竜と激戦
2ヶ月の時間を経て、学校にずいぶん慣れてきて、皆と違和感なく過ごせるようになった(サウル君とはまだギスギスしている)。今日の日課は、
①魔術
これだけ、明らかに普段と違うため、2ヶ月前の言葉と比較し、今日、なにか起こると察してしまった
『今日は早く帰れそうだな!』『ラッキー!』『今日の魔術は賢者、アスター様がやってくれるんだって!』『マジか!なんでそんな偉人が授業してくれるんだ……?』
早く帰れることに喜ぶ者と違和感を覚え疑惑を浮かべる者の2通りに分かれていた。いいなぁ……何も知らない人は……僕なんて何が起きるのかヒヤヒヤしてるのに……
「魔術は校庭で行う。そのため、移動を開始しなさい」
「「「はぁい」」」
校庭につくと賢者様が待っていた……
全校生徒がすでに集まっていて1年生が最後らしい。
「もうなにか起こるっていっているようなものだよ
ね…」
「? どうしたの?リオン君?」
うん、絶対誰にもいわないようにしないと…
「いや、なんでもないよ」
「? それなら良いけど…」
どうしよう……本当に不安なんだけど……
「賢者様、全校生徒集まりました」
「よろしい、えー、皆の衆、良くぞ集まってくれた!わしは魔術を扱えるものにレジェンド魔法を伝授したいと思い、やってきたのじゃ!」
『レジェンド魔法!?』『本にしか載ってない幻の魔法じゃないか…!』『うっわ、まじかよ!魔法練習しとけばよかったぁぁぁぁぁぁ!!』
「静まれぇ!この魔法には3種類ある。1つ目にアル
ティメットバレット、小さい魔法陣を召喚し小さな弾を大量に飛ばす魔法じゃ。2つ目はアルティメットダイナマイト、量は少ないが1回の威力が桁違いじゃ。着弾地点で大爆発する。3つ目はアルティメットキャノン、世界最強の攻撃魔法だ。大きな魔法陣を眼の前に召喚する。溜めをする時間があるがその分強力な威力になっている。」
ふむふむ、3つしかレジェンド魔法はないと?一番強いやつを僕は使えるんだね……
「それでは、実際に見せてあげたいとおも…」
その時だった、前触れは無く、前兆もなく、そう、唐突に街中の明かりが赤くなり、放送が流れた
『緊急事態発生、緊急事態発生!森の方角から無数の巨大な魔力を感知!至急応戦せよ!繰り返す!森の方角から無数の巨大な魔力を感知!至急応戦せよ!』
「ふむ、ついに来たか。よし、実勢形式で見せよう。空間転移」
校庭のど真ん中。そこに森へとつながるゲートが出現した。
「焦らず、中に入るが良い。消えたりしないからの!」
門をくぐり、森の前に行くと……
居た、たくさんの冒険者が。その中に……
「あ!パパだ!」
「お、リオンも来たか!ならば安心だな!」
そう言いながら茶目っ気ぽく笑う。しかしその笑顔は強張っており、かなり緊張していることがわかった。パパがこんなに緊張するなんて……
相手はどんだけ強いんだろう……?
そして、待つこと5分、遠くからウオオオオオオォォォォ…という声とも音とも言えないようなものが聞こえてきた。
「パパ…これは…?」
「竜だ」
「竜…」
竜なら勝てる!
………けど…アルティメットキャノンは見せたくないなぁ……
「パパ、僕の剣通用すると思う?」
「うーん、難しいところだな……身体神化を使うことができれば通じると思うが……身体強化だと……難しいかもしれないな……」
「そっか!なら大丈夫だね!」
「何を言ってるんだ?通用しないって言って……いや、そういうことか…使えるようになったんだな?」
「うん!そうなの!」
「それなら勝てるだろうな!」
そして、笑ったパパの顔はさっきと違い安心していた。おそらく、僕がけがをするのが怖かったのかな?
「よーし!がんばるぞ!」
「「「「ウオオオオオオオオオォォ!!」」」」
気合を入れた次の瞬間、およそ50体の竜が飛んできた
「「身体神化!」」
そして……
一瞬で終わった。結果は僕たちの圧勝、というか僕とパパで切り刻んだ。
「弱いねぇ!」
「うーむ……もう少し苦戦すると思っていたんだが……
簡単すぎて拍子抜けだな…」
「無事終わっただけでもいいじゃん!」
「そうだな!それじゃあ、かえ……」
「「「ウオオオオオオオオオォォォォォォ!」」」
さらなる竜が来たその数およそ60体、さらに、どこからともなく黒い光が竜を癒し、蘇生させた…
「嘘だろ…」
「ならば、蘇生できないほど倒し尽くしてしまえば良いのじゃ!アルティメットキャノン!」
そうして放たれたのはリオンの半分の威力のビーム。だが、その威力絶大で……全ての竜を塵にした。しかし、それと同時に援軍の竜が到着、再び激戦が始まった
「クソッ……きりがなさすぎる…本当にどうしたものか…」
そろそろ覚悟を決めたほうがいいのかな…?いや、もう少しぐらいなら大丈夫!……じゃないか…仕方ない…
そして…リオンは竜の前に飛び出した
「おい!?何やってるんだ!?早く戻ってこい!!」
その言葉を無視し、さらに進む。そして……
「アルティメットキャノン!!」
リオンは最強の技を全力でぶっ放した。
援軍に来た竜だけでなく、更にその奥の竜も殺し尽くした
「……え?……」
「リオン……それ……使えたのか…?」
「うん!そうだよ!びっくりした?」
生徒たちは、放心状態。
教師たちは、目が飛び出るほど驚いている
だが、そんなこと関係ないとばかりに100いや200を超える竜が迫ってきた。
明らかにおかしい。みんながそう思った。自然発生にしては多すぎる。
まずは、賢者様が打ち込んだ。しかし、耐久力も上がっているのか、傷を負ったものの、死ぬことはなかった
「なんじゃと……!?」
「ぼくにまかせて!」
ここでリオンが動く
「アルティメットキャノン!!」
今回は1発じゃない。2発でもない。その数、8。今回もしっかり消し尽くした。それとほぼ同時に飛んでくる。この繰り返し。永遠に終わらない
「ねぇ、ぱぱ?もりのおくにいかない?」
「奥?何故だ?」
「だって量がおかしいじゃん?たぶんしょうかんされているとおもうんだよね」
「やっぱり、リオンも同じことを考えていたか……よし、いいだろう!一緒に行くぞ!……ところで、賢者様…」
「分かっておる!ここは任せて先に行くが良い!!」
「ありがとうございます。よし!行くぞリオン」
「よぉし!がんばるぞぉ!」