それ10点満点?
「というわけでこの魔道具さえあれば私も一般人って寸法よぉ!」
「そうなのですね、カリーナ様」
ラクト先生に魔道具を確認してもらった後、教室にてフレッタちゃんにも自慢した。
が、フレッタちゃんはこの魔道具の価値を良く分かっていない模様。まぁ私も実感全然ないんだけどね。
「しかしこの魔道具を5人の奥様達がお作りになられたのですか。一晩で」
「そ。優秀でしょ? あ、フレッタちゃんも何か欲しいのがあったら言ってよ。5人とも新作作りたくてウズウズしてるからさ。当面はこの魔道具の改良すると思うけど」
多分私の身体(素材)を差し出せば片手間に作ってくれると思うんだよね。
「我が家にも魔道具はありますし、欲しい物といっても……ああ、むしろ我が家の魔道具をお見せしましょうか? かのテッシンの一流魔道具士が手がけた一品がありますのよ」
「へー。どんなの?」
「ずばり魔剣ですわ! 魔法の杖の機能を持ち、剣としても一級品。剣自体も炎を纏う機能がありますのよ!」
「なにそれ面白そう。見たいみたーい!」
「良いですわよ、奥様方もお連れして構いませんわ!」
と、訪問の約束を取り付けようとしたところ、私を挟んでフレッタちゃんの反対側に座っていたディア君が声をかけてきた。
「……フレアタルト。止めておいた方が良いですよ?」
「あらディーアソルト様。私、5人の奥様方とも仲良くできましてよ? きっといい勉強になると思いますわ!」
「そうですね、いい勉強になりそうですね」
「まぁまぁディア君ったらもう。私とフレッタちゃんが仲良くするのに嫉妬しちゃったー?」
もー、ダメだよディア君、婚約者に冷たくしちゃ。
そういう男は『ざまぁ』されるぞー?……あ、ディア君は女の子だから大丈夫か?
「ディア君も一緒に行こ?」
「いえ、ボクは遠慮しておきます。政治的に面倒なことになりかねないので」
「政治的に」
くっ、政治とか全く分からん。じゃあ仕方ない……!
「……私も行っちゃだめだったりする? みんな連れてくのとかも」
「いえ。お姉さんは好きにして構いません。……それに、フレアタルトにもいい勉強になるでしょうし」
「あ、そう? じゃあフレッタちゃん。今日の放課後遊びに行っていい?」
「良いですわ! ふふふ、お友達を家に招待するなんて、初めてですわ……! 早退して準備しようかしら」
「フレアタルト。学業を疎かにしては学生として本末転倒では?」
それ休学して旅してたディア君が言う? と思いつつも、フレッタちゃんを早退させるのは本意ではないので同意しておいた。
ちなみに今、ディア君は勉強が楽しいらしい。五大老の皆に教えてもらった魔道具関連の知識がバッチリガッチリ噛み合って、魔法への理解が凄く深まっているとか。
今まで分かっていなかった所が「あれってこういう事だったんだ」とパズルのピースがハマる感覚らしい。いいね、学生してるよ!
というわけで予習復習にも余念のないディア君は置いといて、私は五大老の皆を連れてフレッタちゃんの家に遊びに行くことになったのだ。
* * *
一旦帰ってから5人を連れてフレッタちゃんのおうちへやってきた。
場所は教えてもらっていたので迷子になることもなく……転移でも良かったのだがレナが「ちゃんと訪問しないと侵入者扱いされても知りませんよ?」とのことなので、馬車で送ってもらった。
「お待ちしておりましたわ、カリーナ様。奥様方」
大きな屋敷である。その門でフレッタちゃんが待ち構えていた。
「私はフレアタルト……フレッタと呼んでくださいまし」
「へぇ、カリちゃんが言ってた通り可愛い子だね」
「うーん、でもディア君ちゃんの方がそそる。エルフなら2番目だね!」
「わかりみ。でも可愛いのは確かだね。いい子いい子」
「魔力圧の感知ができる子なら良かったんだけどなー。で、魔道具あるんだって?」
「改良に協力してくれる人が居たら捗るもんね。まぁ孫娘っぽさはあるからヨシ!」
と、フレッタちゃんは早速5人にわちゃわちゃ可愛がられている。
その流れで自己紹介も適当に済ませた。
「では早速お茶会を……」
「「「「「そんな事より魔道具見せて!!!」」」」」」
わぁい。5人とも息ぴったり。まぁそれがメインだもんね。
「……良いですわ。お茶会しながらお見せしようと思っていたのですが。ディーアソルト様との友誼を深めるのに必要だと急遽お父様に許可を頂いておきましたの。こちらへどうぞ」
わーい! と5人、それと私もフレッタちゃんについていく。
ついていった先は庭で、お茶会の準備が整えられていた。わぁ素敵、なんかこう段々になってスコーンとか置いてあるヤツもあるじゃん。私の中の女心がキュンキュンしちゃうね!
