表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとはご自由にどうぞ。~神様が本気出してラスボス倒したので私はただスローライフする~ 【ComicREXでコミカライズ連載中!!】  作者: 鬼影スパナ
隠れ里とドラゴン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

246/303

里長に挨拶


「遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました、巫女姫様」


 あの後戻ってきたヨウキに案内され、里長に挨拶することになった。最初は小さくなったとはいえサンダードラゴンのアーサーが一緒であることにたじろいだが、すぐに持ち直して挨拶をしてきた。

 なかなかに筋骨隆々で額にはやはり2本の角が生えている大人の男性。すっと綺麗に頭を下げてくるが、それでも私の目線よりやや高いほどだ。

 

「……(ごにょごにょ)」

「ふむふむ。うんうん。……巫女姫様は、苦しゅうないとおっしゃっている!」


 ディア君が私に耳打ちして、私が話す。


 これはディア君が嘘をつくのが心苦しそうだったのでこうした。

 ディア君は私に「苦しゅうないとか言っときます?」と提案してくれる。私はそれを聞いて、先ほどのように答えたのである。


 名付けて、『嘘じゃないよ、私がそう言ってんだ作戦』である!


 ディア君は私を巫女姫だと思ってるから私の発言ならこれで巫女姫の発言として成立する。

 ヨウキちゃん達はディア君を巫女姫だと思っているから、私を経由したディア君の発言だと思って成立する。

 どちらも納得する折衷案というやつだ。


 尚、私はディア君が巫女姫だと思っている派。だって巫女だし姫だし、絶対可愛いじゃん。ディア君にピッタリ。ね?


「長旅お疲れ様でございます巫女姫様。もうしばしお待ちください、些細なものですが歓迎の宴を準備いたしますゆえ……」

「(ごにょごにょ)いや1日ですし……というか歓迎する余裕があるのでしょうか? ドラゴンに襲われてるんですよね?」

「……ふむふむ。巫女姫様はそのような物資を使う余裕を心配しておられる。まさかドラゴンに襲われているというのは嘘ではあるまいな?」

「!? (ごにょっ)そこまで言ってませんっ」

「あと晩御飯はさっき食べたのでいらないとのことだ」


 コンテナの中で普通に晩御飯食べちゃったよね。歓迎してくれるなら食べさせてもらえばよかった。


「い、いえ! とんでもございません! ドラゴンは我々の食料に興味がないようで、食糧庫は無事なだけでして。ええ、では明日改めて歓迎の宴を」


 なるほど、そういうことか。


「だそうです巫女姫様。あ。ってかアーサーって飯普通に食うよね? 食糧庫襲わないとかあるの?――って聞いてください」

「あ、はい。……アーサー、どうなの?」

『食糧庫に置いてあるのって穀物とか野菜、あと干した肉っすよね? 新鮮な肉の方が好きなヤツなんでしょ。森に獲物があるから狙ってないだけっすよ多分』


 尚、アーサーは小型モードだが、今は単語帳使わないでドラゴン語である。

 その方が威厳が出るからという判断だ。


「……(ごにょごにょ)で、アーサーなんて言ってました?」

「ふむふむ。ドラゴン曰く、そのドラゴンはおそらく備蓄より新鮮な肉が好きなんだろうと言っているようだ」

「……であれば、やはり生贄を差し出さねばなりませんな……」


 がっくりと項垂れる里長。


「いや我々、それが正しいのかどうかを確かめるために来たのだけど」

「む、そ、そうなのですかな?」

「そうだよ? あれ、ヨウキちゃんそこ伝えてないの?」

「いえ、言いましたが。父は思い込んだら人の話を聞かないタチでして……」


 なるほど、ヨウキちゃん里長の娘だったのか。親子だねぇ。


「まぁ今日のところは休ませてもらおう。宿を置ける場所だけ提供して欲しい」

「宿、を、置ける場所、ですかな?」


 首をかしげる里長。


「うん。ヨウキちゃんなら分かるよね? ここまで一緒に来たわけだし」

「あ……はい。確かにあの箱のほうが快適ですね。ええ。父様、裏庭がよろしいかと」

「む? まぁ、巫女姫様御一行がそれでよいなら。こちらへどうぞ」


 というわけで、今日のところは裏庭にコンテナを置いて、その中で休むこととした。

 小箱をホイポイなカプセルのようにぽいっと投げてコンテナに換えれば、どこでもお宿の完成だ。

 尚、里長は「なんと面妖な!? 都会の魔道具はすごいのぅ……これはワシらでも買える代物なのか?」とヨウキに言っていた。残念、都会でも非売品だよ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「あとはご自由にどうぞ!」の書影です! Ixy先生の書いたカリーナちゃんとディア君ちゃんだぁ!!!
1588.jpg 1657.jpg 1837.jpg



書き下ろし:『ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子』MF文庫Jで発売中!!!

ラノオンアワード2022年10月刊の笑った部門受賞!! 売れて!!!!

322206001084.jpg

新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
[良い点] リアクションの良い親子だなぁw [一言] 巫女姫が2人… 来るぞ遊馬!
[一言] カルチャーショック的な反応をしそうな親子だなーw まだまだ美味しい反応をしてくれそう
[良い点] 似たもの親子ww 宿を置ける場所wwwパワーワード感ww 折衷案wwwディア君はかぁいいからね巫女姫にピッタリだもんねww [一言] 更新お疲れ様です
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