表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとはご自由にどうぞ。~神様が本気出してラスボス倒したので私はただスローライフする~ 【ComicREXでコミカライズ連載中!!】  作者: 鬼影スパナ
ドワーフの国、テッシン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

184/301

神器返納式


 神器返納式。


 五大老が待ちきれず、工房の設計だけでなく家具の事前作成に取り掛かり始めたころ、ようやく返納式をすることになった。


「さっさと終わらせて工房にとりかかろう!」

「「「「工房!!」」」」


 みんな息ぴったりだなぁ、うふふ。

 ところで掛け声が「工房」って、ドワーフ文化でえいえいおー、みたいな意味でもあるのかね?


「いや、単に工房が楽しみなだけかと思いますよ。あるじ様」

「ドワーフ的にはやっぱりそういうものなの?」

「ドワーフというか、職人ですから。私にあるじ様作の新作楽器をお預けしてるようなもんですよ。……それに、おばあちゃんたちは職人の上澄みも上澄みですし、理想の工房を持ってたと思いますが……今回貰えるのが、その理想を超えた工房ですからね」


 単に楽しみで仕方なさ過ぎるわけね。馬に究極のニンジン、神様に100点超え靴下みたいなレベルで。



 ちなみに前準備として、『破城壁槌(ヘパイストス)』の展示は美術館に返した翌日から再開している。

 そしてアカハガネ中に神器の返納を行うことを通達したために、見納めだといわんばかりに連日大盛況となっていた。


 もちろん『破城壁槌(ヘパイストス)』が偽物なのではと疑う声もあったが、まぁ本物なので、ピコッと頭を叩かれたら疑いも晴れていく。

 なにせ本物の『破城壁槌(ヘパイストス)』は蛇腹の関係ない側面で叩いても何故かピコッと無傷なのだ。なにそれどうなってんの。神の奇跡としか言いようがないね。


 この最後のお披露目に関しては、既に返納式が始まっていたと言っても過言ではない。


 連日大盛況ということは、人通りも多い。

 特別運行の乗り合いバスが走り、美術館前には屋台が並ぶ。既にお祭りになっていた。

 本番である今日までの間に発生した経済効果が云々、と、ミーちゃんが可愛く高笑いしていたのは記憶に新しい。


「そりゃポンと返してもらって終わり、ってわけに行かないね。勿体ないもん」

「単にウチたちドワーフがお祭り好きだってのもあるんだけれどね」


 まぁ酒が飲める名目を逃がさないドワーフらしい騒ぎっぷりだ。

 返納しても2、3日は後夜祭扱いで騒ぐだろう。


「来年以降は返納記念日として定期的なお祭りにする予定だし」

「わぁ、さすがミーちゃん。賢いねぇ」


 うーん、これが為政者というものか。女王ミーちゃん、さすがである。



 そんなわけで本番が今日だ。

 今日のために祭壇も作られている。三日で。

 美術館の屋上にピラミッド型の高台が増築された。ただし頂上は一部平らになっており、何人かが立てるスペースと1段高い台座がある。儀式スペースといったところか。

 そこまで登りやすいように、ピラミッドの正面にはドワーフサイズの階段も付いている。


 ミーちゃんを除く五大老(かよいづま)のみんなが黒系のゴージャスなローブを着て儀式スペースの台座を囲み、そこにテッシンのドワーフを代表してミーちゃんが『破城壁槌(ヘパイストス)』を持って上ってくるのだ。

 ……まるで某世紀末マンガのナントカ十字陵みたいだな、とか思ったのはここだけの秘密。


 そして『破城壁槌(ヘパイストス)』を天に掲げたら、あとは私が回収して儀式終了ってワケ。

 まぁ、それだけ。特に何も波乱なく終わるでしょ。うん。



「はぁー、緊張してきた」

「ミーちゃんも緊張するんだね、可愛い」

「そりゃするよぅ。だってウチ、神器返納するのなんて初めてなんだよぅ?」


 そりゃ神様に神器を返納した人の方が少ないだろうね。

 私はミーちゃんをよしよしと撫でた。他の4人は先に出て台座を囲んでいるところだ。


「でも実際回収するのは私だけどね」

「それでも緊張するものは緊張するの!」

「大丈夫大丈夫、ゴージャスな演出みんなで考えたでしょ。イケるイケる」


 緊張に震えるミーちゃんを抱きしめて元気づける。

 そっと緊張をほぐすマッサージも追加だ。なんやかんや便利すぎるぜマッサージ。


「はぁ、落ち着いてきた。ありがとカリちゃん。時間だね、いってくる」

「うん、いってらっしゃい!」


 私はそう言ってミーちゃんを送り出した。



(以下お知らせ)

投票の結果、電子特典SSは神様メインの物になりました! 投票ありがとうございました!

(投票してくれた人には公式アカウントからDMでイラスト付き試し読みが送られます)


締め切り近いけど間に合わすので、次の更新がどうなるか分からんぜ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「あとはご自由にどうぞ!」の書影です! Ixy先生の書いたカリーナちゃんとディア君ちゃんだぁ!!!
1588.jpg 1657.jpg 1837.jpg



書き下ろし:『ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子』MF文庫Jで発売中!!!

ラノオンアワード2022年10月刊の笑った部門受賞!! 売れて!!!!

322206001084.jpg

新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
[気になる点] そんな簡単に判別できるなら偽物掴まされた方もすぐ分かるんじゃないの? 予告状出して盗む怪盗がドワーフの国でその可能性を考えずそのまま持ち帰るのは頭カリーナちゃん
[気になる点] どうしてフラグを立てるのか、コレガワカラナイ [一言] 酒が飲めるなら理由はなんだっていい! 飲むぞうおおお!
[一言] 返納される最後の機会からのてんやわんや利益をがっぽりウハウハ お祭りにもなるし世間一般にアピールも!ナイスな記念日になることこの上なし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