学校体験
「リオンそろそろ行くぞ!」
「はーい!いまいくね!」
そして今日は学校に見学にいく日!とっても楽しみ!
あれから、毎日、素振りとMPが枯渇するまで魔法
を使い続けてきて、自信もついたから学校でもうまくできる気がする!
あ、後ね、家で錬金術と鍛冶の練習をしたらその2つのサブジョブを手に入れたからそこら辺の人より上手に作れるようにはなったよ!もしかしたら、ジョブの入手速度の速さがチート能力なのかな?まあ、詳しいことはよくわからないや。
そして馬車で乗ること5時間……
「ねえパパ、長くない?もう疲れちゃった」
「ん?そうか?……ああ、そうだったな、まだ4歳なのか。4歳には長時間座りっぱなしはきついか。だが、そろそろ着くぞ。」
「ほんと!? やたっ!楽しみだな~!」
そして、学校に着いたんだけど、最初は目を疑ったんだ。到着したのはお城みたいな大きい建物なんだ!
「ねえ、パパこれが学校?」
「そうだ、これからここに通うんだぞ」
「すごーくおっきいねぇ」
「そうだなこの街一番の大きさだと思うぞ」
「まずはどこにいくの?」
「まずは剣の腕前をみてもらうか」
「うん!」
門が近づいてきたのに止まる気配がないの。なんでかなー?と思ってたらそのまま通り過ぎちゃったんだ。
「パパ、門とおりすぎちゃったけどいいの?」
「ああ、そのことか。事前に行ってあったから通れただけだ。」
思わず聞いちゃうくらいにびっくりしたんだ、でもパパはなんてこと無いふうに言っていたから、これが常識なのか、と思って聞いてたらどうやら違うらしくて、パパって偉い人なんだって!
昔、魔物の軍団が襲ってきたときに一番前で多くの魔物を倒したんだって!てことはさ、そんな強いパパに剣の腕前を認められたのって結構凄いことなんじゃないかな?ほんとにびっくりしたな~!
駐車場みたいなところに馬車を止めて校舎に入った
の、そしたら誰か待っててね。誰だろー?と思ってたら
「イアンさん、お待ちしておりました」
「ええ、校長先生、リオンをこれからよろしくお願いします」
なんと校長先生だったんだ!
「リオンです!こうちょうせんせ、よろしくおねがいします!」
「リオンくんよろしくな」
とっても優しそうで良かった!これで怖い人だったらどうしようかと思ってたから。ところが安心したのも束の間、校長先生はパパより強いんだって!なんか今日たくさんびっくりしている気がするなぁ!
「それでは、何がいいかの?」
「まずは剣術を頼みたい。俺の子がどれだけできるのか知っておきたいからな。」
「はい、分かりました。では着いてきてください。」
校長先生に着いていくと、裏庭に着いた。
「まずはこのカカシを切ってください。」
そう言って指さされたのは、真っ黒のカカシ。僕が家で切ったのは本物の藁でできてたから素材が違うのかな?でもパパが焦ってなにか言ってるんだよね
「ちょっと待ってください!このカカシは学校を卒業するときに使うものじゃないですか!なぜ入学する前に切らせるんですか!」
「逆ですよ。先に敗北感を感じさせることで更に努力させるんですよ」
「なるほど。でも4歳にはかなり酷何じゃないですか?」
「学校に行くならそんな甘ったれたことは言えませんよ」
こんなことを話していたんだ。切るのは簡単そうなんだけど、話の内容的に切ったら凄いことになりそうなんだよね。
だからカカシを少しだけ切るにとどめたんだよ。
なのにね
「カカシを少しだけでも切ったのか…!?」
「リオン、お前すごいな!」
とまあ、大興奮してるんだよ。もう、なんで!
「じゃあ、剣はごうかく?」
「もちろん合格だ。さて、次はどうしようか。魔法と錬金術、鍛冶のどれがいい?まあ、これらは最低限できていればいい」
「うーん…れんきんじゅつってなにするの?」
「ポーションや魔道具などの日用品の作成だな。ちなみに鍛冶は武器や防具の作成だぞ。魔法は攻撃したり傷を癒やしたり様々だな」
「まずはれんきんじゅつがいい!」
「分かったぞ。ついてくるがいい」
ポーションの作成ができるってことは抽出や魔力を込めることもできるよね。てことは鍛冶と錬金術を組み合わせたら魔剣とかも作れるんじゃない!?
