逆タイムカプセル
作品の前にお知らせ
下記リンクに今後の計画のざっくりした概要が書いてあります。余命宣告の話もあるのでショッキングなのがダメなら見ないことを推奨します。
あと表紙はアルファポリスとpixiv、Noteでは公開してます。
表紙単品シリーズ→https://www.pixiv.net/artworks/138421158
計画周り→https://note.com/isakaakasi/n/n8e289543a069
他の記事では画像生成の詳細やVtuberを簡単に使えるサブスクの開発予定などもあります。
また、現時点で完結した20作品程度を単発で投稿、毎日二本完結させつつ連載を整備します。どの時間帯とか探しながら投稿しているのでフォローとかしてくれないと次来たかが分かりにくいのでよろしくお願いします。
今年の終わりにかけて「列聖」「殉教」「ロンギヌス」のSFを終わらせる準備をしています。というかロンギヌスに関しては投稿してたり。量が多くて継承物語は手間取っていて他はその余波で関連してるKSとかEoFとかが進んではいるけど投稿するには不十分とまだ出来てない状態です。
とはいえこの三部作と諸国民の神を終わらせつつ、あと十作品程度が今月の限界です。
あとがきに作品リスト載せときます。
紙の端が、指先にひっかかった。
いつもなら気にも留めない引っかかりなのに、その日は手が止まった。奥に押し込まれていたものが、薄い抵抗だけ残してこちらにずれる。折りたたまれた紙片。封はない。宛名もない。ひとつだけ、文字の輪郭が、折り目の外側からでもうっすら透けて見えた。
息を吸って、吐く。自分の呼吸の音がやけに大きい。
彼女は紙を開く。折り目はきつく、指でなぞると戻ろうとする。紙の繊維がこすれて、乾いた匂いが立つ。文字は丁寧だった。余白を無駄にせず、行の間隔が揃っている。書き出しの位置に迷いがない。
「十年後、俺は君に会えなくて後悔している」
一行だけで、肩がわずかに上がった。驚いたのか、笑いそうになったのか、自分でも判断がつかない。背中の皮膚が冷える。言葉の意味よりも、言葉の形が変だった。今ここにある紙が、時間の先にいる誰かの声みたいに見えた。
彼女はもう一度、同じ行を目でなぞる。読み直しても、文面は変わらない。変わらないのに、指先だけが落ち着かない。紙の端をつまむ力が強くなって、折り目が白く浮く。
何の冗談だろう。そう思った瞬間、彼女の視線が落ちた。
床に、紙がある。
白い。折りたたまれている。ひとつではない。二つでもない。机の脚の影、椅子の下、足元の狭い隙間に、同じ大きさの紙が点々と落ちている。彼女はしゃがむ。膝が床に触れる前に、紙を一枚拾った。指に乗る軽さが同じだ。開く。
「十年後、俺は君に会えなくて後悔している」
喉がひゅっと鳴った。彼女は顔を上げる。床の紙は、拾った分だけ減るはずなのに、減った感じがしない。視界の端に、まだ白が残る。慌てて別の一枚を拾う。開く。同じ。さらに拾う。開く。同じ。内容が同じというより、同じ紙を何度も拾っているみたいに錯覚する。
彼女は自分の持っていた最初の一通に戻る。見比べる。紙の厚み。折り目。インクの濃さ。どれも微妙に違う。違うのに、文面だけが揃っている。
差出人欄を見る。下の方、小さく名前が書かれていた。見覚えのある字。別の紙を見る。名前が違う。さらに見る。違う。違う。違う。学校の中で呼ばれている名前が、次々に出てくる。普段ほとんど話さない相手の名前も混じっている。遠い場所にいるはずの名前まで、ひっかかるように目に入る。
彼女は紙を握ったまま、立ち上がる。立ち上がったことで、視界が広がる。その広がった分だけ、白い紙が増えたように見える。机の周りだけじゃない。床のあちこちに、紙の角が覗いている。
背筋に汗がにじむ。口の中が乾く。唇をなめても戻らない。
彼女は手紙の束を一度、胸の高さでまとめた。まとめても、腕の中からすぐに滑り落ちそうになる。紙は軽いのに、量が重い。重さのせいで指が震える。震えが紙に伝わって、端がささやかに鳴る。
この文面が本物だとしたら、怖い。怖いという感情が、理屈より先に出た。理屈を出さないと、足が動かなくなる。
彼女は目を閉じ、数を数えるように息を整えた。開ける。もう一度、床の紙を見る。あり得ない、と口の中で言って、声にはしない。声にしたら現実になる気がした。
あり得ない。だから、現実に落とす。
これは誰か一人の仕込みだ。
誰か一人が、同じ文面を量産した。名前を変えて、散らした。彼女が拾うところまで計算した。彼女の反応を見たいだけの、悪趣味な遊び。そういう形なら、この量も、この揃い方も説明がつく。説明がつけば、怖さは薄まる。薄まった分だけ、手が動く。
