給料を払う日
「あああ、今日も仕事か」
朝起きた私は伸びをしながら呟く。顔を洗うとパンとヨーグルトをさっと食べる。これ以外を食べようとすると電車の時間に間に合わなくなるのだ。
満員の電車に乗り込み、それだけでもう疲れ切りながら職場に着いた私は、自分の席にすでに山になっている書類を発見した。
私は次から次へと書類を片付けていくが、新しい書類も次から次へと現れる。そして私は時間になるまで書類と格闘し続けた。
終業時間になり席を立った私は、今日が給料日であるので部長の席の方へと向かった。そこではすでに同僚たちが列を作っている。
「今月も大変だったな」
「俺、来月働けるか分からねえわ」
同僚とそんな会話をしながら待っていると私の順番が回ってくる。
部長は私から封筒を受け取ると中身を確認し、そして「来月も働くか?」と尋ねてきた。
「はい、もちろんです」
「ではそう申請しておこう」
帰路の電車に揺られながら私は考える。
社会の発展で働かなくても暮らしていけるようになっり、人は暇を持て余すようになった。
その結果、働く側が会社に金を払って暇つぶしとして働くようになったのだが、これはなにかがおかしいのではないだろうか?
しかし永遠に続く退屈に比べればはるかにマシであることは間違いないのである。