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あとはご自由にどうぞ。~神様が本気出してラスボス倒したので私はただスローライフする~ 【ComicREXでコミカライズ連載中!!】  作者: 鬼影スパナ
港町ヴェーラルド

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港町ヴェーラルドの商人ギルド

(そういえばイトコが子供産んでました。おめでとう!

 ……私より年下なんだわ。あー、私も結婚してぇわぁ……)



 私カリーナ、裸の付き合いでオバちゃんたちは大体トモダチ。若い子もちらほらいたんだけどなぁ、みんな遠巻きにしてたなぁ。

 なんでぇ? 下心バレてた? ぷるぷる、私悪い女の子じゃないよぅ。

 お酒の力を借りねば女の子と仲良くはなれぬというのか……

 いや、おばちゃん達が女の子じゃないとは言わないけどさ。うん。



 と、いうわけで。お風呂ですっかり綺麗になった私がやってきました商人ギルド!


 オバちゃん達にも「ほらココしっかり洗わないと!」「耳の後ろ忘れがちだからねぇ」「なんだ尻尾は無いのかい。てっきりアレな時期の獣人かと」とか言われつつばっちり体中を洗ったので、もう体臭を気にする必要はないってなもんよ。

 少なくとも今日明日くらいは。


「さーて、お酒買ってくれるとこあるかなー、そしてローション仕入れねば」


 サティたん曰く、商人ギルドに聞けばお酒を売れるお店とかを教えてくれるらしい。

 ヴェーラルドなら少し利益が出る(経費込み)し、ローションも十分買えるだろうとの事だ。どのくらい買えるかなー。


 そんなワクワクした気持ちで商人ギルドに足を踏み入れたところ、中に海賊が居ました。

 んんー?


「あれ、ここって商人ギルド……ですか?」

「そうだが」


 嘘ぉ!? バンダナを巻いた船員やら、ドクロマーク付きの船長帽を被った厳つい眼帯のオッサンやら、どうみても海賊なんだが!? どう見ても海賊のアジトなんだが!?

 あるいは海賊に制圧された後の酒場なんだが!?


「あー……お嬢さん、ヴェーラルドは初めてか?」


 私が呆気に取られていると、職員らしい男の人が話しかけてきた。


「あ、はい。初めてです」

「なら今お嬢ちゃんは『まるで海賊のアジトだ』と思ったことだろう」

「ええ、まぁ」

「大体合ってる。海賊は海の商人の一種だしな」


 海賊――私掠船乗務員。交易許可のない船から積み荷を奪うことを生業とする者たち。なんと国の許可を得ている『公務員』であるらしい。


 そうなのか……じゃあ勝手に海賊を襲ってお宝奪うとかしちゃだめなのかぁ。


「丁度彼らも一仕事終えたところでね。興奮状態だから近づかない方が良いよ。それで何の用かな」

「あ、はい。酒を売れる場所とローションを仕入れられる場所を教えてください」

「酒免許は無いってことだね、了解。ローションは粉末のかい? 酒問屋は――」


「おう! 酒か! 俺が買ってやろうか! 丁度酒が欲しかったんだ」


 私と職員さんの話に割り込んでくる海賊の人。船長っぽい偉そうな帽子に眼帯だ。

 この世界の人よく絡んでくるんだけどなんなん? あ、私が美人だからか?


「職員さん、この人酒免許持ってます?」

「……持ってないね。3本までなら個人取引としていいところだけど」

「じゃあ3本だけかなぁ。代金は――」

「ほらよっ!」


 そう言って、ちゃりんちゃりん、と銅貨3枚を投げてくる。

 床に散らばる3枚の銅貨。


 あん?


「さっさと拾えよ。ああ、お前を一晩買ってやってもいいぞ」

「職員さん、あの人お金落としましたよ。それとも喧嘩を売りに来たんですかね」

「ちょ、ゴメスさん!! ギルド員同士の揉め事は御法度ですよ!」

「いいじゃねぇか。ローションとかも聞こえたぞ? お前が使うんだろ、相手してやるよ」


 そう言って酒臭い息で肩を抱こうとしてきたので、私はするりと身をかわした。

 せっかく風呂屋で綺麗にしてきたのに汚い手で触るんじゃねぇよ?


 まったくブレイド先輩とは大違い――いや、よく考えるとブレイド先輩もこんな感じだったっけ? うーん、このゴメスってのもいい人だったりするんだろうか……


「フッ、私を買いたければ金貨100枚持ってくるんだな、酔っぱらい」

「100枚か? そうだなぁ、俺の女になるなら考えてやらんでもないぜ」


 ブレイド先輩を撃退した私の決め台詞に海賊ゴメスがそう返す。

 マジかよ。海賊そんな稼げんの?


「いやまぁダメだけどな。めっちゃケチみたいだし」

「は? 俺様のどこがケチだって?」

「頭も悪いの? そこの銅貨3枚とかドケチの証明じゃん。そんなちっちぇえ男に靡く女なんていねーわ」


 しかも「やる」じゃなくて「考えてやる」だし。結局くれないやつじゃん。


「だ、だ、だ、誰がちっちぇぇだと!?」

「お? この程度で怒っちゃう器の小さい男がいるのかなぁー? どこどこー? 小さすぎて見えないヤツぅー? 小指よりちいさいヤツなんておりゅぅー?」

「ーーーーッ!!!!」


 あらあら、ゴメスさんお顔が真っ赤ですことよ?

 そんなに私が小指クイクイ曲げる仕草に興奮しちゃった?


「ちょ、あなた何煽ってるんですか!」

「えー? やだなぁ職員さん。これで怒るのは自分の器が小さいと認めるってことでしょ? 器の大きい人なら全く関係ない話だって。ん? まさか職員さん、ここにそんな器の小さい人がいるとおっしゃってる?」

「…………いえ、その!?」

「フーッ、フーッ……!」


 ごめんねー、職員さん。巻き込んじゃって。

 精一杯呼吸を整えてるゴメス。

 ここで怒ったら小物って自分を認めちゃうことになるもんねぇ。フフフ。




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「あとはご自由にどうぞ!」の書影です! Ixy先生の書いたカリーナちゃんとディア君ちゃんだぁ!!!
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ラノオンアワード2022年10月刊の笑った部門受賞!! 売れて!!!!

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新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
やっぱメス臭…… あと趣味全振りのこんなの書いてるなら結婚なんてしない方が身のためな気はするなぁ 趣味が合う人で気も会う人って中々いないし うちの兄は晩年結婚でオタクの嫁を捕まえてたけど。 元ヤンだけ…
[良い点] 煽りよる煽りよるw [気になる点] これ作者様絶対Vtuber好きだよね?w [一言] だんぼるの作者様と同じ方でしたかぁw 面白いわけだw
[一言] 女神のチュートリアルで人格が破壊された結果がこれだよ!
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