クミンさんである。おひさー。
まぁそれはそれとして。
ディア君の倉庫を少し片づけておく。空間魔法を使えば家具の移動も楽々である。
「お姉さん、このソファーコピーして拠点にあるボクの部屋に置いてもらってもいいですか?」
「ん? おっけー」
そんな注文もしっかり受け付け、とりあえず余計な家具は私が預かることになった。
倉庫として使っていただけあって結構広々とした部屋となり、レナが喜んで掃除していた。まるで普通のメイドっぽい。
「みなさーん、ご飯できましたよー」
「おっしゃ待ってましたー!」
「いつもありがとうございますアイシアさん」
「お料理はアイシア先輩に敵いませんからね、ということにしておく後輩メイドの鑑です」
『ところで自分、厩舎とか行かなくて大丈夫っすかね? まぁ行きたくないっすけど』
と、アイシアの作った晩御飯を食べつつその日はゆっくりと休んだ。
* * *
で、翌日。朝から訪問者があった。
「ディー!! 帰ってきたならちゃんとこっちに顔出しなさい!!」
「姉様、ただいま戻りました」
クミンさんである。おひさー。
ディア君のお姉ちゃん、クミンさん。相変わらずの美人である。美人エルフ姉妹!
「失礼しましたカリーナさん。うちのディーが迷惑おかけしています。こんな倉庫に泊めるなんて! この町にもちゃんと家があるのに、なにやってるのよディー!」
「ああいえいえ。お気遣いなく。あ、そういえば預かってた荷物ってまだ返してないんですけど、今日にでも返します?」
「……?……あっ。いえ、そちらはカリーナさんの方でお納めしていただいて結構なので!」
今一瞬何のことかしらって顔になってたぞクミンさん。
「いやでもかなりの荷物と衣装……」
「本当に! 迷惑料だと思って受け取ってください! そしてディーを好きに着せ替え人形にしてやってください」
「わかりましたありがとうございます!」
いやー、そこまで言われたら受け取らないのは失礼だよね! そしてディア君を着せ替え人形にする許可を得た。
これで思う存分着せ替え人形にできるな!
ディア君がエルフの王族かもしれんが、お姉ちゃんから許可でたもんな!
ん? なんだいディア君。そんなジト目で。可愛いじゃないか。
「……いやまぁ、いいですけどね。今更ですし」
「ディア君今日も可愛いよディア君!」
お姉ちゃんの前だから照れてるのだろうね。
「それで姉様。何しに来たんですか? 挨拶だけということはないでしょう」
「挨拶だけよ? ディーがお世話になってるんだもの、当然じゃない」
「そうですか……あ、レナ。姉様にお茶を淹れて差し上げて」
「はい、準備整っております」
見るとレナがお茶会の準備を万端終えていた。
すげぇ、やり手のメイドに見える!
「カリーナ様。私はやり手どころか戦闘もこなせる至高のメイドでございますが? 高周波振動ナイフやガトリングガンも内臓していますし、な、な、なんとドリルアームの換装も可能でございます」
「おいおいロマンの塊かよ……くっ、悔しいが認めざるを得ない!」
手がドリルに換装できるとか、誰だよこれ作ったやつ。……混沌神か。
そしてそんな戦闘もこなせる万能メイドのレナが淹れた紅茶は、とっても芳醇で美味しかった。
えー、これどこの茶葉? アッサムとかダージリンとかそういうやつ?
ん? それは地球の地名由来だから存在しないんだ。なるほどー。
「まぁどんなクソ茶葉も、我が神器『美味萌恋』にかかれば極上の味わいになりますので」
「でもこの部屋にあった茶葉なら元々かなりいい奴なのでは?」
「まぁ控えめに言って王室御用達でしょうね。クミン様?」
「そうね。けれど普段頂いているものより美味しく感じるわ」
まぁ混沌神の手が加わってるようなもんだしな、ウチの神様も大絶賛するに違いない。
「ところで、その制服……ディー、学校に戻るのね?」
「あー……えっと。そもそもボクが女生徒制服を着ている点については?」
「よく似合ってるわ。私が学校に通っていたころを思い出すわね」
「……そうですか」
どうやらクミンさんはもうディア君の服装についてツッコむ気は無いらしい。
あんまり受け入れられるのもウチの神様的には『味わいが足りない』とか言いそうなところだけど、まぁいいだろう。本命は学校の同級生諸々である。
「私、ディア君との学校生活、楽しみにしてるからね!」
「……うぅ。お姉さんがそう言ってるので、復学します……」
「あらあら! カリーナさんがディーと同じ学校に!? 大丈夫かしら……学校側、教えられることがあればいいのだけど」
「まぁメインはディア君との学生生活なので!」
「なら大丈夫ね。カリーナさん、ディーの事、よろしくお願いします」
「あの。ボクの方が先輩になりますからね?」
「同じクラスに編入したいなぁ! なんとかなりません?」
「なんとかするわ。多分、形だけでも試験は受けてもらう事にはなると思うけど」
なるのか。言ってみるもんだな。
「それでは今日のうちに教科書諸々手配しておきますね」
「あ。はい。よろしくお願いします。あ、支払いはこれで足ります?」
「……金貨1枚あればお釣りが出ますよ。なのでその眩しい大金貨は仕舞っておいてください」
「あ、じゃあ金貨で。残りは手間賃ということでなんか美味しいものでも食べてください」
「……ありがとうございます、そこまで仰るなら頂いておきますね」
いやー、闘技場で荒稼ぎして懐があったかいから躊躇する必要がないぜ。
それに、趣味にこそお金は使うべきだからね! はっはっは!
(以下お知らせ)
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