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学校にて①

 学校にはあっという間に着いた。

 雑談していたクラスメイトが入ってきた私に注目する。思わず私は一歩下がる。冷や汗をかく。


 次の瞬間、皆は笑顔になりわっ、と盛り上がった。

「おはよ!」

「おはよう美晴!」

 皆が私に挨拶する。心底嬉しそうな笑みを浮かべて。

「おはよう篠崎(しのざき)!今日も元気そうだな」

 先生までもが声をかけていく。


 あれ、なんで私一歩下がったんだろう。

 皆こんなにあたたかく迎えてくれるのに。


 首をひねりながら着席。

 誰もそこにある傷のことは触れなかった。見えてないのか、あえて触れてこないのか。

 また傷に触る。やっぱり、ある。


 授業で当てられた。簡単な問題だったから答えられた。だけど教室中の人がびっくりする。

「こんな難しいのよくわかったね!」

「さすが篠崎さん!」

「難関大学の入試レベルだぞ」


 どう考えても小学生レベルの問題を解いただけ、なのに。


 「すごい!」「さすが!」と騒ぐ皆は、一人また一人と立ち上がり、ついに教室中がスタンディングオベーション。両隣のクラスから何事かと人が集まり、皆が私を褒めてくれる。


 これだけの人がこんなに褒めてくれる。


 それなら……私はそれだけのことをしたんだろう。

 きっと。


 他の授業も似たようなものだった。先生たちは私に「特別な問題」を当てる。答えると褒め称えられる。

 体育は創作ダンス。皆から「アイドルになれそう!」と言われた。特別に一人舞台の上で踊って皆をうっとりさせた。


 その授業もすぐ終わり、放課後になる。

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