カリーナちゃん復活!
私カリーナちゃん。スライムと戯れていたら体中あちこちがかゆかゆになってしまったの!
だけど可愛いディア君が私のためにお薬を買ってきてくれたの! それを塗ったらあら不思議、たちまち元気になっちゃった!
カリーナちゃん復活! カリーナちゃん復活! カリーナちゃん復活!!
はい。
というわけで、ディア君が買ってきてくれた痛み止めで、無事復活したカリーナちゃんです。
痒みとは身体への刺激。つまり麻痺させる系の痛み止めが有効なんですよ奥さん!
いやー、現代知識活躍しちゃったなー!
え、状況によるし痛み止めでますます痒くなる可能性もあった?
うん、日頃の行いが良かったんだね!!
「あるじ様の日頃の行いについてはさておき、神器についての情報です」
「はい」
私が痒みに悶えていた間に、ディア君が痛み止めポーションのついでに持ってきてくれた情報を基にアイシアが調査してくれていた。
「神器『破城壁槌』、通称は『破壁槌』。ディア様の得た情報通り、アカハガネ美術館に飾られていました」
「飾られているくらいなら、無くなっても大丈夫そうだねぇ」
「そうですね。そもそも城壁しか破壊できない槌なので、戦争で侵攻する時くらいでしか用途がないかと」
うんうん、これなら回収して誰かが死ぬみたいな事もないはずだ。
「じゃあサクッと回収して、次は獣人の国に行ってみようか。ウサミミのシエスタがいるらしいよ」
「何事もなく終わりそうですね」
「すこし平和すぎてつまらないかもねぇ」
そんなわけで、私は実物を確認するために美術館へと向かうことにした。
ついでに観光もしておきたいなー、と気軽なお散歩で、ディア君達も一緒だ。
「お姉さん、串焼き肉買ってきました。どうぞ!」
「ありがとーディア君! やっぱりご当地串焼き肉は外せないよねぇ。これ何の肉だろ。しょっぺぇや」
『ロックリザードの肉っすね! 石を身体にくっつけて防御力上げるセコいやつらっすけど、食える肉っすわ。……うわしょっぱ。味付け濃っ。舌シビれちまうよこれ』
「味付けが濃いのは近場で岩塩が取れるからというのもありますが、やはりお酒に合うからでしょうね……あるじ様、ジュースも買ってきていいですか?」
そのジュース、アルコール飲料じゃんね。
まぁ少しならいいよ。今日は気楽な観光だし、アイシアはハーフドワーフだからお酒には強いし。
「あ、ついでに私達の分も買ってきて。ノンアルコールで頼むよ」
「無酒精の飲み物はここらの屋台には多分ないですが大丈夫ですか? 少しお時間かかります」
「マジか」
一応宿とかでは普通の水も出てきたのでないわけではないだろうが、屋台では酒の方が売れるし保存も効くのもあって酒ばっかり置いてあるそうだ。
じゃぁー昼間から飲んでも仕方ないよねぇ。
あ、でもなるべく弱いやつ買ってきてー。これから仕事の下見だからね。
「あ、ディア君はこれ貸してあげる。どんな毒水でも綺麗な水にする魔道具で、お酒も水になっちゃうんだって」
『お、自分が素材のやつっすね! ディア君、ぜひ使ってくださいっす!』
「……ありがとうございます。ねぇアイシアさん、お酒飲めない人は普通どうするんですか?」
「ドワーフには赤ちゃんでもそんな人いませんが、旅人なら宿屋とかで水筒に水を入れておいたりでしょうか。あるじ様なら水も溜め込んでるし不要でしょうけど」
そういや普通にお風呂の水とか使ってるもんな。うん。
ごくごく、っぷはー。あー、ほろ酔いしちゃう。
「あるじ様ー、そろそろ美術館行きますか?」
「そだねー! あははっ」
『いやー、なんか気分盛り上がってきたっすねぇ!』
「う、うーん。お酒飲ませてもらえないのはちょっと寂しかったですが、冷静に考えられる係は必要ですね、ええ……信用されてるってことでいいのかなぁ?」
ディア君が飲み会でお酒を飲まないドライバーみたいなことを言いつつ、私達は美術館へと向かった。
(以下お知らせ)
公式X(旧ツイッター)アカウントの方、ブレイド先輩の情報が追加されてました。
おいおい、ちょっとカッコいいじゃねぇの……ん、いや、よく見たらそうでもないか?
……実際どんなもんかは公式アカウントをチェック!
公式アカウントは下の表紙絵のリンクから!