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【コミックス③巻発売】愛が重すぎるリュートの話

「リュートって愛が重いらしいよ」

「そうね。リュートは愛が重いらしいわ」

「えっ」

 

 ヴァルティスとティティアからもたらされた情報に、リュートは思わず声を上げた。

 

 心当たりはある。

 というか心当たりしかない。シルフィアへの態度だ。

 

『お飾り』だった時期には過酷な環境に耐え、今でもともすれば人への思いやりで自分のことが後回しになってしまうシルフィアに、リュートはどうしても世話を焼きたくなってしまうのだ。

 

「そ、それは、シルフィアがそう言ったのですか……?」

 

 過保護すぎる恋人に嫌気がさしてしまったのだろうかと焦って尋ねれば、精霊たちは「ううん」「違うわ」とそろって首を振った。

 

「みんなからの祈りのあいまに聞こえてくるのよ」

「そうそう。『リュート様、愛が重そうだなあ……』とか」

「『おふたりがお幸せになりますように……リュート様は愛が重そうだけど……』とか」

 

 顔を見合わせて言っているヴァルティスとティティアには、意味がよくわかっていないようだ。

 リュートに伝えたのも、だからどうこうということではなく、祈りの中にやたらリュートと一緒に出てくるワードがあるから伝えておこう、くらいのものなのだろう。

 

 そのことを理解して、リュートはほっと息をつきかけ……、

 

「いえ、安堵している場合ではありませんね……」

 

 と表情を引きしめた。

 

 自分とシルフィアの幸せを願ってくれる国民がいることは純粋に嬉しい。

 ふたりは国をよくしようと働いてきた。その思いや働きがきちんと伝わっているのだと思う。

 

 一方で、リュートははたから見てもわかるくらいに愛が重いということになる。

 

 式典でも常にシルフィアに寄り添い、彼女が疲れていないかを確認したり、気づくとシルフィアに見惚れていたり、晩餐会ではシルフィアの好物を取り揃えさせたりと、まあやはり心当たりは『ある』のだ。

 

「その……シルフィアに嫌われてしまうでしょうか……」

 

 精霊にこんなことを聞いていいものだろうかと迷いつつリュートが尋ねると、ヴァルティスとティティアはキョトンとした顔でリュートを見返した。

 

「え? ううん? シルフィアは嫌わないよ?」

「『愛の重さ』はよくわからないけれど、祈りの強さだとしたら、あなたたち同じくらいよ。前にも言ったでしょ」

 

 ようは、リュートもシルフィアも、しょっちゅう相手のことを思い出しては幸せを願っているということだ。

 

「……そうですか! ありがとうございます!!」

 

 リュートは顔を輝かせて応えた。

 

(よかった、シルフィアに嫌われる心配はなさそうだ)

 

 と考えて、ふと気づく。

 

(しかし、シルフィアも同じくらいに想ってくれているというのに私ばかりぼやかれるというのは……客観的に見た私の態度がよほど鬱陶しいのでは……?)

 

 シルフィアはともかく、第三者視点では問題は解決していない、ということに気づいてしまったリュートだった。

お久しぶりです♪

『お飾り聖女』、7/15にコミックス3巻が発売になりました!

本屋さんでぜひさがしてみてください(๑•̀ㅂ•́)و✧


コミカライズでの武田みか先生の超愛が重いリュートが大好きなので、私も書いてみました。

すぐに「シルフィアに嫌われる……!?」につなげるからやっぱり重いんじゃないかなと書いていて思いました。笑


電子書籍では1巻が無料になっております!各電子書店様でよろしくお願いします!

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