表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとはご自由にどうぞ。~神様が本気出してラスボス倒したので私はただスローライフする~ 【ComicREXでコミカライズ連載中!!】  作者: 鬼影スパナ
ダンジョンの町、カルカッサ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

138/302

頭おかしいよこの女。(ビーベイ視点)




 ダンジョンの中、僕たちは卑怯な手段により捕まってしまった。

 何が起きたか分からないほどに卑怯な手段だ。


 しかし、とはいっても皆が一緒だ、きっと何とかなる。


 それにしてもやたら綺麗な牢屋だな……いつの間にダンジョンの中にこんな牢屋を作ったんだ。


「フォッフォッフォ……気分はどうかね」


 白銀と一緒にいたローブの男がやってきて、牢屋内に縛られて転がされた僕たちを見下してくる。怪しい、怪しすぎる男だ。


「……最悪、だね。どうなっているんだいこれは」

「何、君はダンジョンを破壊しようとするテロリスト。それを生け捕りにした。単純な話だろう?」

「僕は勇者になる男だぞ」

「つまりテロリストで間違いないだろ?」


 フンッ、と鼻で笑われる。


「さて、お前達の処遇だが……そうだな。適当に拷問してやろう」

「は? ご、拷問?」


 何を言っているんだ。僕は勇者になる男だというのに!?


「そうだな、これからお前らの世話をする拷問係を紹介しよう。しばしまて」


 顔の見えない男は、そう言って一旦牢の前を立ち去り、一人の女を連れて戻ってきた。

 黒髪で見目麗しい女性だ。


「こやつが貴様らの世話係だ。ではな」


 男はそれだけ言って去っていった。……この女だけにするのか? なら、僕の甘いマスクをもってすれば篭絡できるかもしれない。


「なぁ、僕の女にならないか。僕は勇者になる男だよ?」

「寝言乙。マシロさんの方が100万倍カッコいいし」


 あっさりと却下された。え、どうして?

 あんな獣より僕の方が良いに決まってるじゃん??? 頭おかしいよこの女。


「じゃあやろうか、拷問!」


 ……そしてついに拷問が始まってしまった。


「ぼ、僕はなにも知らないぞ! するなら後ろの4人にするといい」

「えっ。躊躇なく仲間を差し出すあたり、すげぇカッコ悪すぎるしドン引きなんだけど」


 何言ってるのやら、これは適材適所というものだ。

 拷問っていったら痛い事をするのだろう? 僕の仲間たちは痛みに耐える訓練をしているらしく、痛覚がとても鈍いらしいのだ。


 それに、僕は実際何も話せないしな!



「マジで操り人形なんだねぇ。ま、安心して。別になにも聞き出したい事はないから。……どうせ帝国の送り込んだスパイと、聖国出身の操り人形でしょ。ハイ、これ以上になにを確認しようっていうの?」

「え? ゆ、勇者として予定されていた待遇とか?」

「あはは。それきっと嘘を教えられてるよ。操り人形君の情報は一切アテにならないね」


 なん、だって?


「そうだ、先に一つだけ言っておくよ。拷問とはいっても身体を痛めつけたりはしない。君たちはギルドに引き渡すことになってるからね、安心して?……まぁ、マシロさんに傷ひとつでも付けてたらその傷の数だけ身体のパーツを切り離してたところだよフフフ」


 え、あ、それはよかった?

 んん?


「痛めつけたりしないなら、一体何をするつもりなんだい?……ハッ! まさかエッチな事を!?」

「うーん、寝言は寝て言え? まぁ全員剥いで着替えてもらうけど」


 そう言いながら女は牢に入ってきて、小さな何かを取り出した。

 何だソレ。……おしゃぶり? 赤ちゃんが咥えてるヤツだ。え、それをどうするんだって?


「ぼくちゃん、たっぷりおめかししましょうねー、ふふふ」

「むぐっ!?」


 口におしゃぶりを突っ込まれた。他の4人もだ。

 ……!? なんだこれ、口に違和感が。口が勝手におしゃぶりを咥えて……!?


「ば、ばぶっ――ばぶう!?」

「おー、成功だ。さすがあの方の魔道具だねー」


 言おうとしたのは「何をした」で、口から出てきた言葉は「ばぶぅ」。

 勝手に言葉が消されている! 自分の体なのに!


「ば、ばぁ、ばぶぅ……ッ」


 顎が、舌が、頬が、俺の言うことを聞かない! なんだこれは!?


「さっきも言ったけど、別に君達から私達が知りたい情報はないんだよ。そういうのはギルドに引き渡した先でやってくれ。……さぁて、これから始まるのはマシロさんに銃を向けた分のお仕置きだよ! せいぜい後悔するといい!」


 そ、そんな……や、やめろ! やめてくれ、こんな!

 僕は勇者になる男なんだぞ!? その手に持ってる布は――『おしめ』じゃないかぁあああああああああああああああ!?




(次回、ビーベイ死す! デュエルスタンバイ!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「あとはご自由にどうぞ!」の書影です! Ixy先生の書いたカリーナちゃんとディア君ちゃんだぁ!!!
1588.jpg 1657.jpg 1837.jpg



書き下ろし:『ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子』MF文庫Jで発売中!!!

ラノオンアワード2022年10月刊の笑った部門受賞!! 売れて!!!!

322206001084.jpg

新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
[一言] ……これと同じ事を某スマホゲーの某キャラのシナリオではナチュラルにやってるやつが居るんだよなあ……。
[一言] ヒェッ…なまじ肉体に残る傷跡の方がマシだったw
[一言] この場面をAIちゃんに描かせたらどうなるんだろう いえやらなくていいです。絶対やらないでください。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