彼女はしゃがみ直し、紙を拾い集め始めた。読まない。読まないと決めて、読まない。折り目を揃えて、手触りだけで束にする。指先に残る感触がひとつひとつ違うことが、逆に落ち着きをくれる。違うなら、誰かが作ったものだ。作ったものには作り方がある。
彼女は一番上に、最初に見つけた一通を置いた。紙の角を揃えた。揃えた角が少しずれて、また揃え直す。その動きが、心拍を一定にする。
束を抱えて立ち上がる。腕にかかる重みが、今の自分の仕事を示してくる。
彼女は目線を前に固定した。
仕組んだのは誰だ。
一人だけだ。
その一人を見つける。今すぐ。今度こそ、ここで止める。
束を抱えたまま動くと、紙の角が腕に刺さった。痛みは小さい。小さいが、刺さるたびに現実に引き戻される。彼女はそのまま歩ける場所を探し、床の紙が少ないところに腰を落とした。
手紙を一枚、床に置く。
もう一枚、隣に置く。
さらに一枚。
置いた瞬間は全部同じに見えるのに、指で触れると違いがある。紙が硬いもの、柔らかいもの。表面がざらつくもの、滑るもの。折り目が強いもの、ふわっと戻るもの。インクが濃いもの、薄いもの。乾ききっている匂いがするもの、微かに新しい匂いが残るもの。
彼女は息を吐いた。吐いた息が少し温かい。温かさで、自分の手の冷たさに気づく。
一人が書いた。そう決めた。決めたから、今はその一人の作り方を探せばいい。
彼女は同じ文面のまま、差出人だけを変える方法を頭の中で並べる。印刷、複写、なぞり書き。だが、紙の繊維の癖まで揃える必要がある。折り方の癖まで揃える必要がある。インクの濃淡まで揃える必要がある。
彼女は手紙を一枚、机の端に当てた。光の角度を変えると、書かれた線の盛り上がりが見える。筆圧が強いところは紙がへこみ、薄いところは空気みたいに軽い。別の手紙を同じ角度で見る。へこみ方が違う。線の入り方が違う。文字の終わりが跳ねる癖が違う。筆先が紙を離れる瞬間の迷いが違う。
同じ文面でも、同じ手ではない。
その事実が、じわじわと胸の奥に沈んでいく。彼女は握った指をゆるめた。紙が音もなく広がる。広がった白が怖い。怖いから、作業に戻る。
彼女は分類を始めた。
紙質で三つに分ける。硬い、普通、柔らかい。
折り目で三つに分ける。きつい、普通、ゆるい。
インクの濃さで二つに分ける。濃い、薄い。
手紙は増えない。増えているように見えるだけだ。そう言い聞かせながら、彼女は黙々と紙を移動させる。指先が紙粉で白くなる。爪の間がざらつく。呼吸は落ち着いてきた。落ち着いてきたぶん、目が細部を拾うようになった。
差出人の名前を見て、手が止まる瞬間が何度かある。見覚えのある字。見覚えのある名前。それに引っ張られそうになる。
彼女はそこで、視線を紙の端に戻した。
名前は今はノイズだ。内容もノイズだ。今の自分が引っかかるものほど、相手の意図に絡め取られる。相手の意図があると決めた以上、絡め取られるのはまずい。
紙の端を見る。折り目を見る。インクを見る。
自分の都合で信じていい情報だけを拾う。
その割り切りが、少しだけ残酷に感じた。残酷さがあるということは、自分がまだ正常だということだ。彼女はその感覚を支えにした。
分類が進むにつれ、奇妙なことが浮かび上がってくる。
同じ文面のまま、字の種類が多すぎる。多すぎるのに、文のリズムは完全に一致している。改行の位置もほぼ一致している。句点の打ち方まで似ている。真似したにしては揃いすぎている。偶然にしては揃いすぎている。
揃いすぎていることが、逆に気持ち悪い。
彼女は一枚、あえて丁寧に読み直した。目で追うだけだ。意味に踏み込まないように、ただ文字の配置だけを見る。
「十年後、俺は君に会えなくて後悔している」
同じ。どれも同じ。揃いすぎている。
彼女は舌の裏に鉄みたいな味を感じた。噛みしめたせいで歯が痛い。痛みは、余計な想像を押し戻すのに役立った。
一人が仕組んだ。そうじゃなかったら困る。困るが、困るだけでは事実は曲がらない。
彼女は分類した山を見渡した。硬い紙の山。柔らかい紙の山。折り目がきつい山。ゆるい山。濃いインクの山。薄いインクの山。そのどれにも、差出人の名前が混じっている。偏りがない。偏りがないということは、作り手が一人だとしても、わざわざばらけさせる手間をかけていることになる。
手間の方向が不自然だった。
ここで彼女は、ようやく自分の最初の方針が間違っていたことを認めた。犯人を探す、という方針そのものが、相手の思うつぼかもしれない。犯人が一人であると決めた瞬間、視界が狭くなる。
狭くなると、見えないものが増える。
