最終決戦②
「リオ……ン……?」
「グワァァァァ!!」
リオンが吠える。それだけで、天候が変わり雷雨となる。冥界竜ですら、天候は変えられなかったのにである。
つまり、今のリオンはステータス、スキル共に冥界竜以上だという事だ
「頼む!みんな力を貸してくれ!リオンを止めるんだ!」
「「「おおぉぉ!!」」」
だが、その努力は虚しく、無となる
「いくぞ!アルティメットキャノン!!」
賢者様のアルティメットキャノンも簡単に弾き飛ばされる。しかし、リオンは魔法もスキルも使う素振りがない。理性もなくして暴れるだけなのだ。
(なんでだ?あの竜はずっと理性を持ち人の言葉を理解していた……つまり……リオンは抗っている……?)
「あははは……なら、希望はまだあるのか!」
「《破壊の爪》……」
「な……!? グゥゥ!?」
勇者様の剣は砕かれ、右の肩から左脇にかけて重傷を負ってしまった。
「ガハッ……」
肺に血が入り呼吸ができなくなる。死ぬその時、リオンの爪が迫る。
「ごめん、リオン……パパ……助けてあげれなかった……」
だが、その爪は顔の目の前で止まっている。
「え?」
―――――――――――――――――――――――
「………!、……ン!、…オン!、リオン!起きろ!」
「うーん……?あれ、サウル君?」
「良かった、目が覚めたか。」
「あれ?でも、サウル君は裏切ったんじゃ?」
「いや、そういうわけじゃあ、側からみたら、そうだな。俺って別に裏切ったわけじゃなくて、乗っ取られてただけだし」
「それって、どこから?」
「うーんと、勇者様……リオンのお父様と訓練する数日前だな」
「あ、結構前なんだね」
よかったー!本心から裏切ってたんじゃなくて!
「そうなんだよ。っていうか、信じてくれるのか!?」
「当たり前じゃん。友達でしょ?」
「そうか……ありがとうな、リオン!」
「うん! とりあえず、ここは?」
僕は檻の中には閉じ込められてたの!
「ここは、リオンの頭の中。正式名称でいうなら精神世界だ。本来だったら、認識できないはずなんだが、体の主導権を奪われてるから来れたんじゃねぇか?」
「なるほど」
そう受け答えしながらも見渡すと、大きなスクリーンが目に入った。
「あれは……パパ?」
「そうだ。リオンが見てる景色だ。」
そしてスクリーンの前。光の円の中には人の形をした竜と禍々しい雰囲気を出している精霊がいた
「もしかして……あの中に立てば主導権取り戻せる?」
「そうだと思うが……結論に辿り着くの早くないか?俺は1時間ぐらいかかったぞ?」
「まあ、伊達に強者としてやってないから」
さて、どうするか……
「流石に武器ないと厳しいよね?」
「そりゃあな。魔法があるって言っても、竜と精霊だから効果は薄いよな」
「となると剣だけど……」
「剣は持ち込めねぇよ。精神世界だからな。最硬金属ならまだしもな」
「最硬金属……か」
その時、足元に転がる金色に輝く石を見つけたんだ!
「これが最硬金属?」
「そう!これだよ!どこにあったんだ!?」
「普通に足元にあったよ?」
「あれか?リオンが起きたから……?」
「でも、こんなのあったところで、使えないよ。」
「それじゃあ、貸してもらってもいいか?」
「え?うん。いいけど……」
何するんだろ?
「実はさ俺って特別なスキルを使えるんだよね。」
「え!?そうなの?」
「一回しか使えないんだけどさ、《神聖剣生成》っていうんだけど。剣を作り出せるんだよ。それも伝説の」
「えっ?もしかして……?」
「うん、これを使って剣を作ろうと思う」
「いや、でも一回しか使えないんでしょ?」
「そうだけど、もう使える機会はないから」
「どういう事?まだサウル君は生きているんだから可能性は!」
「俺は……死んでる。魂は生きてるけど、体は死んでるから何もできないんだよ。だから、このスキル。使わせて」
そう話して笑っているサウル君はどこか寂しそうだった
「うん。わかった!それじゃあ……お願い!
「おう!!任せろ!!《神聖剣生成》!!」
『《神聖剣生成》が発動されます……成功しました。《神聖剣ホリネスサーベル》を生成します』
「これ……!?すごい力を感じる!!」
「良かった。成功して……」
「サ、サウル君……体が、透けて……?」
「俺は……スキルの力で魂がこの世に留まってただけなんだよ。そのスキルがなくなったんだから、消えるに決まってるだろ?」
「だめ!だめ……!消えないで!」
「リオン……頼んだよ!あいつを倒して……」
「サウル君!」
サウルは光の粒子となり上に向かって登って行った。
「サウル君……グスン……サウル君……ありがとうぅ……」
泣いててもしょうがないよね……あいつを倒して主導権を取り戻さないと……
「行くよ!精霊さん!」
「無論だとも!」
「精霊流一式《精霊の斬撃》」
檻は粉々に砕け、脱出に成功した。
「ヤットコノ体モ竜ノ力ニ順応シテキタカ。ヤットスキルヲ使エル!《破壊の爪》!!」
「させない!精霊流二式《精霊乱舞》!!」
間一髪で爪を止めることに成功したんだ!
