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学校にて③

 早送りしたように放課後の中庭。

「俺、篠崎のこと好きなんだ」

 嘘みたい。ずっと気にしていた隣のクラスの木村くんに告られてる、私。


「付き合ってくれないか」

「はい」

 校舎の窓がいっせいに開き、祝福の声が降り注ぐ。私たちに向けられる歓声。クラッカーが鳴り吹奏楽部がファンファーレを奏でる。


「おめでとう美晴ちゃん!」

「おめでとう篠崎さん!」

「僕も彼氏にしてー!」

 どこに行っても褒められる。私の周りは人が絶えない。皆私のそばにいたいと言う。


 こんなにちやほやされるなんておかしい。

 だって私、本当は……。


 その先が思い出せない。




 放課後、正門前に黒塗りの車が停まった。

「美晴ちゃん、迎えに来たよ」

 アイドルグループのセンターの子だ。私の推し。

 近くで見るとホントにかっこいい。

「さ、乗って」

 エスコートされて車に乗り込む。ドラマみたい。ドキドキしながらドライブ。夜景の綺麗な高級レストランで食事。偶然居合わせた芸能プロダクションの社長からスカウトされる。





 どこからか、私を呼ぶ声が聞こえる気がした。

 くぐもった声で、何度も。

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