彼女は手紙の束を見下ろし、拳をほどいた。紙がふわっと戻り、互いに擦れて小さな音を立てた。音が止むまでの間、彼女は何もせずに待った。待てたことが、自分にとっての合図になった。
犯人探しじゃない。
起点探しだ。
最初にこれを書いた一通。最初にこれを送った一人。そこだけが意味を持つ。そこを見つければ、他がどうであれ、束はただの結果になる。
彼女は最初に拾った手紙を、分類の外に置いた。机の上の、少し高い場所に置く。手の届く範囲に置くが、他の山とは混ぜない。混ぜたらまた迷う。
次に、分類した山をもう一段階だけ絞ることにした。
一番古そうな紙。
一番折り目が少ない紙。
一番余計な癖がない紙。
誰かが最初に書いたなら、そこには無駄が少ないはずだ。無駄が少ないものが、増えたものに埋もれているはずだ。
彼女は指先を鳴らさないように息を止め、最初の一通を探す手の形に戻った。
一番古そうな紙を選ぶと、指先が紙の縁にわずかに引っかかった。黄ばみではない。黄ばみなら均一に変わる。これは、紙の表面だけが少し荒れている。長く空気に触れていたものに出る荒れ方だった。
彼女はその一枚を山から抜き、机の上に置いた。
次に折り目が少ないものを探す。折り目が少ないというのは、単に折っていないのではない。折ったのに、何度も開かれていない折り目だ。紙の戻り方が違う。指が折り目をなぞったとき、抵抗が小さい。
彼女は折り目の抵抗だけを頼りに数枚を集めた。集めた紙を重ねると、端のラインが微妙に揃わない。切り方が違う。紙のサイズが違う。そこに、同じ文面を載せたという事実だけが浮いて見えた。
手の中の紙を一枚ずつずらし、最後に残った一枚を前に置く。
紙が、軽い。
軽いというより、余計な重さがない。紙の端が真っ直ぐで、折り目も必要最低限で、触れたときの紙粉が少ない。乱暴に扱われていない。作業の途中で擦れた感じがない。
彼女はその一枚を開いた。
「十年後、俺は君に会えなくて後悔している」
同じ文面。なのに、胸の奥のざわつきが一段だけ静かになる。意味が刺さるのではなく、刺さり方が決まる。紙の上の文字が、他の手紙と同じではない。字そのものが違うのではなく、線の置き方が違う。文字の最後が揃っている。ためらいが少ない。言い切るように書かれている。
彼女は目線を下へ送った。
差出人欄の名前が、そこにある。短い。見慣れた形。見慣れたのに、今まで見落としていた形。
指が止まる。指先が紙から離れない。紙が熱を持っているわけではないのに、手のひらが温かく感じる。
彼女は息を吸って、吸い切れずに止めた。
一人が送った。それがズレた。ズレた先で誰かが読んだ。読んだ誰かの未来が変わり、未来からまた送られた。増えた。増えた結果がこの山だ。山の中で、最初の一通だけが、いちばん整っている。
整っているからこそ、増殖の起点になった。
彼女は紙を折り直さない。折り直したら、折り目が新しくなる。証拠を削る。彼女はその一枚を両手で挟むように持ち、机の上の他の手紙を視界の外へ押しやった。
押しやった紙が、静かに滑る。音が小さい。小さい音でも、今はうるさい。
彼女は立ち上がった。立ち上がった瞬間に、床の手紙の白が視界に入る。さっきより多く見える。多く見えるのに、もう拾う必要がない。
必要なのは、この一通だけだ。
彼女はその一通を胸の前で押さえ、歩き出した。
迷う方向がなくなると、足音がまっすぐになる。
相手は、そこにいた。
目立つ位置ではない。人の流れの中心でもない。けれど視界の端に引っかかる場所に、いつも通りの距離で立っていた。彼女はそれを、今まで「いつも通り」だと思って見過ごしていたのだと気づく。名前を紙で確認した瞬間に、あの位置は偶然ではなくなった。
彼女は歩く速度を落とさない。落とさないことで自分の心臓の音が追いついてくる。追いついてきた音が、足元から体の奥へ響く。
相手が彼女に気づく。目が合う。相手の表情が一瞬だけ固くなる。固くなるのは、笑う準備ではなく、逃げる準備の前に出る硬さだった。
彼女は紙を突きつけなかった。突きつければ、相手は守りに入る。守りに入った瞬間、この話は未来の言い訳になる。未来の言い訳になったら、また失敗する。
彼女は紙を胸の前に押さえたまま、距離だけを詰めた。相手が一歩引く前に、彼女は止まる。止まっても、目は逸らさない。
彼女は口を開いた。声は思ったより低かった。
「これ」
それだけ言って、紙を少しだけ見せた。文面は見せない。差出人欄だけが相手の目に入るように角度を調整する。相手の視線が紙に落ちる。落ちた瞬間、相手の喉が動いた。言葉が出ないときの動きだ。
彼女は続けた。
「十年後の話はいい」
言い切ると、相手の眉がわずかに動いた。反論の準備の動き。彼女はその準備が形になる前に、もう一言を置いた。