「ナゼダ!?精霊力ニモ魔力ニモ強イ檻ヲ作ッタノニナゼ抜ケ出シテイル!?」
「あなたが操ってた子のおかげだよ。その子が神聖剣を作ってくれたんだ。本物の神力と比べたら、弱いし、脆いだろうけどね。でも、今の僕には十分だよ。」
「フザケルナ!神力ヲ纏ッタ剣ダト?ソンナモノガアッテタマルカ!」
「ふーん、別に信じなくてもいいけど普通に倒すからね」
「死ネ!《破壊の爪》」
「精霊流三式《精霊の霧》!からの精霊流二式《精霊乱舞》!!」
「ナゼダ!ナゼ当タラナイ!」
僕は全ての爪、咆哮を避け続け、攻撃を当て続けていた。
「精霊流五式《精霊の波動》!」
「グゥゥ!?動ケン!?何ヲシタ!?」
「これはプラスの波だって言ったでしょ?あなたの体はマイナスで出来てるんだから、体を分解できるんだよ」
「ソンナ馬鹿ナ!? ソンナコトヨリナゼ再生出来ナイノダ!?」
「あなた、面倒くさいね。もういいや。精霊流奥義《破滅の祝福》」
「《破滅の咆哮》!」
白き闇と破滅の力がぶつかり合う。だが、白き闇が全てを包み、辺りは真っ白になる
「我ハマタ負ケタノカ……友ヨ……オ前マデ巻き込ンデシマッタナ。スマヌ」
その言葉に呼応するかのように、精霊が輝く。
「クハハハ……ソウカ許シテクレルノカ……弱イママデ死ヌノハ尺ダガ、強イ人間ト戦イ、死ネルのナラ悔イハナイ……」
なんか可哀想……この竜さんだって冥界がいいところだったら、こっちに侵略しようとしてきてないだろうし……
「もし、あなたがそっちがいいなら、僕の中にいる?」
「!? 何ヲ言ッテルノダ!?」
「僕が取り込めば死なないし、少しずつになるけど強くなれるよ?どう?」
「クハハハ! 我ニ慈悲ヲクレルノカ!?全ク面白イ人間ダナ!気ニ入ッタ!オ前ト共ニ行コウ!」
「それじゃあ、契約しよ?」
「イイトモ!早クヤルゾ!」
僕の手に紋章が浮かび、竜の背中にも紋章が浮かぶ。
「あ、あれ?精霊さん!?何これ!?あなたと契約した時とは違うよ!?」
「当たり前であろう。妾とリオンは対等じゃが、冥界竜はリオンの従魔という扱いになるからの。」
「え!?竜さんはそれでいいの?」
「構ワナイ。本来ナラバ負ケレバ死ぬ。ソレガ自然ノ摂理ナノダ。ソレナノニ、二度モ助ケラレタ。明ラカニ、この人間……リオンノ方ガ強イダロウ」
「そうか!なら、契約進めるね」
契約が進むにつれ、紋章がはっきりと刻まれる。そして……
『冥界竜との契約が完了しました。冥界竜は、精霊力・神力を取り込み天界竜に状態変化します……成功しました。』
「なんと!? 我が天界竜に進化したのか!」
「正式にはちがうのう。冥界竜と天界竜は対となる存在。状態変化が正しいの」
「まあ、いいじゃん!細かいことは!そうだな……みんなにも名前をつけるよ!」
「おお!妾にもくれるのだろうな?」
「我もだ」
「―――!」
「うーん、じゃあ、精霊王さんは、エル!天界竜さんは、ムート!竜精霊さんはビル!」
「うむ、気に入ったぞ!」
「我も同感だ」
「―――♡」
『天界竜改めムートと竜精霊改めビルとの確固たる絆を確認しました。よって、天使の力と竜力を獲得します。』
おお、なんか色々力手に入れた見たい。
多分、天界竜になって得たスキルと冥界竜だった時に使えたスキルが使えるってことかな?天界竜のスキルはわからないけど冥界竜のスキルは剣なくても使えるからいざという時には使えそうだね。まだ、使う機会は無さそう。まぁ、みんな気に入ってくれたみたいで良かった!
