。これは一種の封印、とでも言うべき状態なんだろうよぉ。……テメェら全員『多重次元空間』について多少なりとも触れたんだろぉ? なら話は早え、それと似たような物だ。今の俺は世界の何処にも存在する事を許されずに薄壁一枚隔てた先、世界と世界の狭間に閉じ込められてるんだからよぉ』


 ディアベラス=ウルタードは最強の存在たる神の子供達(ゴッドチルドレン)に単身で挑み、そして敗北した。

 彼が何故仲間だった『聖女』へ反旗を翻したのか、その理由は勇麻には分からない。

 けれども、告げられた言葉から滲み出る想いは嘘偽りのない本物で、誰にも形容できない彼のみが抱く複雑で特別な事情と感情がある事だけは容易に察せられた。

 そうして世界から切り離され、声だけになってしまった男は、自分の無力さを嘲弄するかのように、己が何者であるかを告げる。


『――「悪魔の一撃フォルティナ・ディアブロ」。干渉レベルSオーバー、所謂いわゆる神の子供達(ゴッドチルドレン)」ってヤツだぁ。まあご覧の通り、『聖女』の野郎に敗北した未知の楽園(アンノウンエデン)の二番手、最強に成り損ねた男が俺だぁ。本来ならテメェらと仲良く会話なんざ出来る状態じゃねえんだがよぉ、そこはまあ腐っても神の子供達(ゴッドチルドレン)っー訳。距離、射程、射線ガン無視、力の始点に制限がねぇっつう俺の神の力(ゴッドスキル)の特性を利用して、どうにか直接声だけを届けてる状態だ。素顔も見せずに無礼だとはぁ思うがぁ、そこら辺は飲み込んで貰えるとありがてぇ』


 聖女と正面切って戦い敗北し、世界の果てへと押しのけられたもう一人の神の子供達(ゴッドチルドレン)

 自らを『白衣の悪魔の遺産』と呼称するこの声の主は、一体どういう理由でもってスピカとレインハートを、ひいては東条勇麻を助けたのか。

 ディアベラスは、勇麻へとその言葉の矛先を変えて、


「……俺が何者かってテメェの質問への答えがコレだぁ。信用できるかどうかはテメェで判断しやがれぇ。不満やら質問やらがあるんなら後でまとめて聞いてやる。だが、今は時間が惜しい。おい、レインハート」


 呼びかけに「はい」と、短く鋭くレインハートが反応する。


「東条勇麻。私やスピカがアナタと合流できたのは、ディアベラス=ウルタードの保護下にあったからに他なりません。こちら側へ渡った私達『招待客』を『聖女』に撃破される前に確保し保護。アナタの探索にも協力してくれたディアベラスは十分信用に値すると私は判断しました。なにより、彼と私達の利害とは一致しています」

『俺は何があっても「聖女」の馬鹿野郎をぶち殺さなきゃならねぇ。だが、それには力が足りない。早い話、俺はお前らと協力体制を敷きたい。何せ“こんなザマ”だからなぁ。あとは勇気の拳(ブレイヴハンド)。テメェとそこの九ノ瀬のお嬢ちゃんの同意を得るだけって訳だぁ』


 ……ディアベラスの目的は、『聖女』との決着を付ける事。

 この“封印”とでも呼ぶべき状態から脱出する事も、含まれているのかもしれない。

 どちらにせよ、『聖女』と積極的に接触する事を望むはずだ。

 そしてそれは勇麻達とて同じ。

 勇麻はアリシアの居場所を。和葉は拳勝についての真実を。互いに求めている情報を聖女が握っている可能性は十二分にある。

 勇麻は和葉へと目配せをすると、和葉はこの時ばかりは不機嫌さを抑えて肩を竦める。

 その気紛れな猫にも似た顔に苦笑混じりの微笑を浮かべながら、


「……今の私はアナタと一蓮托生よ、東条くん。アナタの決断なら、私に異存はないわ」

「――」


 勇麻は、和葉の言葉にとっさに反応する事ができなかった。

 和葉の信頼が単純に嬉しい。依頼と報酬だけの関係から始まり、ここまでの絆と信頼を結べた事が未知の楽園(アンノウンエデン)で得られた何よりの宝であるように勇麻には思えたのだ。