「今、会いに来た」
相手の肩が下がる。下がったのに、手は動かない。逃げる手も、隠す手も出ない。動かないまま、相手は彼女を見る。見られていることに慣れていない目だった。慣れていないのに、どこかで覚えている目だった。
彼女は紙を、相手に渡さなかった。渡したら相手が握る。握ったら、また未来の責任が相手に戻る。彼女は紙を自分の胸元に戻し、もう一度押さえた。
「失敗したのは未来でしょ」
相手の唇が少し開く。やっと言葉が出る気配がする。しかし彼女は、その気配に甘えない。気配を待ったら、また引き伸ばしになる。
彼女は最後を短く言った。
「今はまだ、ある」
言い終えた瞬間、どこかで紙が擦れる音がした。微かな音。彼女は反射的に視線をずらしかけて、踏みとどまる。ずらしたら、また紙の山に戻る。戻ったら、また迷う。
彼女は相手を見続けた。
相手はようやく息を吐いた。吐いた息が、笑いに似た形になりかけて、途中で崩れる。崩れたまま、相手の声が出た。
「……ごめん」
その一言で十分だった。理由を聞いたら、未来の講義になる。講義になったら、彼女はまたあの山に飲まれる。
彼女は首を横に振る。否定ではなく、切り替えの合図として。
「謝らなくていい」
彼女は足元の空気の重さが変わったのを感じた。さっきまで、背中に張り付いていた圧が薄くなる。何かが終わったときの薄さだった。
増え続けるように見えた白が、増えない。
そのことを確認するために、彼女は紙の束の方へは振り向かなかった。振り向かずに分かる程度の変化だった。視界の端が静かになっている。紙の角が風に揺れる気配がない。音がしない。
彼女は胸元の一通を、指で軽く押さえた。紙はそこにある。重さは変わらない。けれど、重さの意味が変わった。
相手が彼女の手元を見たまま、ゆっくりと言った。
「……今度は」
彼女は頷く。言葉を先に取る必要はない。頷きだけで決着がつく場面だ。
「うん」
その返事は短い。短いが、逃げる余地を残さない。
それ以上、白は増えなかった。
というわけで投稿リスト
タイトル
私なら伝えられる
英題
Relation Translation
タグ
#現代 #作家 #翻訳者 #出版業界 #再会未満 #すれ違い #距離感 #未解決の感情 #仕事と感情 #静かなドラマ
あらすじ
作家の「私」は、翻訳者・高坂レイと再び組まされることになった。
それは業務としては最適解だが、感情としては最悪の角度だった。
互いに名前を見ただけで胃が焼ける。
それでもプロとして距離を保ち、あくまで“仕事”の顔で接する。
資料を渡す手の震え。
ノートを差し出す指先が触れそうになる一瞬。
言えないことを抱えたまま続く、丁寧すぎる会話。
「私一人じゃ、この物語を形にできない」
そう認めた瞬間から、彼女は逃げ道になり、同時に重荷にもなる。
これは、仕事と過去の狭間で揺れながら、
“言葉にできないものを誰が伝えるのか” を描く静かな二人劇。
タイトル
読書感想文と君
英題
Bad Blank Beyond
タグ
#読書感想文 #図書室 #不良男子 #図書委員女子 #すれ違い #会話未満 #言葉にできない関係 #青春 #人間ドラマ #恋愛未満
あらすじ
図書委員の篠原は、他人の感情を「分析して整える」ことでしか向き合えない少女だった。
そんな彼女の前に、読書感想文を依頼しに来たのは──
学校中で怖れられる不良・高城。
代筆として始まった関係は、
「書けるのに書けない」
「読めるのに理解できない」
という矛盾を抱えたまま、互いの心の奥へ踏み込んでいく。
高城は言う。
『俺を“読んでる”だけで、俺とは話してねぇだろ』
分析で守ってきた篠原の世界が揺らぎ、
言葉にしなければ近づけず、
言葉にすると壊れてしまう──
そんな距離で二人は少しずつ歩み寄っていく。
これは、
“読めない相手”と、
“書けなくなった自分”が出会った、
静かで切実な読書感想文の物語。
タイトル
猫の花泥棒
英題
Faded Floral Felon
タグ
#現代 #花屋 #猫 #青年 #路地裏 #静かな交流 #すれ違い未満 #外れ者同士 #人間ドラマ #優しい物語
あらすじ
花屋の店主を悩ませていた「折られた花の大量被害」の犯人は、
人間ではなく──一匹の猫だった。
だがその猫は、盗んだ花をどこかへ持ち去っていた。
追っていくと、猫が寄り添っていたのは、
路地裏にひっそりと倒れていた青年だった。
花屋、猫、青年。
互いに踏み込みすぎず、距離を保ちながら、
なぜか同じ“外れ”の場所に集まってしまう三者。
悪意ではなく、生き方の結果として重なった匂いと生活が、
静かに、少しずつつながっていく。