「それじゃあ僕はパパのところに帰るね」
「それじゃあの!」
「我が君に感謝を」
「ーーー!」
―――――――――――――――――――――――
リオンの動きが止まり、爪が勇者様の顔の目の前で止まる。そう、このタイミングこそがリオンが、冥界竜に攻撃をした瞬間だった。
「リオンが……戦ってるということか?」
そして、リオンがまた、動き出す。
「まて、お前は誰だ?」
勇者様は警戒を怠らず、リオンの体に剣を向ける
「僕だよ。リオンだよ。パパ!」
リオンは満面の笑みを浮かべる
「本当にリオンなのか……?」
「うん!パパ!」
「良かった。無事で……本当に良かった……」
周りの状況は悲惨で、死んでる冒険者や、重傷を負ってる人もいた。
「すごく……酷い状況だね」
「そりゃあな。冥界竜とリオンの力が合わさってたら、太刀打ちできないよ」
「そうだよね……」
何か……できないかなぁ……?
「ステータスオープン」
名前:リオン
LV945
ユニークジョブ《賢者(28/30)》
ノーマルジョブ
サブジョブ 《錬金術師》《鍛冶師》
スキル 《アイテムボックス》《鑑定》《破壊の爪》《破滅の咆哮》《死者蘇生》《身体復元》《魂復元》
HP :98248
MP :66473
筋力 :91371
知力 :35991
俊敏 :97121
体力 :51824
物理攻撃:93668
攻撃魔力:93396
治癒魔力:31489
付与魔力:99317
……え?……ん?……は?……夢……かな?
死んでる人回復できそうだけど、どうやってそのスキルを使えることを知ったって聞かれそうだしなぁ……一か八か聞いてみるか
「パパ?ステータスって知ってる?」
さあ、これで知らなかったら、詰む。多分追及される。頼む知っててくれ……
「ステータス?」
ああ、これは知らないパターンだ終わった
「ああ、ステータスか。知ってるぞ」
よし、賭け成功。
「実はね。冥界竜を倒した時に、レベルとか上がってスキル獲得したの。使ってみてもいい?」
「いいけど……なんだ?」
「見てて?《身体復元》《魂復元》!《死者蘇生》!!」
明るく、白く輝く光がリオンから溢れ出る。それは傷ついた冒険者達を癒し、全快させる。
「ふふん!凄いでしょ!!」
「ああ……驚いた。お前、ユニークジョブを持ってたんだな……」
「え……?」
な、なんで?まさか、このスキル達って賢者しか覚えない?
「お前が使ったスキルは誰でも覚えることはできる。だが、発動まですることができるのは、賢者だけなんだ」
すると、みんなが
『リオン君、賢者持ってるの!?』『そりゃあ、強いな』『魔法も剣も極めすぎだよぉ……』
先生達までもが
『はぁ……これ、もう隠せないですよね?』『無理であろうな』『確実に中央には連れてかれるな』『隠してても意味なかったですね……』
こんな反応してた。うーん、もうちょと隠しておきたかったな。
ていうより、この世界で唯一、アルティメットエリクサーを量産できて、尚且つ、アルティメットキャノンを使うことができて、精霊王、冥界竜改め天界竜と契約してて、ステータスがおかしいってこと?え?それ絶対連れて行かれない?大丈夫……じゃない気がしてきた……
「リオンよ」
「あ、賢者様……」
「よいよい、そんな敬語など、お主も賢者を持ってあるのだろう?」
「はい。そうですね。持ってますよ。」
「その歳でか……わしが得たのは50の時だったかのぉ……」
「そんなことはいいじゃないですか。何か用があったから話しかけたんですよね?」
「そうじゃ、中央王都指令都市。通称、中央から、呼び出しじゃ」
「そうですか……パパはどう思う?」
「自分個人の話で言うなら行って欲しく無い。だけど、リオンが成長するいい機会でもあるから、行ってもいいとは思う」
「わしも同意見じゃ」
「あ!校長先生!」
「むしろ、行かなかった場合、国軍が派遣されるぞ。」
それなら、行かない選択肢ないじゃん……。あーあ……結局行くのか……中央に……
ここまで読んでくれてありがとうございました(*^^*)
サウル君とは永遠の別れをし、新たな仲間が増えるという展開になりました。少しでも面白いと思ってもらえたのなら幸いです。
さて、少し今後の話をしますとこの物語を一旦中断しようと考えています。この物語以外に、投稿済みなのが3つ、未投稿なのが1つあります。普通に時間も気力も足りないので、投稿済みなものが、完結。もしくはキリのいいところまでいったら、再び書こうと思います。もし、興味がある方は、トリプルストーリーの3人の方にも行ってあげてください!
改めまして、ここまで読んでくれてありがとうございました!!




