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あとはご自由にどうぞ。~神様が本気出してラスボス倒したので私はただスローライフする~ 【ComicREXでコミカライズ連載中!!】  作者: 鬼影スパナ
獣王国、テラリアルビー

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楽勝だったのだ。だってドラゴンだよ?


 場面は飛ぶが、なんかディア君がテイマー大会の本戦、『大従魔杯』とかいうのに出て優勝した。


「……優勝、ディア選手ーーーーーーーーーッ! 新星の如く現れた白銀の姫!! 伝説の龍の巫女ーーーーーーーーーッ!! 相棒のドラゴンを乗りこなし、たった1体で大会を蹂躙したぁーーーーーーッッ!!」


「ど、どーも……」

『楽勝だったっすね! ディア君ちゃん!』


 そうなのだ。楽勝だったのだ。だってドラゴンだよ?

 そもそもテイマーでひとくくりにして重量無制限なのは、ボクシングで言えば男女混合最重(ヘビー)級から最軽(アトム)級までで戦うようなもので。100m走で自転車やバイク等での参加を許可しているようなもの。


 で、ドラゴンはそこにアイアンゴーレム連れてきたり新幹線(しかも助走可)を持ち込んだりするような環境破壊なわけだ。ひどい。


 まず大抵はひとにらみで動けなくなり、軽くブレスふけば倒れるし、空を飛べば手も足も出ない。鳥系のモンスターも居たけど、べしっと叩けばすぐ落ちた。

 サンダードラゴン、空でも隙はない。そして、唯一の弱点足りえるディア君(テイマー)も、五大老工房製ゴスロリドレスVer2.01によりかなり凶悪な防御力を得ている。


「アーサー、本当に無敵ですね」

『姐さん相手でもなきゃ負けねぇっすわ!!』

「あれ? そう考えると、お姉さん強すぎません?」

『今更っすよディア君ちゃん!』


 ちなみに賭けは優勝しても1.1倍のオッズ、しかも賭金上限が金貨1枚だった。シケてんにぇ。でも仕方ないね。ドラゴンだもの。

 優勝賞金が金貨20枚らしいし、ディア君お金持ちになったなー……あ、私もこの間金貨めっちゃ稼いだんだった! えへへ、大富豪!!


「えー、見事優勝したディア選手とアーサー様は、殿堂入りが決定しました! おめでとうございます!」

「殿堂入り?」

「はい! 大変名誉なことですよ! おめでとうございます!」

「……ありがとうございます?」


 と、司会のごり押しにディア君は頷いた。まぁ殿堂入りとは言うけど、実質出禁だ。勝てないから出ないでくれというやつである。……ドラゴンだもんなぁ。


 殿堂入りすると年金とか出るの? あ、出るんだ。じゃあ不労所得ってことじゃん。いいな。毎年徴収しに来ようね!!


「あ、ボクはエルフですけど大丈夫ですか?」

『自分もドラゴンなんで数百年くらいいけるっすよ?』

「……寿命長いっすね……だ、大丈夫です」


 かくして、ディア君はテイマー殿堂入りを果たした。

 よーし、今日はお祝いだぁ! 


 * * *


「龍の巫女様」


 控室で、ディアは白いローブを着た女にそう呼び止められた。

 ちなみにアーサーはちゃっかり小さくなってディア君の隣に飛んでいる。


「……ボクのことですかね?」

「はい。龍の巫女様。ご尊顔を拝めて恐悦至極に存じます」


 と、目隠しするように顔の少し前に両手重ねてから、深々と頭を下げる女。


「いえ、ボクは別に龍の巫女ではないのでお気になさらず。では」

「お待ちください。どうかお話を聞いてください巫女様!」

「そういうのボクに言われても困りますんで……」


 ディア君はさっさと控室から帰ろうとしたが、回り込まれた上に膝をつかれてしまった。さらに伏して嘆願の構えをとった。


「ドラゴン様と言葉を交わせる、それすなわち巫女の証……! どうか、どうか我々を助けてください、巫女姫様ァ!!」


 むむ、と足を止めるディア。助けて、と言われてしまった。

 ディアが憧れ、恋焦がれるあの人であれば――助けてと言われて、話も聞かずに放り出すようなことはしないだろうから。

 小声でアーサーと話をするディア。


「……ねぇアーサー? アーサーとしゃべる人が全員巫女ってことになるんですか?」

『え、どうなんすかね? しいていえば姐さんが巫女だと思うっすよ?』

「うーん。……じゃあアーサーが話聞いてあげてもらってもいいですか? ボクが聞くと巫女云々でややこしいことになりますし……」

『えー。まぁディア君ちゃんが言うなら仕方ないっすね』


 尚、ここまでアーサーは単語帳で会話している。随分と慣れたものだった。

 ……が、相手は伏していてこちらを見ていない。


「ほら、顔を上げてください。アーサーが話聞くんで」

「あ、ありがとうございます巫女様!……え? ど、ドラゴン様が!?」


 顔を上げた女の視界に、アーサーが単語帳を開いて示す。


『ほら話せよ下等生物』


 尚、カリーナの庇護のない相手に対してアーサーは高圧的(ドラゴン)だった。




(ミーシャとアーサー君の初遭遇について、カクヨム版のサポーター限定SSとして近況ノートにあげときましたわ。

 (カクヨム版はこちら→) https://kakuyomu.jp/works/16817330650606750225

 あんまりサポーター還元できてなかったのでな!)

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「あとはご自由にどうぞ!」の書影です! Ixy先生の書いたカリーナちゃんとディア君ちゃんだぁ!!!
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書き下ろし:『ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子』MF文庫Jで発売中!!!

ラノオンアワード2022年10月刊の笑った部門受賞!! 売れて!!!!

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新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
[一言] まあドラゴンだし高圧的なのは納得だよねー
[良い点] 単語帳に下等生物って書いたの誰だぁw [一言] 数百年の年金とか地球で言ったら戦国時代からずっと年金貰ってるとかそんな感じにw 国の方が先に無くなったり貰う貨幣が変わったりとかしそうww …
[良い点] 殿堂入り(出禁)wwwまぁ勝てないもんねしゃあないねwww 長命種なら数世代分は年金行けそうww [一言] 更新お疲れ様です
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