駅外れの細い路地で生まれる、
言葉少ない“外れ者たちの共存ドラマ”。
タイトル
陸上部vs美術部 〜トップスピードと一本線の物語〜
英題:Tracks and Strucks(Graphite and Graphics)
タグ
#学園 #陸上部 #美術部 #天才同士 #観察と速度 #すれ違い未満 #バトルではない対決 #青春ドラマ #ライバル物 #静と動
あらすじ
止まっているものなら完璧に描ける美術部の部長と、
止まっていられない才能を持つ陸上部の新星。
廊下を風のように駆け抜けた“残像一瞬”に敗北した部長は、
初めて「静止では描けない美」を知る。
描きたいのは止まった形じゃない。
走りそのものだ。
「止まってたら、あなたじゃないでしょ」
プライド同士がぶつかるように、
二人は“動いたままを描く”という無茶な勝負に踏み込む。
速度と観察。
陸上部と美術部。
静と動。
その全部が一本の線で交差する、青春ライバル物語。
タイトル
注文の多いラブコメディ
英題
Tall order tales
タグ
#学園 #図書室 #ラブコメ #匿名カップル #付箋文化 #メタ恋愛 #作者と読者 #片想い #恋と物語 #青春ドラマ
あらすじ
図書室の片隅に置かれた、作者の手作りラブコメ冊子。
ある日その棚が、蛍光付箋で埋め尽くされた。
それは誰かの落書きではなく、
匿名の“付箋カップル”がそこで繰り広げる、
本気の痴話喧嘩と恋の相談だった。
主人公は図書委員として、
作者として、
そして一人の読者として、
その外側で勝手に動き始めた恋の物語に巻き込まれていく。
付箋で始まる恋。
付箋で終わる恋。
そのすべてを見守るうちに、
主人公自身の恋だけが、まだ言葉にならずに残ってしまう。
そしてある日、
「続きはあなたと書きたい」
──そう書かれた一枚の付箋が、世界を静かに動かす。
図書室発、“物語の外側”から恋が始まるラブコメディ。
タイトル
命を捧ぐ愛
英題
Trendy Treading Tragedy
タグ
#オリジナル #オリジナル小説 #恋愛小説 #群像劇 #シリアス #社会問題 #近未来 #ダークファンタジー #倫理 #ディストピア #闇医療 #すれ違い #依存 #悲恋 #価値観の違い #近未来SF #ブラック企業 #格差社会
あらすじ
違法な闇病院が寿命を売買する街。
恋人のために“少しだけ”寿命を削ったA男、
恋人を救うために全てを差し出したB男、
贅沢な生活を保つため寿命を浪費したC男、
寿命だけは絶対に手放さないと決めたDカップル。
誰もが“正しい愛”を信じて選択したはずだった。
しかし、身体と心への代償、残された側の苦しみ、老いが先に訪れる残酷さ、そして普通の生活が持つ強さが、それぞれの道を全く異なる結末へ導いていく。
美談の裏で壊れていく現実を描く、四組の恋の物語。
タイトル
十年前マッチングアプリ
英題
Proof of Photographs
タグ
#現代 #マッチングアプリ #再会 #元恋人未満 #10年越し #すれ違い #社会人 #恋愛未満 #秘密 #人間ドラマ
あらすじ
10年前、マッチングアプリで出会った二人は、
恋人になれる寸前で──突然、消息が途切れた。
“フラれた”と思っていた男は、
再び同じアプリで彼女の名前を見つけ、
ためらいながらもメッセージを送る。
しかし再会した彼女は、
明らかに“10年分の何か”を抱えたまま、
笑えるのに、どこか壊れていた。
そして彼が知るのは、
10年間の沈黙が生んだ 「空白」 と、
その裏に隠された “何一つ選べなかった恋” の理由。
ふたりが再び同じ場所に立てるのか。
それとも、もう時間は取り戻せないのか。
10年越しの恋と真相が交差する、静かな再会ドラマ。
タイトル
エスカレーション・ハート
英題
Escalation Hearts
タグ
#現代 #密室 #エレベーター #雨の日 #すれ違い未満 #無言の距離感 #心理描写 #社会人 #偶然の出会い #静かな恋
あらすじ
エレベーターが苦手な彼女は、
雨の日の密室で、びしょ濡れの無言の男と二人きりになる。
上昇しない箱。
閉まりかける扉。
押し続ける「開」のボタン。
水滴の音。
沈黙。
恐怖と緊張のはずなのに、
なぜかその指を、離せなくなる。
そして、男が取ったひとつの小さな行動が、
恐怖の密室を、
ほんの少しだけ“心臓の方へ”傾けてしまう。
これは、
閉じ込められた数分だけで心が揺らぐ、
密室発のスローペース恋未満ドラマ。
タイトル
ヘブンズ・コールセンター
英題
Heavens Callcenter
タグ
