しあわせなせかいへ
私は動けない。
迫り来るものを目に映すことしかできない。
ナイフがお腹にあたる。
「ぎこぎこぎこ」
痛みはない。
白いお皿、離れたところにピンクのどろどろ。はやくあれが欲しい。触れればきっと幸せな世界に帰れる。
はやく、はやくはやくはやく。
私につけて。
肋骨をフォークが貫く。体が宙を舞う。
「べちゃ」
私の体は望み通り、ピンクのどろどろに触れる。
お腹の断面から、首の傷から。
つかの間広がる幸福な時間を私は受け入れる。
私を現実から庇護し、褒め称える世界。
誰からも傷つけられない世界。
これでいいの。
これがいい。
最期は、これで。
「がぶり」
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