ディア君、靴下脱いで！●挿絵アリ
「……はぁぁ……！ 優勝できましたがっ！ 龍の巫女って……ううっ、僕男なのに」
「お疲れー、ディア君」
「ただいまもどりましたっ！ あー、もぅ……っ もうっ！」
表彰式を終えて拠点に戻ってきたディア君を優しく迎える。
恥ずかしいのを相当我慢してたのか、もじもじと体をよじらせている。
『いやー、楽しかったっすね！』
「アーサーはそれでいいかもしれないけど、僕はこの格好ですよ？」
「ねぇディア君。みんなからちょっと聞いたんけど、それスカートの中もちゃんと女物なんだって？」
「……っ、そ、そうですよっ！ うう、試着のときは大丈夫だったのに、実戦ではちゃんとつけないと相手への安全装置が働かないかもって……」
と、顔を真っ赤にして白状するディア君。
そう。今のディア君は全身黒ゴスロリ。そして、それは勿論下着にも及ぶのだ！
尚、本当は下着は女物にしなくてもいい。
これは五大老のみんなに「そう言っといて」と仕込んでもらった。私が黒幕です。
衣装に関して、靴下も教会産の普通ニーソにしてもらっている。
女物の下着を穿いて気丈にふるまい、巫女とか姫とか呼ばれまくったアイドルテイマーのディア君ちゃん。……たっぷり羞恥が蓄積されたことだろう……！
もうちょっと煽っとこうかな！！！
「ね、どんなパンツ穿いてるの？ 見せてよ」
「え！？ や、そ、し、下着は人に見せたりしないものですからっ！」
「えー？ 私とディア君の仲じゃん」
顔を真っ赤にするディア君に、思わずニマニマと頬が上がるのが自分でもわかる。
そっと近づいて、横から抱きよせて耳元で囁く。
「ねぇ、見せて？ ディア君がどんな下着穿いてるのか気になるなぁー」
「……ッ、あ、アーサーも見てますしっ」
「いいじゃん、ドラゴンだし気にしないよ。……ここ？ ここに穿いてるのかな？」
と、ディア君のおなかを、下腹をそっと撫でる。股間にまでは手を伸ばさない。
ゴスロリのフリルがわしゃわしゃしてて楽しい。
「んひッ！？ お、お姉さん。そ、そのっ……」
「ん？ どったの？」
ディア君はエルフ耳の先まで真っ赤だ。……咥えたらダメかな？ しゃぶりたくなってきた。
と、ここでアーサーが小声で話しかけてきた。ドラゴン語で。
『（自分、部屋に戻っといた方がいいっすか？）』
『（羞恥煽る。何も分からんフリ、手伝え）』
『（うっす！）』
小声、ドラゴン語とテイマー技能で短く指示を出す。
『いやぁ、姐さんとディア君が仲良しで何よりっすねー！』
「あ、いや、そのっ！ た、確かに仲良しですがっ、お、お姉さんっ！」
「そういや私もこの後ゴスロリドレス着るんだよね。下着、ディア君とおそろいにしたいなぁ」
「し、下着をおそろいですか！？」
「なんなら今ディア君が履いてるやつを私が穿くとかでもいいよ？」
「……ううっ……」
五大老指定の下着は紐パンなので、実際私でも履けるのだ。
……と、ここで腰を撫でつつディア君の下着の紐をほどく！ 空間魔法てぇいや！
――ぱさり、と軽い布がほぼ無音で床に落ちる。
「え？ ……ひゃひ！？」
『あれ、なんか落ちたっすよー？ はいこれ』
「お、拾ってくれてありがとアーサー」
スカートの下、アーサーがディア君の下着を拾って私が受け取る。
ディア君が付けていた黒い紐パンは、その体温がバッチリ残っていてぬくぬくしていた。
布面積がだいぶ小さい。外側には少しのフリルと、ちいさなリボンが可愛らしい。
「へぇ、こんな下着だったんだね。こんなのつけてあんな舞台に立ってたんだ？」
「～～ッ！ み、見ないでくださいっ！！」
私の手から下着を奪ってぎゅっと握りしめるディア君。
私を見るその目はすっかり涙目で、顔真っ赤で、鼻が少しぴくっと震えて。
それでいて困ってはいるけど少し嬉しそうな感情も含まれていて……ああ、そう！ その顔が見たかった！！
「ディア君、靴下脱いで！ 今すぐ！」
「えっ、あ、い、いや、今僕、下着穿いてないのでここでは……」
「今！ 今じゃなきゃダメ、今なの！ いいから脱いで！ はいこれ、これに穿き替えて！」
「え、は、はいっ……うう。み、見ちゃダメですからね？」
多少困惑するディア君だったが、しぶしぶ受け入れてくれた。
……ってかその可愛すぎる反応はもう女の子のそれなんだよなぁ。
そして途中でアーサーにスカートの中を覗かれて「ふぁっ！？ こ、こらアーサー！」とびっくりしつつ、私が渡した靴下に穿き替えた。
穿き替えた靴下は、当然有無を言わさず回収した。
……これは７０点はいったな！ 大会中ずっと履いてたし、８０点超えるかも！
（遅ればせながら、ディア君のやつだよ！
最近AIイラスト関連がアレでちょっと自重してたけど、ディア君のゴスロリだよ？ これで絵がないのは嘘でしょ……）