#天使 #死後世界 #コールセンター #神話現代化 #人間ドラマ #祈り #救済 #善悪 #社会風刺 #ファンタジー
あらすじ
天国はもう、「祈り」を受け止められなくなっていた。
善悪の監査と事務処理に疲れ切った天使は、
“人間の声を直接聞く窓口” を開く。
だが、そこへ届くのは救いを求める声ばかりではない。
怒号、呪い、泣き叫び、依存、誤解、怠慢──
天国そのものが、人間の“逃げ場”として消費されていく。
そんな中、ある事故の遺族からの一本の電話が、
天使と人間の運命を揺らし始める。
これは、
「救える声」と「救えなかった声」の境界で
天使がひとり、人間と向き合う物語。
タイトル
怪奇作家の恋愛事情
英題
Scary Sweet Story
タグ
#現代 #作家 #編集者 #恋愛 #距離感 #ホラー作家 #怖がり女子 #メタ構造 #人間ドラマ #すれ違い未満
あらすじ
怪異より恐ろしいのは、
人が「物語」を信じて暴れ出す瞬間。
ホラー作家の彼は、
現実さえ歪ませるような“嘘と恐怖の構造”を書き続けているが、
その隣にはいつも、極度の怖がりな担当編集がいる。
彼女は怯えながらも、
彼の作品の“最後の読者”として向き合い、
彼は彼女の震える反応ひとつで筆先が変わっていく。
怪談を書く男と、
怪談に弱い女の、
恐怖と恋愛の境界線で揺れる関係。
――恐怖の先に、恋があるのか。
それとも恋のせいで、恐怖が変わるのか。
怪奇×恋愛が同時進行する、メタ構造ラブストーリー。
タイトル
言葉は少し不器用なので
英題
Miss Leaks & Mosreads
タグ
#青春 #学園 #恋愛未満 #すれ違い #事故後 #言語障害 #ツンデレじゃないツン #人間ドラマ #心理 #不器用な恋
あらすじ
事故で身体だけじゃなく“言葉の向き”まで壊れた少女・シオリ。
言いたいことと、口から出る言葉が必ず逆になる。
助けてと言いたいのに「離れろ」。
ありがとうと言いたいのに「遅い」。
謝りたいのに「ムカつく」。
好きかもしれないのに「大嫌い」。
誰にも本音が届かない世界で、
たった一人だけ“逆さの言葉”を読み取る男子・ハヤトが現れる。
だけど、
“逆を読めば救われる” だけじゃ済まない。
本音が言えるようになった瞬間、
今度は「その本音に責任を持つのが怖い」という新しい地獄が始まる。
すれ違いでもない、嫌いでもない。
ただ、言葉が壊れただけの少女と、
それを読み取ろうとし続けた少年の、
一瞬だけ重なって、最後には揺らいで離れる青春ドラマ。
タイトル
半端にスイッチング
英題
Voiswitching
タグ
#現代 #恋愛 #声入れ替わり #カップル #デート #コンプレックス #演技 #すれ違い #心理 #ラブストーリー
あらすじ
恋人同士の真央と悠人。
ある朝、ふたりは“声だけ”が入れ替わってしまう。
自分の声が嫌いな真央と、
相手の声を使いこなせない悠人。
人前で話すのが怖い真央は、
「互いを演じてごまかす」デートを提案し、
ふたりは一日だけ、
“中身と声が逆の恋人ごっこ” を始める。
些細な言葉も、甘い一言も、
全部、「相手の声」でしか言えない。
演じることで本音が漏れ、
ごまかすことで本心が刺さる。
声がズレたまま、ふたりの距離だけが近づいていく。
タイトル
ヘイト・ラブ・コンバージョン
英題
Reverse Logic Rough Love
タグ
#SF #ディストピア #思考実験 #論理 #システム #内面描写 #長編 #オフィス #偽りの恋 #すれ違い #冷徹 #葛藤 #社長 #上司と部下 #執着 #社会人 #職場 #上司部下 #同僚 #片思い #クール #インテリ #強気女子 #再会 #すれ違い #秘密 #切ない #苦しい #苦い恋 #救い #現代
あらすじ
憎悪を感知すると、強制的に恋愛感情へと置換する『ヘイト・ラブ・コンバージョン』が社会に導入されたディストピア。それは、人類が血の歴史から逃れるために生み出した、「平和」という名の思考停止だった。
主人公は、このシステムと、かつて自分を冷徹に切り捨てた監査役の男を心底から嫌悪している。しかし、憎むべき彼と再会した瞬間、システムが作動。「殺意にも似た嫌悪」は「吐き気とときめきが混ざった偽りの恋」へと強制的に変換されてしまう。
彼の冷酷な言動を思い出すほど、脳は彼を美化し、愛を求める。身体と心が引き裂かれる地獄のような一週間。「好き」という感情が完全に欠落したまま、「考えることを止められない」という名の恋煩いに侵された主人公は、このシステムが作った呪いから逃れるため、一つの冷たい真実へと辿り着く。
――偽物の「恋」は終わった。では、「愛」とは何か?