 であるからこそ、彼女を後悔させるような選択だけは避けなければならない。

 勇麻は無言で――それでも万感の思いを込めて――和葉へと頷き返し、言った。


「……俺らも、アリシアへと繋がる手がかりを掴むには『聖女』か逃亡者の集い旗(エスケイプ・フラッグ)への接触は必須だとは思ってたんだ。そのためには、戦力は多い方がいいに決まっている」

『……っつー事は?』

「ディアベラス=ウルタード――」


 ニカッと笑って、東条勇麻は何もない虚空へとその手を差し出す。

 ディアベラス=ウルタードは腹の内を曝け出して、本音で己を語った。それだけは確かだ。

 おそらく、まだ語っていない事も、勇麻達には話せない事もあるだろう。

 だがそれでも、ディアベラスの真摯な態度は伝わった。それに応えずに、どうして人を信用する事ができるだろうか。

 それにスピカとレインハートが信用できると言った相手だ。これでもディアベラスを疑うという事は、仲間を信じない行為に等しい。

 

 勇麻は自分が一人では戦えない弱者である事を知っている。

 東条勇麻は確かにこれまでいくつかの戦いに関わり、いくつかの命を、その命の住まう世界を救ってきた。

 だがそこには、いつだって誰かの協力があったのだ。

 今だってそうだ。ここまで辿り着くまで何度和葉に救われたか分からない。レインハートやスピカにだって迷惑をかけ続けてきた。

 それらを忘れる程、東条勇麻は思い上がってなどいない。

 傲慢に、独りよがりに我を通そうとするのは愚か者のする事。

 本当にアリシアを救いたいのなら、自分が囮になるくらいでも構わない。別に、勇麻がアリシアを救う必要性だって無いのだ。 最後に皆で笑い合う事ができれば、それで構わないのだから。


 確かに勇麻は一度拳勝に騙され、彼の手の中で道化のように踊った。だが、その一度の裏切りで他の何もかもを信用しなくなるようでは敵の思うつぼだ。

 疑心は結束に罅を、猜疑は決意に揺らぎを生む。

 ならば危険を承知でも信じる心を忘れてもならないのだ。例え、いつかどこかでまた手酷く裏切られる事があろうとも。それでも他人を信じるという心の強さを捨てていい理由にはならない。 

 なぜならそれは逃避で、勇気の拳(ブレイヴハンド)は東条勇麻に逃避を許さないだろうから。

 それに何より、目の前の少女の暖かな信頼が、勇麻の背中を優しく押してくれていた。


「――アンタの力を、俺達に貸してくれ……!」


 明るい勇麻の言葉に、レインハートが軽く息を吐いた。

 相変わらずの仏頂面で分かりにくいが、彼女なりに無事に共闘関係を結べるかハラハラしていたのかも知れない。


『交渉成立ってなぁ。感謝するぜ、東条勇麻。九ノ瀬和葉。……だがなぁ、早速で悪いが、一つだけテメェらの現状認識を訂正しておいてやろう』

「?」


 意味深な言葉に首を傾げたその時だった。

 どこから話しを聞いていたのか、いきなりズバっ! と元気よく手を挙げたスピカが勢いよく口を開いた。


「ふっふーん、実はね……アリシアおねーちゃんの居場所をー、このスピカが見つけちゃったのです!」

「!?」


 文字通り、東条勇麻の呼吸は一瞬確かに停止した。

 それは、棍棒で横っ面を思いっきりぶん殴られたような衝撃だった。

 いきなり大前提が一八〇度まるっとひっくり返るような衝撃発言に、勇麻が唖然と言葉を失っていると、さらに畳み掛けるようにレインハートが、表情を微塵も変える事無く淡々と続ける。


「反応があった場所は『操世会』本拠地跡。現在は、『聖女』の根城となっている場所です」


 そのいつも通りの事務的な口調に、言葉が頭にうまく入ってこない。

 それでも役立たずな頭をフル回転させて、どうにか思考が追い付く。

 レインハートは言った。『聖女』が根城としている『操世会』の元本拠地にこそアリシアの反応はある、と。


 それはつまり――


「テメェがお探しの神門審判(ゴッドゲート)は、既に『聖女』の手に堕ちてやがんだよぉ。もう一刻の猶予もねぇ。速攻で助け出さねえと、“俺みたいな事になっちまうぞ”」

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