〜用語解説 及び 登場人物紹介〜
作中に出てくる用語の解説及び登場人物の紹介です。
少しネタバレが含まれているので、本編を一通り読んだ後に見て頂けたら幸いです。
〜用語〜
世紀末
二十年前に世界規模で発生した大災害により、文明が滅びた後の世界。
モンスター
世紀末となった世に、突如 現れた凶暴化した動植物。大型の獣からゴブリンといったファンタジーの世界から出てきた様な生き物もいる。
覚醒者
突如、世紀末の世で目を覚ました者たちの総称。
すべての覚醒者が 世界崩壊後からの十数年間の記憶を無くしている。
また覚醒者は、いっさい歳をとっておらず、服装も小綺麗で、まるで崩壊前の世界からタイムスリップしてきたかの様な見た目らしい。
全員 何らかの特殊能力をひとつ以上有しており、能力の使い方を何者からか学んでいる。
ちなみに 名前の由来は、特殊な能力に覚醒している事と 崩壊した現代で突如、目を覚ました事に掛けられている。
ダンジョン
モンスターが局所的に大発生した場所の総称。
幾つもの段階に分かれて、進化する。
最終的には、“主”と呼ばれるモンスターがダンジョン外に進出する事で自然消滅する。
発生理由などは 一切 謎に包まれているが、加藤の記憶によれば、ダンジョンはモンスターの保育器のような場所らしい。
謎の大陸
二十年前、大西洋上に突如 出現した大陸。
幻のアトランティス大陸では ないかと言われていたが、正体が明らかにされる前に、世界は滅亡した。
帝国
大西洋上に突如 出現した大陸にあるのではないかと 噂される巨大国家。
世紀末の世において、世界で唯一 近代的な文明が残る国だと言われている。
《覚醒者》である加藤やアゲハに、何らかの形で関係していると思われるが・・・。
魔道士
帝国の支配者階級。
魔法と呼ばれる特殊な“力”を行使する。
選民意識が強く、魔法を使えない者を差別している。
血中魔力濃度
血液内に存在する魔力の量。
魔法を行使する為に必要な、言わばマジックポイントの様なモノである。
人間の平均値は100万〜800万程度。
量が多ければ多いほど行使できる魔法の種類が多くなり、威力も上がる。
一般的な魔道士の血中魔力濃度は5000万程度。
誰であっても血液内に多少の魔力は持っているが、稀に魔力を持たずに生まれてくる人間が存在する。彼らは、劣等人種と呼ばれており、差別の対象となっている。
劣等人種
血液内に魔力を持たない者たちの総称。一種の差別用語として知られている。
劣等人種の中には、歪な魔力を持つ者がいると言われているが、その真偽は定かでは無い。
有魔人種
体内に魔力を持つ者たちの総称。神々の庭の住人。
神々の庭
地球と対を成していた世界。
神話では 5人の神と女神によって創造されたと言われている。
20年前の最終戦争で滅びた。
下界
地球の事。
創造の妖精族ヘレナによって、神々の庭の複製として造られた世界。
一時期、劣等人種の流刑地とされていた。
一般兵/ 手獣兵
帝国の主要戦力のひとつ。
彼らは、血液内に魔力を持つが、自力で魔法を行使できるほど血中魔力濃度が濃くない者たちだ。
彼らは、何度も採血して、それを蒸留・濾過する事により、自分の血液から高濃度の魔力を秘めた魔法結晶を生成する。その魔法結晶を魔装武具と呼ばれる武器に嵌め込み、魔法を行使している。
ちなみに、一般兵は武器を用いて戦う兵士で、手獣兵はモンスターを使役して戦う兵士である。
魔法結晶
1種類以上の魔法の“力”を秘めた結晶。
モンスターのコアでもあり、世紀末の世となった日本では通貨の代わりとなっている。
魔装武具
一般兵や手獣兵が使う魔法結晶を装着した武器。
魔法結晶から魔力の供給を行い、1種類以上の魔法を行使する。
その見た目は様々であり、小銃や刀剣、槍など一目で武器と分かるモノもあれば、笛や懐中電灯、ヴァイオリンなど一見すると武器に見えないモノまである。
大和王国
関西地方を支配する国。国王は、関 昌次郎。
元々は関西に根付く一企業だったが、世界が滅びた際、街やインフラを整備して、いち早く関西地方の復興を手がけた事により、多くの人々の信頼を得て、国へと発展していった。
だが、実際は関西地方を復興できたのは、帝国の力添えがあったからで、事実上、帝国の従属国となっている。
桜花流剣術
戦国時代の終わりに 櫻井 華が開発した実戦剣術。
多対一は もちろん、大型の獣など との戦闘を想定した技が多数ある。
主な使い手は、佐伯 ミクマなどがいる。
ヘレナ教
世紀末の世になってから 日の目を見た新興宗教。
日本のみならず、世界中で 生き残った人々の信仰の対象となっている。
世界が滅びる前は、反社会的な宗教集団だと忌み嫌われていたらしい。