これは、与えられた感情を拒絶し、自らの意志で世界との関係性を再構築しようとする、孤独な女の静かな闘いの記録である。
タイトル
調香
英題
Musk of Mistake
タグ
#現代 #恋愛未満 #大人向け #社会人 #年上女性 #他人同士 #心理 #依存 #癒し #匂い #フェティッシュ #マッサージ #密室 #シリアス #切ない
あらすじ
疲労とストレスで壊れかけた会社員が、偶然入った住宅街の裏にある小さな調香サロンで、常識の外側にいる女性調香師と出会う。
彼女は人を「社会的存在」として見るのではなく、匂い・筋肉の緩み・体液の変化という生物的反応だけを観察する“上位生物めいた存在”。
主人公が失敗し、みっともない姿を晒しても、彼女は一切怒らず、羞恥すら現象として受け止める。
その異常な無条件肯定は、主人公の壊れた心を癒やすと同時に、危うい依存を生み、やがて「彼女の価値観は慈愛なのか、それとも嗅覚的嗜好なのか」という核心へと迫っていく。
最終的に主人公は“自分という人間の匂いすべて”を肯定され、社会では得られない奇妙な救いを受け取る物語。
タイトル
元ヤン悪役令嬢
英題
Gangster
Grace
Grade
タグ
#現代 #学園 #悪役令嬢 #元ヤン #執事 #関係性重視 #喧嘩上等 #ギャップ #成長物語 #シリアス #バディ #上流階級 #社交界 #ダンス #チーム戦 #逆転劇
あらすじ
新任執事が出会った令嬢は、
淑女として完璧なのに──
立ち姿だけ“喧嘩前のトップ”のそれだった。
社交界で雑に扱われ、
便利に犯人候補にされる彼女は、
怒鳴らず、泣かず、
ただ冷静に状況を“読む”。
元ヤンにしてゲーマーという異端の出自から来る勘と、淑女として磨いた礼儀。
その両方を武器に、
彼女は夜会の罠も嫌味も、
全部“逆転劇の材料”に変えてしまう。
これは、
暴力で世界を壊していた少女が、
知性と礼節で世界を上書きし直す物語。
タイトル
レンタル彼氏vsレンタル彼女
英題
Overcharged Romance
タグ
#現代 #恋愛 #レンタル彼氏 #レンタル彼女 #デート #意地張り #両片思い #ラブコメ #駆け引き #社会人
あらすじ
レンタル彼氏。
レンタル彼女。
どちらも「プロとして恋人役をする」だけのはずだった。
──なのに、客が急にキャンセルして逃げたせいで、
“レンタル同士”が二人きりでデートを続ける羽目になる。
本音は隠す。
プロ意識は崩さない。
相手が気を抜いたら負け。
そんな意地の張り合いが、
いつの間にか “誰より素の自分を見せられる時間” に変わっていく。
でも最後に渡されたのは、
本来客に渡すはずだった──先払いのレシート。
“これ、あなたのだよね?”
“……気づいてた?”
互いに気づかないふりをしていた “好き” が、
一番笑えない形でバレる瞬間から始まる、
意地と恋心のデッドヒート・ラブコメ。
タイトル
恋の天気予報士
タグ
#現代 #元女子アナ #再生物語 #心理 #学校 #教師 #講演 #青春 #恋愛相談 #気象 #雨の日 #すれ違い #成長 #人間ドラマ
あらすじ
元女子アナの葵は、仕事を失い、
「誰の天気に合わせて生きてきたんだろう」と自問し続けていた。
そんな折、母校から特別講義を頼まれ、
彼女は生徒たちに“天気は運じゃなくて使うもの”だと語る。
晴れ、曇り、雨──
それぞれの天気には、人の気持ちと距離を変える力がある。
恋もまた、その気象の中で“演出できる”はずだと。
しかし、生徒たちは失敗し、
葵自身も過去の苦い出来事と向き合うことになる。
天気は味方にも武器にもなる。
ただ流される人生にするか、選び取る人生にするか。
葵と生徒たちはそれぞれの“空模様”と向き合い、
自分の言葉で一歩を踏み出す物語。
タイトル
『逆タイムカプセル』
タグ
#恋愛小説 #青春 #SF #タイムループ #未来からの手紙 #学園 #後悔
あらすじ
机の奥から見つかった一通の手紙。
「十年後、俺は君に会えなくて後悔している」…という手紙が学校全員分届く。
それは一人分の声では終わらず、同じ言葉を宿した無数の手紙として増殖していく。
誰が、いつ、最初に書いたのか。