でも、五大老の皆はその近くに台座と共に添えられた魔剣の方に直行して囲んでいた。
「剣として仕上げが甘い。5点」
「ただ剣の中に杖仕込んだだけじゃん。もっと創意工夫が欲しいなぁ。3点」
「まぁ練習で作った感じ? 雑ね。歴史的価値を加味して7点」
「この程度かぁ。ガッカリだよ。6点」
「ていうかこの魔法文字の止め跳ねの癖、ウチの大叔父だね……2点」
それ10点満点? え、100点満点で?
お、おぅ辛辣ぅ。
そして5人は一瞬で興味を失ってお茶会の席に着いた。
「息抜きにはちょうどいい見世物だったかなー。所詮骨董品だねー」
「ま、最初から期待してなかったけどね。本当にすごいのなら外出さないだろうし」
「あ、お茶美味しー。こっちは90点! さすが本場だねぇ」
「お茶菓子も美味しい。100点!」
「カリちゃんもフレッタちゃんもおいでおいで、一緒に食べよー?」
おーい、フレッタちゃん唖然としてるぞー?
「ちょっとみんな! フレッタちゃんイジメに来たんじゃないんだからね!? もう!」
「ご、ごめんてカリちゃん。あんまりにあんまりだったからつい……じゃあちょいとなんか作ってプレゼントするよ。本物の魔道具をね。このバターナイフ使っていい?」
「アクセサリー作ろうかな。カリちゃん金属素材頂戴。毒無効いれるから鉛とかでも大丈夫だよ。オリハルコンはやめてね、流石にここじゃ加工できないから」
「誰か宝石ある? 魔法仕込んだ魔道具にするよ。……小さいけどまぁこれでいっか。むしろ腕の見せ所」
「このティーポット加工するのはアリ? ナシ?」
「はい、インク作ったからこれ使ってー」
そしてお茶会のテーブルが即席の作業台になり、5分で魔道具が4つできた。
「……なんかごめんね、フレッタちゃん」
「い、いえ……家宝の魔剣だったのですけど。奥様達のお気に召さなかったようで……それで、コレは?」
完成した4つの魔道具。
「とりあえずその魔剣ってのと同等のバターナイフ作ってみた。あ、ぶつけ合ったらそっち壊れるから気を付けてね」
「毒無効のペンダントだよ。まぁ便利だからね。ヒュドラ毒くらいなら飲めるようになるよ」
「魔力入れたら上級火炎魔法ぶっぱできる指輪だよ。本体は宝石でイヤリングにもできるけど、狙いがつけにくいから指輪のままがおススメだよ」
「お茶味の水が出せるティーポットだよ。味だけ完全再現、どんな泥水でもお茶味になるよ」
「インク提供しましたー」
ということである。
「あの? なんか国宝級の品々……では?」
「え、そう?……そうかも? ちょっとみんな、やり過ぎてない?」
言われてみればそうかもしれない。そう思って五大老の皆に聞いてみる。
「いやー、最近また腕が上がっちゃってぇ」
「カリちゃんのお陰でレベルアップしまくりだから、このくらいは手慰みだよぉ」
「若返ってやる気満々で、しかもみんな全力で知識や技術共有してるからねぇ。フフフ」
「過去作が幼稚すぎて、ぜんぶ壊してアップデートしたいくらいだもんねー」
「そういえば好きに使っていい盗賊手に入った? まだ?」
一丸となった五大老は多分ヤバい。私でもなんかそう思った。
とりあえずこの品は迷惑料ってことで全部あげるね。どうぞどうぞ。
あ、スコーン美味しー。このジャムなんのジャム? 花? へぇー。お花のジャムなんてあるんだぁ。
(以下お知らせ)
明日コミカライズ3巻発売なので今日も更新しました!
『あとはご自由にどうぞ! ~チュートリアルで神様がラスボスを倒しちゃったので私は好き放題生きていく~』3巻 2/27発売!
【 - 店舗特典 - 】
メロンブックス
かんむり先生描き下ろしカラーイラストカード
TSUTAYA BOOKS(一部店舗除く)
かんむり先生描き下ろしカラーイラストカード
COMIC ZIN/書泉・芳林堂書店/ゲーマーズ/セブンネットショッピング/各電子書店 他(全て一部店舗除く)
かんむり先生描き下ろしペーパー
※それぞれ特典の仕様・実施は急遽変更になる可能性があります。ご了承ください。
……買ってね!!








