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学校にて②

「美晴ー! 帰ろう!」

 クラスで1番かわいい朝倉さんが大きく手を振ってる。心底嬉しそうな顔。なぜだか動悸がした。

「うん、今行くよ」

 私はなんともなさそうな顔で朝倉さんの元に駆け寄る。

 他のクラスメイトが嫉妬する。

「えー朝倉さんずるーい」

「私も一緒に帰りたいー」

 朝倉さんが「今日は私、美晴と2人で帰りたいの!」なんて強く言うもんだから、私は「ごめん皆、また今度ね」と軽く謝る。頭を下げた時にサラサラの髪が微かな音を立てた。

「わかった!今度楽しみにしてるね!」

「またねー」

 皆がにこにこしながら去っていく。


 なんだろう、この気持ち。

 心がほわほわする。あったかい。気持ちいい。





「美晴と一緒に帰れるの嬉しい!」

 駅までの道を朝倉さんと歩く。彼女は浮かれていて、スキップでもしそうな勢いだ。


 どこか寄り道しない、と提案される。タピオカ屋さん、ドーナツ屋さん、アイス屋さんにケーキ屋さん。私が食べたい甘いもののお店ばかりずらっと並んでいる。

「迷うねーどれにしよっか?」

 ケーキ屋さんを外から眺める。首の傷をまた触る。


 そのウィンドウ。映りこんだ私の背後に、長い黒髪の女の子が立っていた。

 日本人形みたいなその見た目。ただしうちの制服を着ている。


「あ」

 思い出した。同じクラスの(みやび)だ。

ショーウィンドウに映る彼女は私に向かってぱくぱくと金魚のように口を開けている。必死な表情でなにか言いかけているようだけど。


「どうしたの?」

「後ろに雅が」

 朝倉さんは振り返る。


「誰もいないよ?」


 私も振り返った。

 確かにいない。

 てか、今日教室で見たっけ?


 まあいいか。

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