……まぁ友達として?
改めて見るが、フレッタちゃんは可愛らしい。エルフの中でも上位陣、ディア君に迫る勢いの可愛さだろう。
外見年齢もディア君に近く、お胸は少々だがドワーフの妻が5人いる私にとっては愛らしい程。
細く白い手足で、抱きしめたら壊してしまいそうなほどに可憐。
新緑のような薄緑の髪はサラサラとしており、かき上げるとふわっと花のいい香りがする。
……どーーーーーー考えても私よりディア君の隣に合うよこの子……!!
納得しかない婚約者である。
「えーっと。フレッタちゃんはディア君のど、どこが好きなの?」
「それはもう全部ですわ。でもその中でも、真面目で責任感のあるところでしょうか」
やだこの子、ちゃんとディア君の事好きじゃん……
「あー分かるー。ディア君って真面目で損しちゃうタイプではあるよね。そこがいいんだけど」
「はい。そのうえ、一度決めたことはやり遂げる努力家でもありますの」
「うんうん!」
ディア君、口に出したことはやり遂げるってタイプだもんね。
私のいう事聞くって約束だから女装も本当は嫌だけど……みたいな感じで男の娘になってるし。学校にもちゃんと女子制服で来てるし。
「カリーナ様はディーアソルト様のどこが好きですの?」
「え、あ、や、やっぱり可愛い所かなぁ。あと、魔道具作ってるときの真剣な顔、とか?」
フレッタちゃんに聞かれて、とっさに答えてしまった。答えることができてしまった。
……まぁ友達として? そう、友達として好きだからね。うん。
そうだ、むしろフレッタちゃんと2人でイチャイチャして欲しいな。鑑賞するから。混ぜてとまでは言わないから。
「魔道具! 昔から器用でしたが、今はそのような物を? ああ、私も見たいですわ」
「えと、じゃあ今度ウチくる? ディア君の作業スペースがあるの」
「是非! と、言いたいのですが、私、魔道具制作はとんと知らなくて。お邪魔になりませんか?」
「なんなら教えるからさ。一緒に作ろ」
「それならば喜んで。なにか必要な持ち物とかは?」
「特には……あ。動きやすい格好の方が良いかな。袖がヒラヒラしてると邪魔になるから」
「かしこまりましたわ。……ん? というか、なぜディーアソルト様の作業スペースがカリーナ様のお宅に?」
「ああ、一緒に住んでて。あ、へ、部屋は別だからね!」
「すでに同衾……!」
「ち、ちげーし。同居どまりだし」
「ディーアソルト様とお2人で、ひとつ屋根の下、というやつですわね!」
まぁ屋根ないけどね、拠点。天候ないし。
「2人、ではないかな。……アイシアも居るし、ペットに友達やら通い妻やらもちょいちょい来るし」
「通い妻?」
「あ、えっと。実はドワーフの妻が5人いて」
「ドワーフの妻、5人!?」
や、やっぱり驚かれるよねぇ。エルフって普通に一夫一妻制だそうだし。
「……そこのところ詳しく!」
「え、うん。旅をしててドワーフの国に行って、なんやかんやで気にいられちゃって。あ、ドワーフって多夫多妻制なんだよ。だから、下手すれば村全体で1家族、大人は全員夫婦夫婦で、夫婦夫夫婦夫婦、みたいな感じなのね」
「はぁ、なるほど。そういえば先ほど魔道具が、という話でしたものね。やはりその関係で?」
「そうなるのかな? 自信作をプレゼントするのがプロポーズらしくて、5人から貰っちゃって、その流れで晴れて夫婦に。あ、ディア君もその奥様達に魔道具作りを教わったりしてるよ」
「あちらの風習の流れで結婚してしまったのですか。なら仕方ない、のかしら? でも継承権とかどうなるんでしょう? 正妻は?」
ほほう。フレッタちゃんはドワーフ文化に興味がある模様。まかせろ、私はそこ詳しいんだ。
「ドワーフは一番モノづくりの腕がいい人が偉いの。血縁より腕前だね」
「では例えば王の子でも、継承権はない……より言えば、全国民に継承権がある、と?」
「そうだね。だから正妻とかいうのもなくてみんなで家族って感じ」
「血よりも教育。ある意味宗教系の国に近いのですね」
うんうん、と頷くフレッタちゃん。宗教かぁ。言われてみれば腕前を信仰する宗教っていっても過言ではない。
「しかし5人の妻……私、仲良くできるかしら」
と、真剣な顔をしている。ウチに遊びに来るときに鉢合わせた場合を考えているのか。
「大丈夫! みんないい子だから! 喧嘩を売らなければ、だけどね。何か手土産があるといいかも?」
「それはもちろんですの。ディーアソルト様の大事な人達です、礼節は忘れませんわ」
「うんうん、ならきっと大丈夫だよ」
フレッタちゃんなら五大老の皆ときっと仲良くできる。だって可愛いし。
みんな可愛い子大好きだもの。
「それで、カリーナ様は……ディーアソルト様の側室になりますの?」
「ふえ!? あ、えと。ち、ちがうよ? 私とディア君は健全なお付き合いというかお友達だから!」
「あら。でも将来的にはディア様の側室になるのでは? 私は構いませんわよ?」
「……えぇっと……な、なる、可能性は、なくはないかも……?」
「まぁまぁ!」
か、可能性の話だからね! ディア君は観賞用美少女だけど、可能性は「ゼロでない=なくはない」だから!
「ま、まぁ、ディア君から乞われたら検討しなくもない、かなー? 検討はね、うん」
「いけませんわカリーナ様。そのような消極的な態度では」
「……そ、そうかな?」
「考えてみてください。ドワーフといえど5人の妻が居るのですよ? ディーアソルト様も流石に気後れするのでは?」
「た、確かに!」
5人も妻がいる私に、ディア君が遠慮してしまう事は十分に考えられる……!
「やっぱり5人も妻がいるとダメだよね……」
「そんなことはありません。古来、ハイエルフの王は12人の妻を持ち月替わりで愛でていたと言います。それに比べれば半分程度ですもの」
「ハイエルフの王すげーな」
「当時は子供ができにくかったというのもありますが、ようは甲斐性ですわ」
甲斐性か。それならまぁ……ディア君一人くらい養っても余裕だ。ぶっちゃけ奥様達も稼げるし、ヒーラーとして荒稼ぎだってできる。そもそも空間魔法と拠点があれば砂漠のド真ん中でも食料に困らない。
「あ、でも実はドワーフ妻だけじゃなくてぇ……」
「……まだ何かありますの?」
「うん、実はその、マシロさんっていうイケモフの恋人がいてぇ……」
「イケモフ?……って、恋人ですの!? 妻に続いて恋人……あら。妻の方が衝撃がある話では?」
「その、男っぽくてカッコいい獣人でね?」
「ああ。だから……しかし、そんな趣味がおありでしたのね」
やはり獣人は特殊な趣味扱いになるようだ。
……ディア君も私の事そう思ってたりするのかなぁ。ううむ。否定できない。
「……男らしさへの憧れが高じて……?」
「そっ、その、女の子にされちゃうよねっ」
「あらまぁ。色々と合点がいきましたわ。でも大丈夫です! 私、そういうのにも理解がありますので!」
「そうなの?」
「理解がありますので!!」
とりあえず、フレッタちゃん的にはそんな私がディア君の側室になるのも問題ないらしい。
これが正妻の余裕ってやつか……!
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