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助けに来たもの

 眩しい光に照らされて、私は目を開ける。

 視界一面がピンク。プールの中から空を見ているみたい。


「助けに来たよ!」

 上から雅の声がする。

 反射的に起き上がろうとしたけどできなかった。雅が上から私の手をつかんで引っ張り出す。


 私はピンクのジェル状の液体に浸かっていた。

 どろどろした物質が腕をゆっくりすべり落ちていく。

 見下ろすと汚れた制服が目についた。


 なんて姿だろう。さっきまで最新流行のドレスを着ていたのに。

 雅は真っ赤な顔をして引き上げ、私はどろどろが入った容器から転がるように外に出た。

 冷たい床に私たちは降り立つ。雅が持つ懐中電灯以外は真っ暗な空間。どこかで機械音が低くうなっている。


「あれは幻を見せるの。全て夢だったの、美晴」

「夢?」

 言いながら首筋の傷を触った。

 傷はまだあった。


 ただし、傷の中にはどろどろした物体が入っている。乾いた肉の感触はない。

 ずぶずぶと指を入れたらどこまでも入っていきそうで、私は手を引き抜いた。

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