彼女は“犯人探し”ではなく、“起点”を探しに歩き出す――未来を失敗で終わらせないために。
タイトル
『傷だらけの熱田さん』
タグ
#恋愛小説 #青春 #学園 #片思い #噂 #心理描写 #静かな恋 #声
あらすじ
松葉杖、包帯、眼帯。
倒れていないのに「勝った」と言われる少女・熱田さん。
低く優しい声と、傷を抱えた身体は、周囲の勝手な解釈によって“強さ”にすり替えられていく。
治らないのは、傷だけなのか。
噂と視線の中で、それでも彼女は今日を整えて立ち続ける。
タイトル
『列聖』
タグ
#宗教 #信仰 #聖人 #哲学 #人間ドラマ #ダーク
あらすじ
捨てられた両性具有の少女は、神父のもとで育ち、
やがて「新たな救世主になりたい」と願う。
戦争の傷を背負った青年と、信仰を守ろうとする神父。
祈りは、いつしか“奇跡”と呼ばれ、やがて世界は一変する。
それが、どこへ続く道なのかも知らぬままに。
タイトル
『殉教』
タグ
#戦争 #反戦 #歴史 #プロパガンダ #倫理
あらすじ
聖人は語られ、利用され、戦争の大義名分へと変えられる。
祈りは命令となり、殉教は模範として量産されていく。
だがやがて、人々は気づき始める。
それらの死が、ほとんど他人に理由を押し付けられただけのものだったことを。
地元の聖人が消され、物語が壊れた土地で、
戦争は静かに成立しなくなっていく。
タイトル
『LONGINUS』
タグ
#SF #宇宙 #宇宙開発 #哲学SF
あらすじ
戦争のために磨かれた技術は、やがて宇宙へと転用される。
かつて聖人と呼ばれた一人の人生を基盤に、
人類はついに地球の外へ手を伸ばす。
タイトル
『諸国民の神』
タグ
あらすじ
――それは、神に近づくための、五つの試練。
静寂に包まれた村、深淵なる森、地下に眠る遺跡、そして秩序の都市。 探索者たちは、あるひとつの「死」をきっかけに、閉ざされた土地の歴史を巡る旅に出る。
そこに待ち受けるのは、五つの名家と、彼らが守り抜く「信仰」の正体。 正気と狂気の境界線を踏み越える、全五部作の壮大な年代記。
第一部『天与歴程』
――眠りは祝福か、それとも呪いか。
舞台は、山あいに位置する「眠り村」。 そこでは住人たちが突如として深い眠りに落ち、目覚めることなく穏やかな時を過ごしていた。 警察関係者である探索者たちは、奇妙な「窒息死」を遂げた知人の足跡を追い、この静すぎる村へと足を踏み入れる。 霧に閉ざされた村で、葛西一族が掘り進める坑道の奥に、君たちは何を見るのか。
第二部『大きな森の小さな人間』
――純粋なる祈りは、時に何よりも残酷だ。
村の調査を経て、探索者たちは深く鬱蒼とした森の中へ。 そこには、文明から切り離された小さな小屋と、ただひたすらに祭壇を守る森崎一族の子供たちがいた。 彼らが崇める「神に最も近い存在」。 森の奥で蠢く影と、決して持ち出してはならない「禁忌」。 それを手にした時、君たちの常識は音を立てて崩れ去る。
第三部『諸国民の神』
――富なき信仰は、ただの形骸に過ぎない。
発見された古代の地下遺跡。 その歴史的価値と眠れる資源を巡り、企業と調査隊が入り乱れる。 御堂一族が掲げる「経済という名の信仰」は、遺跡の静寂を無情にも踏み荒らしていく。 壁に残された不可解な文字。地下深くに鎮座する巨大な祭壇。 神話と欲望が交錯する地下迷宮で、探索者たちは「聖典」の真の意味を知ることになる。
第四部『護教正義』
――正義は人の手になく、神の律にのみ宿る。
時は流れ、信仰は巨大な秩序へと変貌を遂げる。 御巫一族が司る「アトミック神教」の聖地にて、異端を裁く宗教裁判が開廷される。 圧倒的な科学と信仰が融合した都市で、個人の倫理は無力だ。 「正義」の名の下に下される断罪。 抗う術を持たぬ君たちは、その法廷で何を叫ぶのか。
第五部『功労夢』
――真実を知る者は、皆、孤独に生きねばならない。
旅の果て、辿り着いたのは管理された理想郷。 しかしそこは、誰も信じられず、誰もが裏切りを懐に隠し持つ、冷たい楽園だった。 朝霧一族が握る世界の秘密。 張り巡らされた諜報の網と、崩壊していく信頼関係。 長く苦しい夢の終わり、君たちが選ぶのは「孤独な真実」か、それとも「幸福な虚偽」か。 林檎の木の下で、物語は幕を閉じる。




