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激突!冥界竜!

 俺はイアン、リオンの父親だ……

 俺は全身が針で刺されているかのような痛みを感じていた。いや、痛みだと錯覚するような怒りを感じていた。

 リオンが……死んだ……?そんなことは信じない……信じたくない…!

 あいつは、俺と同じくらい凄い、いやそれ以上の剣士で冒険者なんだ!

 今すぐ、あの竜と精霊をぶっ殺してやりたい!!

 だが、その感情は父親としての感情だ。

 現実は残酷で俺の本能はコイツラには勝てないと訴えてきている。

 だから、俺は仕方なく逃亡を決意した。

 不思議なことにリオンを殺したあの最強(さいきょう)最恐(さいきょう)最凶(さいきょう)な光を放つ気配はない……使えないのか、使わないのか……とにかく、俺は逃亡を始めた

 だが、最初と違うことが一つだけある。

 それは、竜がまったくいないことだ。魔物もまったくいない。いるにはいるが、普段と比べれば格段に弱い。

 まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 そして、森の外に出ると……

 盛大な拍手でお出迎えされた。

『流石、勇者様だ!』『やはり、格が違うな!』

『ゆうしゃ様とリオンくんのさいきょうコンビはやっぱり強いね!!………あれ?リオンくんは…?』

 冒険者や生徒、先生方の驚きの視線が突き刺さる

「そうだ……あいつは……リオンは…死んだ」

 その言葉に全員が息をのみ、目を見張った

「リオンは消された、冥界竜と竜の特徴を取り込んだ精霊によって」

 冒険者は黙祷(もくとう)をし始め、生徒たちは声をあげて泣き始めた。

 リオンの死はみんなの心に悲しみと絶望をもたらした。

 ()()()()()()()()()

 その時、あたりに笑い声が響き渡った

「ハハハハハハ!!あんなにちょうしに乗ってたくせに負けるなんてだっせぇ!」

 その声の主は、サウル。

「お前……何を言って……」

 サウルは勇者様の言葉を遮り、一言発した

「めざめろ!めいかい竜!!」

 そして、漂う不穏な空気と遠くからでもわかる凶悪な咆哮が森から上がった

「竜をこの森に連れてきたのも、この襲撃を起こしたのも……全てお前が計画したのか…?」

「そうだ!!俺が計画したんだ!全てはリオンを殺すために!!」

「そうか……お前には色々聞きたいことがあるが……こちらを優先しなければな!」

 目の前には、冥界竜がたたずんでいた。

「やれるだけやってやるぞ!」

「グオオオオオオオオ!!」

 ここで、勝てる希望などない戦いが始まった


 戦闘開始して10秒で、そこは地獄を表現したかのような悲惨な状態になっていた


 竜が移動するだけで、雷が乱立し戦場を黒く焦がす


 竜が吠えるだけで、衝撃波が生まれ全てを吹き飛ばす


 竜が尻尾を振るだけで、竜巻が生まれ全てを巻き込む


 ただ生物として普通のことをするだけでこの有様なのだ。

 竜が本気で暴れればこの国ぐらい簡単に滅ぼせるだろう、そのことに気がついた冒険者は絶望で心が折れた。

 まだ辛うじて折れてない者もいるが、すぐには動ける状態にはない。

 気がつけば、残りは勇者様のみとなっていた。

「くそっ!精霊武装!!」

 そして、精霊がその身に宿る。

 勇者様が今、出すことができる全力を解放した

「これで相手をしてやる!!うおおお!」

 剣が竜の体に当たる。が、「キイイイン」という甲高い音が鳴り響き、剣は鱗に阻まれてしまった。

「なんて硬いんだ……これじゃあ勝てないぞ……?」

 そして10分が経ち、勇者様の体はボロボロ、左目は潰れ、左手は消し飛んでおり内臓は深刻なダメージを負っていた。

 しかし、それでもその瞳には戦意が宿っているが、誰がどう見てもその命は風前の灯だと言うであろう。


 対して竜はというと無傷で、つまらなさそうに戦場を見ていた。

 その、勇者様が持つ戦意を感じたのか、一度視線を向けたが、小馬鹿にするように鼻を鳴らした後、その鋭い爪を振り下ろした。


 ごめん…リオン……お前の(かたき)……取れなかった……


 そして、爪が目前に迫る。最後の時を迎えようと目を閉じて、5秒経ってもなにも起こらない。

 恐る恐る目を開けると、そこにいたのは……

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