表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様男子と恋する乙女の恋愛譚  作者: シト
1年生、1学期
17/57

17話 勉強会 2

 そのまま勉強会は普通に何事もなく進んで行った。

 天翼は分からなかった所がだいぶ多かったが、そのほとんどは右京に回ってくることは無く、陽色や清那が教えていた。

 時々、陽色が分からないと言って、差し出したものを見ると、

 「いや、これまだまだ先のやつじゃん! 何でやってんだよ!」

 右京は軽く叫び声を上げた。

 「だって、早めに予習しときたいじゃないですか〜」

 陽色は唇を尖らせて言った。

 「まあ良いか。どうせ俺も1年先まで予習してるし」

 右京はそう言って、陽色に教えだした。数分後、

 「なるほど! 分かりました! ありがとうございます」

 と陽色が顔を上げ、笑顔でそう言った。

 「おう」

 と右京はそれに応えて、バイトに戻った。

 右京はその後しばらく、皿洗いをしたり、テーブルを拭いたりして、しっかりと仕事をした。

 昼時になり、右京のバイトが終わると店長が

 「君たち、お昼はどうするの? どうせならここで食べて行かない?」

 と声を右京を含めた6人にかけた。

 「じゃあ、そうします」

 と漣が代表して、答えた。

 結局、それぞれカフェのメニューの軽食を頼んだ。店長は店のメニューに無いものでも作ると言ったが、流石にいたたまれなかったため、断った。

 それ程までに、休日のバイト中に友達を連れて来たことが嬉しかったのだろう。平日は殆ど毎日来ているが。

 各々で頼んだものを食べて、腹を満たした後、再び勉強を再開した。

 右京はココアを注文し、自分の勉強に集中した。皆もそれぞれ自分で勉強していた。幸い、今度は天翼も殆ど自分で分かったようで、誰かに聞くようなことも無かった。

 そのまま外は5時のチャイムが鳴り始めた。

 「んん? あ〜、もうこんな時間か……」

 右京はそれを聞いて、手を止めて伸びをした。

 「そうだな、そろそろ解散と行こうか」

 漣はそれに応えて皆に呼び掛けた。

 「僕まだ不安なんだけど……」

 天翼が顔をしかめながらそう言うと、

 「天翼、明日もあるからね」

 と清那が言い、

 「おまけに右京もバイトじゃないからな」

 と漣が付け足した。

 「え、何で漣くんは知ってるんですか?!」

 当たり前のように右京の予定を把握していた漣に陽色は驚いた反応を見せた。

 「そりゃ、俺だから」

 漣は茶化して答えた。

 「というのは適当で、ホントの所は右京の寝起きが悪すぎて、毎朝漣が起こしに行ってるだけ〜」

 清那は正直に言った。

 「へ〜! そうなんですね! どんな感じ何ですか?」

 陽色はそれを聞いて、逆に目を輝かせて尋ねてきた。

 「そうだな……、右京の寝起きはマジで何も出来ない。言えばするけど、着替えとかはしっかりと手元まで服を持っていかないと出来ないんだよな。朝飯も食べないし」

 と漣は真面目に答えた。

 「おい! 漣!」

 右京は流石に少し怒ったが、

 「じゃあお前、バイトある日、または学校がある日に1人で起きられるか?」

 と漣は余裕綽々といった様子で返した。

 「ぐ……。くっそ! 俺の寝起きがもうちょっと良ければ!」

 右京は悔しそうに吐き捨てた。

 「それちょっと見てみたいですね〜」

 陽色が面白がった顔でそう言うと、

 「じゃあ明日、右京がいつも下りる駅で集合するか」

 「そうしましょう!」

 漣はすぐに応答して、予定まで速攻で決めていた。

 「あ、俺終わった」

 右京はそれを見て、全てを諦めた。

 「どんまい」

 「まあ陽色ちゃんだから、大丈夫だと思うよ」

 そんな右京の肩に手を置き、慰める清那と笑ってとりなす天翼だった。

 「と言っても、私右京くんが下りる駅知らないんですけど……」

 と陽色が思い出したように言った。

 「あぁ、いつも電車で来てないんだったな。この駅だ」

 漣はスマホで駅の名前を見せると、

 「え、私の最寄り駅なんですけど……」

 陽色は驚いたように、目を丸くした。

 「え? マジ?」

 「大マジです」

 漣が面白そうに問いかけると、陽色は笑って頷き返した。

 「余計に危なくなってきたんだが?」

 「まあまあ」

 右京が陽色を指差しながらそう言うと、流石に天翼も苦笑した。



 そして翌日、陽色と漣は右京の最寄り駅に集まった。

 「よし、それじゃ行くか」

 「そうですね」

 2人はそう言って、歩き出した。

 「そういえば、朝だから右京くんの親もいるんじゃないですか? ちょっと失礼かもしれないです」

 と陽色が焦ったようにそう言うと、

 「いや、居るのは右京の親じゃなくて、叔母なんだよ。それに毎朝俺が起こしに行ってるから大丈夫」

 漣は落ち着いた表情で返した。

 「あ、それ私が聞いて良いやつなんですか?」

 陽色が少し不安そうな顔で聞くと、

 「うん、大丈夫大丈夫。だって、右京の事情聞いたところで、好きな気持ちは変わらんだろうし。ていうか調べてるから、これぐらい知ってんじゃないの?」

 漣は手を振りながら答えて、逆に問い返した。

 「あぁ……、流石にそんな無神経じゃないです。そこだけは見ないようにしました」

 と陽色は答えた。

 「まあそれもそうだな。お、ここだぞ」

 漣がそう言って、目の前のマンションを指差した。

 陽色は、生唾を飲み込み、覚悟を決めた。

ラブコメ要素が無い? ハッハッハ! 気にしないでくれ。今から頑張ります……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