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あとはご自由にどうぞ。~神様が本気出してラスボス倒したので私はただスローライフする~ 【ComicREXでコミカライズ連載中!!】  作者: 鬼影スパナ
おうち充実編

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情報の後出しは卑怯だぞ。



 イノシシ肉をステーキサイズに切り分けて焼いてみた。熟成? 下手にやって腐らせたくないし、やらないでおく。今度肉屋に聞いてみるか。


「山の幸を食べて育ったのかなぁ。イノシシってば美味しいねぇ」

「これは塩かけて焼くだけでご馳走ですね、カリーナお姉さん」


 血抜きが完璧なおかげか全然臭みがなく、うま味が強い。

 豚肉の進化系みたいな感じ。あー、お米食べたくなるわぁ。


 しかしさすがディア君、私と同じものを同じように食べてるはずなのに、ナイフとフォークは音も立てずに肉を切り分け口へと運ぶ。海賊のアジトにあった同じ食器とは思えない性能だ。


 イノシシステーキだが、正確には、オーブンの如く暑くした空間に放り込んだので、ステーキというよりローストイノシシだ。


 これはお風呂に次いでサウナをつくろうとした際、ディア君に「どのくらい熱くできるんですか?」と尋ねられ、試してみたら上限は200度を余裕で超えるっぽい――さすがに維持するのには魔力消費がありそうだった――ので、オーブンにできることが判明したのだ。


脂身(ラード)で揚げ物も作れるなこれ。空間魔法って料理に向いてるのかもしれない。切ったりもできるし」


 なんなら薪を集めて空間圧縮による圧気発火現象で火をつける手もある。

 水も海水から真水を抽出できるし、逆に塩だって作れる。空間拡張による真空化でもいい、真空だと水は常温で沸騰するからな。


「有効利用ではあると思いますが、かなり無駄遣いではあると思いますね……」

「魔法なんて、便利に使えるのが一番なんだよディア君。国を滅ぼす強大な攻撃魔法より、生活に役立つ魔法の方が使いどころが多いのさ」


 私は手の甲で口を拭い、浄化魔法をかけて綺麗にした。


「それは……確かにそうですね」


 同意するディア君。どこから取り出したのかハンカチで口を拭いた。うーん、この男の娘、やっぱりお嬢様だなぁ……



「キッチンもちゃんと作りたいね。このリビングのテーブルやソファーも、海賊のアジトから手に入れたやつじゃなくて新品とか用意したくない?」

「そうですね、テーブルや椅子はともかく、布やクッションはなんか臭いますし」

「そうなんだよねぇ。クローゼットなんかも妙に煙臭いというかなんというか」


 と、そこにコトンと音がして、振り向くとSPカタログが落ちていた。

 なんと恣意的なことに家具のページが開かれている。ダブルベッド100SP……


「神様、さては見てるな?」


 コッショリ君は現在私の部屋に移動してあるため、リビングやお風呂は神様の覗けるスペースになっているのだ。せめてお風呂やトイレは覗かないでもらいたい所存。


「ディア君、お風呂に入るときは声かけてもらってもいいかな」

「え!? な、なな、何でですか?」

「いや、覗き見防止アイテムを貸そうかと……」

「い、いりませんっ! ボクは男なので覗かれても恥ずかしくないです!」


 ふぅん、じゃあいいか。存分に神様に見られておくれ。



 カタログを見て思い出したが、現在SPが1000溜まっている。

 家具なんかは別に神様に頼まなくても町で買えるから、交換すべきは町では手に入らないレアな品。スキル習得のスクロール等だ。


 ディア君にも使えたらよかったんだけど、スキル習得スクロールは私専用と注意書きが増えていた。後から書き足すな神様、情報の後出しは卑怯だぞ。いや、交換した後に言われるよりはいいんだけど。


 で、こういうのはどういう風に交換すべきだろうか……私はこのところすっかり頼りにしているディア君に丸投げすることにした。


「ねぇディア君。実はこういうのがあって、私パワーアップできるんだけどどういうの交換したらいいと思う?」

「SPカタログ……? え、お姉さん今以上に強くなってどうするんですか?」


 うん、ごもっともである。私はすでに十分強い。近距離では体術なんてなくても無敵状態(スターモード)で蹴散らせるし、遠距離でも空間魔法は万能だ。


「とはいえ、普通に手に入れるには難しいスキルもありますね。特に耐性系がいいんじゃないでしょうか」

「え、スキル習得スクロールって普通に手に入るもんなの?」

「ダンジョンとかで手に入るそうです。手に入れた人がそのまま使うことが多いんですが、中にはオークションで売りに出されたりもするとか」


 ダンジョン! オークション! そういうのもあるのか!!


「よっしゃ、今度ダンジョンにいってみよう! どこにあるのかな?」

「すみません、このあたりの地理には疎くて……そうだ。手紙で聞いてみますか?」

「確かに聞けば一発で分かりそうだ」


 なにせマリア婆は前領主夫人。その手の情報も持ってるだろう。

 でもなー、あんまり借り作ると良いように働かされそうな空気あるんだよな、マリア婆。


「……いや! ここは自分達で情報収集しよう! その方が冒険者っぽい!」

「まずはカリーナ・ショーニンとして動くということですね。分かりました」


 実際にダンジョンに行ってスクロールを入手するのを目標としておこう。

 ま、被っても嫌だしそれまでSP交換はお預けだね。



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「あとはご自由にどうぞ!」の書影です! Ixy先生の書いたカリーナちゃんとディア君ちゃんだぁ!!!
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ラノオンアワード2022年10月刊の笑った部門受賞!! 売れて!!!!

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新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
[一言] カタログ、SPを稼(供物を貢)がせる為に送ったのなら失敗なのかな? それとも取り敢えず一石を投じてどんな動きをするのかを楽しんでいるのかも? あの女神様、色々とネタの宝庫みたいなので何が狙い…
[一言] まぁ別にこの人強くなるのも稼ぐのも必要ないことだから、目標ではあっても目的ではないんだよな… 過程も存分に楽しんでくれ でも弱点が無敵化を意識していない状態での不意打ちだから、攻撃系はとも…
[良い点] 神様はディア君を覗き放題とな? ディア君お上品これは立派なご令嬢ですね! 各種知識が無い状態だと教養のある娘がいると新たな知識が得られていいですね [一言] 更新お疲れ様です
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