この後は、鍛冶にしよ。こういうことをやっ
たらどうなるのか実験したいしね!
「ほれ、着いたぞ」
「わ~!」
そこには理科室のような場所でいろんな物が置いてあったの!
「今回は、ローポーションの作成まで行ければいいと思うぞ」
「え~?ローポーション?もう作れるよ?」
「え?ローポーションをもう作れるのか?」
「うん!つくれるよ!みててね!ローポーションさくせい!」
材料に手を向けてそう唱えると、手が青くひかり、ローポーションができた
「「………」」
あれ?なんか固まってる……もしかして作り方が間違っていたのかな…?
「どうしたの?なんか違った?も、もしかして怒られる…?」
「いやいや、そういうわけじゃないぞ!ただいきなりポーションが出てきたからびっくりしただけだ。もしかして、他のポーションを作ることができるのか?」
「ううん、できないよ。いっかいつくったことがあるポーションしかこんなふうに作れないもん!ローポーションしか作ったことがないよ!」
「ローポーションはどうやって作ったんじゃ?」
「本をよんで勉強して、ママにたのんでざいりょうをそろえてもらったんだ!」
「ふむふむ、つまり字を読み、内容を理解することができるんじゃな?」
「そうだって言ってるじゃん!」
「イアンさん、この子はかなり凄い。この年で文字を読めるとは思ってもいませんでした」
「それでは錬金術も…?」
「ああ、合格だ。次は何がい……」
「鍛冶がいい!」
「分かった。次は鍛冶場に案内しよう。」
何作ろうかな?普段使いできるように剣?それとも実験で魔剣作成?どうしよっかな~
「ここが鍛冶場だ」
「うう…あつい…」
「ここは、武器を作るときには火をつけるからそりゃ暑いに決まっておるだろう?まずは基礎からやる、まずは鉄を火に入れて、金槌で形を変えてみなさい」
「はい!ところで、まけんってつくれるの?」
「まあ、作れることには作れるぞ。ただ、錬金術も極めないといけないから作れる人が今は居ないんだ。」
「そうなんだ」
じゃあ、魔剣を作ったら目立っちゃうのか……じゃあ普通に剣作ろー
カン、カン、カン
「できたー!」
「ふむふむ…質もなかなか良い、強度、柔軟性もありそうだ…こんなもの、一級の鍛冶職人でも作るのに苦労するぞ…?」
「こうちょうせんせ!かじは?ごうかく?」
「む?もちろん合格だ。この剣は記念に持って行くが良い」
「いいの!? ありがとう!」
「次は魔法を使うので校庭に行きますぞ。」
「はーい」
そういえば人を見かけないなぁ?
「ひろーい!」
校庭だけでも東京ドームレベルの広さがあったんだよね。だけどね、誰も居ないの校舎にも校庭にも!
「ほかのひとたちは?いないの?」
「今日は、週末。つまり休みじゃ。今日は生徒は居ないぞ!」
「そうなんだ!」
「じゃあ、初級魔法のファイアは使えるか?」
「うん!使えるよ!」
「は…?」
「え?なんかだめだった?」
「うーむ……魔法を教えるところから始めるつもりだったから何をしたらいいか…まあ、とりあえずやってみてくれ」
うーん…レベル上がってるから、調節して…ろうそくぐらいの大きさにしておこうかな…
「ふぁいあ!」
ポッとろうそくの大きさほどの火の塊が出てきた
「ちゃんと使えるようで何よりじゃ。正式にこの子の入学を認めよう」
「やったー!」
「校長先生、質問があるんですが学年はどこから始めさせるつもりなのでしょうか?」
「ふむ……この感じならば3年ぐらいから始めさせようと思っているが……」
「いえ、1年から始めさせてください。確かに日常で使えるものが良くできているのは今日のリオンを見れば分かります。しかし、勉強やマナー、友達付き合いなどを学ぶには1年から始めさせるのが良いかと思います。いかがでしょうか?」
「確かにそれも一里あるな。そのようにしよう。」
「ありがとうございます。では、明日から登校ということでよろしいでしょうか」
「うむ、それで良い。それでは、また明日」
「こうちょうせんせ、ありがとうございました!」