魔眼
世界に9つあると言われている特殊な魔力を秘めた眼。
神々の庭を創造した5人の神と女神が それぞれ持っていたとされる。
魔剣
魔法の力が付与されている剣。
神々の庭で勃発した最終戦争で ほとんどの魔剣が破壊、紛失したとされているため、世に出回っている魔剣は、ほぼ全て複製と言われている。
獣人種
人の業によって生み出された忌むなる種族。
化猫族、人狼族、鼠人族、蜥蜴族、鳥人族など種族は多岐にわたる。
寿命や血中魔力濃度は種族によって それぞれ異なる。
人ならざる者として 長らく差別の対象となっている。
混血種
有魔人種と劣等人種との混血。
世紀末の世で爆発的に増えた種族。
その全てが、美しい見た目と宝石の様な美しいピンク髪か緑髪をしている。
獣人種と同様、差別の対象となっている。
巨人族
創造の妖精族ヘレナが造ったとされる四大種族の1つであり、神々の庭に現れた最初の種族。
四大種族の中で最も優れた防護力を誇る。
平均身長は 7〜8メートルほど。
平均寿命は500歳ほどであり、80歳で成人を迎える。記録に残っている世界最長の巨人族は886歳。
長命の種族だが、交戦的な性格の者が多く、定命まで生きる個体は稀。
血中魔力濃度は、3000万〜8000万ほど。
妖精族
神々の庭を創造した 5人の神と女神の末裔の種族。
血中魔力濃度は、2億〜8億と 四大種族とは比較にならないほど高く、扱う魔法も多岐に渡る。
過去、8度に渡る妖精大戦で数を減らしていき、現代で その姿を見た者は居ない。
ちなみに、全ての妖精族が不死であるため、彼らが絶滅したわけでは無い。
妖精族の精神や自我は不滅であり、その器となる肉体にも寿命はない。
仮に修復できないほどの傷を負った場合、彼らの肉体は姿形を変えて、武器や防具、自然物などに置き換わる。中には、思想や概念などに姿を変える妖精族もいるが、共通して 彼らの精神や自我は不滅であり、死んだ事にはならない。
魔導騎兵
魔力を秘めた者の血液を何百、何千と混ぜ合わせ、人工的に高魔力の魔法結晶を作成したのち、それを核とした機械兵器。
かつて、妖精族が開発、製造したと言われており、第2次妖精大戦、第4、5次妖精大戦に使用された。
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〜登場人物〜
加藤兵庫
突如、世紀末の世で目を覚ました《覚醒者》。
荒れ果てた世紀末の街で、モンスターに襲われている所を旅人である佐伯 ミクマに保護された。
その後、恩を帰すために、佐伯の旅に強引に同行した図々しい男。
《覚醒者》としての能力は《部分強化》。身体能力を部分的に強化できる。
十六歳の男子高校生で 元は剣道部。
佐伯ミクマ
歳は四十代前半。鍛え抜いた隆々な筋肉を持つ、精悍な顔立ちをした男。
桜花流剣術の師範代であり、世紀末の世を二十年間 生き抜いている猛者。
元々は、警察機動隊の隊員であり、装備もメイン武装は日本刀であるが、それ以外は、機動隊の物を使っている。
ある使命を負って、旅をしているらしいが・・・。
島田マサル
世界崩壊後に生まれた世紀末っ子。利発そうな顔立ちをしている十五、六歳の男性。
佐伯を先生と呼び、旅に同行している。
装備は、防刃ベストに自作した手榴弾。
周りには知られていないが、実はゴブリンの脳が好物。
蝶野アゲハ
半年前に世紀末の世で目を覚ました《覚醒者》。
《BLACK butterflies》という盗賊団を組織して、旅人を襲っていた。
能力は、《第六感》。勘で、全ての事象を予測する能力。その精度は、九割以上と言われている。
十六歳の女の子で、思春期特有の病気を まだちょっと引きずっている所がある。
三輪 美和
情報屋を名乗る《覚醒者》の女性。
年齢は、二十代前半で、目までかかる 鳥の巣の様なボサボサ髪に丸メガネをしている。
服装は、登山者の様な、アウトドアジャケットにロングパンツ。背には、これまた登山に使う様な大きなバックパックを背負っている。
能力は《透明化》。自分自身と手を触れている物なら透明にできる。
アルフレッド・フォン・グナイゼナウ
二十年前、大西洋上に突如 出現した大陸から、何らかの実験を行う為に、日本に向かっている。
誰もが羨む様な、金髪碧眼の美男子。
《達人級》の魔道士であり、その実力は、都市を半壊させるほど 強力な上級モンスター二体を 軽く捻り潰すほど。
マウロ(黒マントの男)
ゴブリンに特殊な薬剤を注射し、上級モンスター ホブゴブリンを造り出した張本人。
燃える様な赤髪に、左右で色の違う瞳をしている。
目的などは 一切 不明だが、ホブゴブリンを倒した加藤に興味を抱いている様子。